LEICA T typ701 “CHALIE VICE”
アウディコラボ・APS-Cセンサー・ミラーレスカメラ
LEICA T “CHARLIE VICE”のレビューと写真作例
目次
ギャラリー
レビュー
1.カメラ概要
LEICA T typ7011は、ライカのAPS-Cサイズセンサーを搭載した、ライカTマウントのミラーレスカメラ。
LECIA T “CHALIE VICE”は、2016年3月10日に、50 セット限定でライカストア、ライカブティックおよび一部の限定店舗で発売された。
ライカ Tはアウディデザインの薄くコンパクトなボディで、APS-Cサイズのセンサーで1600万画素。発売年から採用しているセンサーはライカX2、ライカ X typ113と同じと考えられる。
ライカTでは、ライカ M10、ライカ X typ1132と共通のEVF・ビゾフレックス Typ 020 3 ブラック 18767を使用することができる。ビゾフレックスの主な仕様は240万ドット、GPS受信機内蔵、アイセンサー搭載。
バッテリーは、ライカTオリジナルの、 BP-DC 13 4を使用している。これのバッテリーは、ライカ M11同様にカメラ底面に装着し、底部カバーも兼ねている。
ライカ Tは、Lマウントアライアンスのシグマ、パナソニックのAPS-Cサイズセンサー向けと、35mmフルサイズ向けレンズも使うことができる。しかし、シグマレンズのように絞り環の付いたレンズは、レンズ側の絞り環を操作してもカメラに情報が伝わらないため、設定はカメラからおこなう必要がある。
ストラップはシリコン製の専用差し込み式が純正で提供されたが、とにかく取り回しがよくない不思議なストラップで、Thumsup(サムズアップ)の会社がリリースした通常ストラップを取り付ける金具を買ったが、少ししてライカから同じものがより安価にリリースされた。
純正のストラップはどうしょうもない代物ということを発売後に認識したように思える。テスターからも不評だったと思うのだが、テスターはこのストラップを使わなかったのだろうか?
最終ファームウェアは1.9は「Leica FOTOS」対応に伴う変更。
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2.使用感
ライカ Tはデザインが気に入って、シルバーを購入した。オートフォーカス(以下、AF)の使えるレンズを装着して、AFまかせで気軽に撮影することに向いているカメラだ。
1600万画素は一般の撮影用途には十分な画素数と解像度がある。SLが発売される前にMマウント、Rマウントレンズの母艦として購入したが、後述するダイヤルへの機能制限により、その用途には向いていないことが確認できた。Mマウント、Rマウントレンズの母艦にするのであれば、ライカ SLシリーズか、ライカ CLが適している。
ライカ M10を同時期に使っていたため、EVFのビゾフレックス Typ020をこのカメラでも使用したが、ピントピークの表示機能がなく、拡大表示もダイヤルに機能を割り当てる必要があり、後述するダイヤル設定の制約から、設定可能なダイヤルには、普段ダイヤルにシャッター速度と絞りを割り当てている関係上、設定を変えるのが面倒で、またコンパクトなボディにEVFの出っ張りができ、カバンへの収納性が悪くなることもありLEICA Tではほとんど使わなかった。
ライカTシリーズは、タッチパネル操作、ボディ上の物理ボタンは極力廃す方針から、カメラの機能を物理的に操作するダイヤルは2個だけである。
そして問題点はこのダイヤルへの機能割り当てに制限があり、自由に機能を割り当てることができないることだ。
もっとも問題と感じる場面は、物理ダイヤルへの割り当てられる機能が撮影モードによって異なり、撮影モードで絞り優先・シャッター速度自動決定のAモードを選択した場合、ダイヤルにはピント拡大と露出補整を割り当てたいが、右ダイヤルの機能がISO選択に固定されており、いくつかの機能から選択できる左ダイヤルはピント拡大か露出補整の二者択一になり悩ましい。
Mモードを選択した場合は、右ダイヤルの機能がシャッタースピード選択に固定され、自由に設定できるのはる。左ダイヤルはパネルから機能選択できるが、こちらもAモードと同じジレンマをかかえる。
ソフトウェア上の仕様なので、2つのダイヤルに自由に機能を割り振れるとよいと思うのだが、そうでは無いのは残念である。
ライカ Tは通常のシルバーと“CHARLIE VICE”銘の限定パープルの2台を使った。シルバーはMFレンズの使い勝手がよくなくて売ってしまい、パープルはいまも手元にあるが、内部コンデンサ不良で日付が記録できなくなったのに続き、メイン基板の動作が怪しくなり、液晶にも線が入り引退となった。ライカフラッシュ・SF405を使って物撮りカメラとして重宝していたが、残念ながらデジタル機器の故障には勝てない。
ライカTシリーズは、APS-Cにしては口径の大きなマウントだと思っていたら、そのままフルサイズのSLマウントに転用された。これはある程度先を見越した設計をしていたためであろう。
3.マウントアダプター
マウントアダプターは、ライカ純正は以下のアダプターが用意されている。L用Rレンズアダプターは、ライカ製SL、TL、CLカメラで使用するとき、ライカR・ROM付きレンズを装着するとexifにレンズ情報が記録される。他社のLマウントカメラでも同様の振る舞いをして欲しいが、残念ながらそうなっているカメラは見たことが無い。
- L用Mレンズアダプター ブラック・18771
- L用Mレンズアダプター シルバー・18765
- L用Rレンズアダプター ブラック・16076
LEICA SL typ601を入手時に購入した、M-Adapter-T:18771 6と、R-Adapter-T:160767を所有していたので、ライカ Tでマニュアルレンズ使用してみたが、3.7型と大きく130万画素と高画素のディスプレイでみる撮影結果は、縮小状態ではつねにピントがあっているように見えるため、撮影後にPCで拡大してがっかりすることが多かった。撮影時にピント拡大による確認は必須であると感じた。
R-Adapter-T:16076を使用するとライカRマウントのROM端子付きレンズでは、レンズ情報をexifに記録することができる。ライカT typ701でも最新のファームウェアLEICA T v1.9で、以下のようにROMレンズの情報がExifに記録される。非ROMレンズを使用した場合は「R-Adapter-L」と表示される。
そのほか、各社から発売されているLマウント用のアダプターが利用できるが、レンジファインダーカメラ用レンズで後玉がフィルム面に近いレンズは注意が必要である。ライカTのセンサー周辺部は、APS-Cサイズセンサーと同サイズで壁がマウント近くまできているので、大きな後玉はこの壁と干渉するため取付ができない。例えば、ロシアのジュピター3レンズなどは装着できない。
シグマが発売している、シグマSAマウント、キヤノンEFマウントをLマウントに変換する、MOUNT CONVERTER MC-218はライカTシリーズ、ライカCL、ライカSLでは使用できない。
接続端子をマスクするとMFレンズとしては使えるが、絞り操作ができない。
仕様・比較
項目 | LEICA T(Typ701) | LEICA TL | LEICA TL2 | LEICA CL |
カメラ有効画素数 | 1,603万画素 | 1,620万画素 | 2,424万画素 | ← |
撮像素子 | APS-C | ← | ← | ← |
内蔵メモリー | 16GB | 32GB | ← | なし |
内蔵フラッシュ | あり | ← | なし | ← |
背面液晶 | 3.7型TFT液晶 130万ドット | ← | ← | 3.0型TFT液晶 104万ドット |
ファインダー | オプション 18767 ビゾフレックス (Typ 020) 240万ドット | ← | ← | 236万ドット 電子ビューファインダー |
メモリーカード | SD/SDHC/SDXC | ← | ← | ← |
バッテリー | BP-DC 13 | ← | ← | BP-DC12 |
外形寸法(mm) | 幅 x 高さ x 奥行 134 × 69 × 33 | ← | ← | 幅 x 高さ x 奥行 131 × 78 × 45 |
重量(g) | 384 (電池含む) | ← | 399 (電池含む) | 403 (電池含む) |
ボディ色 | シルバー ブラック 限定色 | シルバー ブラック チタン | シルバー ブラック | シルバー ブラック |
リリース年 | 2014年5月26日 | 2016年11月26日 | 2017年8月10日 | 2017年12月16日 |
オプション
- M-Adapter-T:L用Mレンズアダプター ブラック・18771
- M-Adapter-T:L用Mレンズアダプター シルバー・18765
- R-Adapter-T:L用Rレンズアダプター ブラック・116076
- バッテリー:BP-DC13(18772-silver/18773-black)
- ビゾフレックス Type020:18767
- 革ケース
- サムレスト
- ライカT用ストラップラグ(通常ストラップ取付金具)
- 専用ストラップ
参考文献・参考リンク
更新履歴
- 2024.8.16
- 2024.03.12
- 2023.08.05
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