APS-C搭載 初代コンパクト LEICA X1

APS-C搭載 初代コンパクト LEICA X1

LEICA X1のレビューと写真作例

目次

ギャラリー

レビュー

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1.概要

LEICA X1は2010年にリリースされた、ライカ製APS-Cサイズセンサー搭載のレンズ一体型コンパクトカメラ。

詳細な仕様は表に載せているが、主な仕様を抜粋すると以下の通りである。

  • 1220万画素のAPS-Cサイズセンサーを搭載
  • カメラにエルマリート24mm レンズ、35mm判換算では焦点距離36mm
  • ビューファインファーは、ホットシューに装着する光学式のみ
  • 標準の外装色はチタングレーとシルバー

2.使用感

LEICA X1の搭載するレンズはカメラ固定のエルマリート24mm、カメラはAPS-Cサイズのセンサーを積むため、実際の撮影範囲はセンサーサイズなりにトリミングされ、35mm判換算で36mm相当の焦点距離となる。
このエルマリート24mmと1220万画素の描き出す画像は2025年現在でも十分に通用する画質を持っている。

操作系はシンプルで、カメラトップの軍艦部の二つのダイヤルで操作し、シャッターと絞りをAにしておくとプログラムAEモードでお任せ撮影でき、シャッタースピードを設定すると絞りが自動調節のいわゆるシャッタースピード優先モード、絞り値を設定すると絞り優先モード、両方設定するとマニュアルモードと変化する。

LEICA X1はオートフォーカスが前提としたカメラだが、オートフォーカスで合焦しないときのためにマニュアルフォーカスモードもあり、これは十字キーの下ボタンでモードを変更し背面のダイヤルで操作する。
レンズ鏡筒にフォーカスリングの機能は無く、絞り変更やフォーカス操作の機能はなくただの筒である。

レンズ交換式のライカM型カメラはカメラトップの軍艦部はシャッターダイヤルのみで、フォーカスと絞り操作はレンズ側の機能を使う。この操作方法に慣れたライカユーザーは、LEICA X1の2ダイヤルによる操作は違和感を感じる点だ。

35mmフルサイズセンサーを搭載したライカQシリーズになって、ライカM型カメラ同様に、絞りの変更、フォーカスの両機能がレンズ鏡筒に装備される。

ライカ X1の発表会では、「起動時間は約0.2秒」と記載があるが、カメラをの電源をオンしてから、沈胴式のレンズが伸びきって実際に撮影可能になるまでは、撮影可能になるまでの時間はスペックよりも長く感じる。
テーブルフォトなど余裕のあるときは起動の遅さを感じないが、街中でスナップを撮るときなど、一瞬のシャッターチャンスを収めたいとき、カメラを起動するとワンテンポの遅れを感じてもどかしい。

撮影時もAF動作、データ書き込みなど全体的にのんびりとしたカメラだ。

また、バッテリー固定爪が折れやすく、中古では爪が折れたカメラも散見される。中国のAli expressでは補修用部品が売っているのを見かけた。

バッテリーは、ライカXシリーズ用のBP-DC8が採用され、公称260枚の撮影枚数で、実際に使用したときも200枚程度撮った時点でまだバッテリーは残っていた。

外装色は写真のブラックとスチールグレーがあり、限定版(80台)として、「ライカX1 オーストリッチエディション」という、スチールグレーボディの貼り革をオーストリッチに変更したモデルがリリースされている。

LEICA X1のホットシュー端子は外部フラッシュの端子しかなく、EVFなど電気信号のやりとりが必要な機器には対応していない。36mmの撮影枠だけ確認できるファインダーは別売された。
LEICA X2からEVFが装着できるように改良されたが、EVFを付けた外観は、とってつけたようなという表眼がしっくりくる印象で一体感がなく、LEICA X1の上面に凹凸が少ないデザインの方が優れていると感じる。

このカメラで最も気に入っている点は、ポップアップフラッシュのデザインで、カメラと一体化した円筒形状のフラッシュは、使用時にポップアップした状態もカメラとフラッシュがシームレスにつながっており美しい。

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3.まとめ

結論としてLEICA X1をまとめると、ライカオリジナルのレンズ一体型コンパクトカメラ、処理系統が遅いため、カメラの起動、オートフォーカスの合焦速度、精度は2020年台のカメラと比べるとのんびりしている。

速写を求めるカメラではなく、じっくりと被写体と向き合うスローなカメラだ。

仕様・考察など

LEICA X1のフォーカスはボディ側のダイヤルでおこなうことを記載したが、後継カメラのライカ X バリオ Typ107はレンズ鏡筒でズーム操作とフォーカス操作、ライカ X typ113はレンズ鏡筒でフォーカス操作ができるようになっている。それでも、絞り操作はカメラトップの軍艦部にあるダイヤルで操作する方法は変更されていない。物理的な絞りでなくてもいいので、レンズ鏡筒に絞り環が付いているのが望ましい。

対抗機種としては、リコー GRシリーズ、フジフィルムのX100シリーズが該当すると考えるが、操作系は3カメラでそれなりに異なる。日本のカメラになれた撮影者であれば、露出±ダイヤルのあるフジフィルム、モード設定をするリコーの方が馴染みがいいかもしれない。いずれも慣れの問題なので、少し使っていればいずれのカメラも違和感はなくなるだろう。

モデル名LEICA X1FUJIFILM X100RICOH GR
レンズ名ELMARITFUJINONGR
実焦点距離242318.3
35mm換算焦点距離363528
レンズ構成6群8枚5群7枚
開放F値2.822.8
絞り羽根799
最短撮影距離(cm)3010(マクロ)
画素数12.212.316.2
センサーAPS-C
ファインダーなし内蔵なし
液晶2.72.83.0
液晶解像度23万ドット46万ドット123万ドット
バッテリーBP-DC8NP-95DB-65
メディアSDHCSDXC
重量(g)
バッテリー込み
315445245
サイズ
(WxHxD)
124x60x32126.5 x 74.4 × 53.9117 × 61 × 34.7
リリース年201020112013
カラーブラック
グレー
シルバー
ブラック(限定)
ブラック
限定色
発売時価格オープン
200,000円前後
オープン
130,000円前後
オープン
9万9,800円前後

オプション

  • LEICA X1/X2用 ハンドグリップ
  • JJC LEICA X1/X2用 自動レンズキャップ(Aliexpressだと今でも買えるみたい)
  • 36mmビューファインダー

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参考情報

更新履歴

  • 2025.3.18
  • 2024.8.6
  • 2024.02.19
  • 2022.04.20

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