LEICA X1
APS-Cセンサー搭載の初代コンパクトカメラ
ライカ・X1のレビューと写真作例
目次
ギャラリー
レビュー
LEICA X1は、ライカ製APS-Cサイズセンサー搭載のレンズ一体型コンパクトカメラ。
操作系はシンプルで、軍艦部の二つのダイヤルで操作し、シャッターA、絞りをAにしておくとプログラムAEモードでお任せ撮影でき、シャッタースピードを設定すると絞りが自動調節のいわゆるシャッタースピード優先モード、絞り値を設定すると絞り優先モード、両方設定するとマニュアルモードと、カメラとして理にかなった操作になっている。
ライカMは軍艦部はシャッターダイヤルのみで、絞り操作はレンズ側に依存している。ライカXシリーズはレンズ鏡筒に絞りダイヤルが無いことが特徴であり、この2ダイヤルがライカが最善と解釈するレンズ一体型カメラの操作系として採用していると思われる。
対抗機種としては、リコー GRシリーズ、フジフィルムのX100シリーズが該当すると考えるが、操作系は3カメラでそれなりに異なる。日本のカメラになれた撮影者であれば、露出±ダイヤルのあるフジフィルム、モード設定をするリコーの方が馴染みがいいかもしれない。いずれも慣れの問題なので、少し使っていればいずれのカメラも違和感はなくなるだろう。
ライカ X1はオートフォーカス(以下、AF)が前提と思われるカメラだが、合焦しないときのためにマニュアルフォーカス(以下、MF)モードもあり、これは十字キーの下ボタンで素早く変更できる。X1とX2のレンズ鏡筒はただの筒でありフォーカス操作はカメラ背面の回転ダイヤルでおこなう仕様で、鏡筒でフォーカス操作ができないのは惜しいところだ。
この反省からか、後継モデルのライカ X バリオ Typ107とライカ X typ113はレンズ鏡筒で、AF、MF操作の切り替えとフォーカス操作ができるようになっている。
レンズはカメラに固定されたエルマリート24mm、APS-Cサイズのセンサーを積むため、実際の撮影範囲はトリミングされ、35mm判換算で36mm相当の焦点距離となる。エルマリート24mmと1200万画素の描き出す画像は2024年現在でも十分に通用する画質を持っている。
その後改良された、LEICA X2、LEICA X typ113と比較すると起動が遅いのが難点で、撮影時もAF動作、データ書き込みなど全体的にのんびりとしたカメラだ。
また、バッテリー固定爪が折れやすく、中古では爪が折れたカメラも散見される。中国のAli expressでは補修用部品が売っているのを見かけた。
バッテリーは、ライカXシリーズ用のBP-DC8が採用され、公称260枚の撮影枚数で、実際に使用したときも200枚程度撮った時点でまだバッテリーは残っていた。
外装色は写真のブラックとスチールグレーがあり、限定版(80台)として、「ライカX1 オーストリッチエディション」という、スチールグレーボディの貼り革をオーストリッチに変更したモデルがリリースされている。
X1のホットシュー端子は外部フラッシュの端子しかなく、EVFなど電気信号のやりとりが必要な機器には対応していない。36mmの撮影枠だけ確認できるファインダーは別売された。
X2からEVFが装着できるように改良されたが、EVFを付けた外観は、とってつけたようなという表眼がしっくりくる印象で一体感がなく、X1の上面に凹凸が少ないデザインの方が優れていると感じる。
このカメラで最も気に入っている点は、ポップアップフラッシュのデザインだ。
カメラと一体化した円筒は、使用時にポップアップした状態でもカメラとシームレスにつながっている。光量不足、高さが足りないなどの理由から、X2、X-E、X-typ113では大型化され、より高く上がるようになり、実用性は増したがフラッシュ使用時のカメラデザインは崩れてしまった。
仕様・比較
モデル名 | LEICA X1 | FUJIFILM X100 | RICOH GR |
レンズ名 | ELMARIT | FUJINON | GR |
実焦点距離 | 24 | 23 | 18.3 |
35mm換算焦点距離 | 36 | 35 | 28 |
レンズ構成 | 6群8枚 | ← | 5群7枚 |
開放F値 | 2.8 | 2 | 2.8 |
絞り羽根 | 7 | 9 | 9 |
最短撮影距離(cm) | 30 | 10(マクロ) | ← |
画素数 | 12.2 | 12.3 | 16.2 |
センサー | APS-C | ← | ← |
ファインダー | なし | 内蔵 | なし |
液晶 | 2.7 | 2.8 | 3.0 |
液晶解像度 | 23万ドット | 46万ドット | 123万ドット |
バッテリー | BP-DC8 | NP-95 | DB-65 |
メディア | SDHC | ← | SDXC |
重量(g) バッテリー込み | 315 | 445 | 245 |
サイズ (WxHxD) | 124x60x32 | 126.5 x 74.4 × 53.9 | 117 × 61 × 34.7 |
リリース年 | 2010 | 2011 | 2013 |
カラー | ブラック グレー | シルバー ブラック(限定) | ブラック 限定色 |
発売時価格 | オープン 200,000円前後 | オープン 130,000円前後 | オープン 9万9,800円前後 |
モデル名 | X1 | X2 | X-Vario | X | X-E | X-U |
レンズ名 | ELMARIT | ← | VARIO ELMAR | SUMMILUX | ELMARIT | SUMMILUX |
実焦点距離 | 24 | 24 | 18-46 | 23 | 24 | 23 |
35mm換算焦点距離 | 36 | 36 | 28-70 | 35 | 36 | 35 |
レンズ構成 | 6群8枚 | ← | 8群9枚 | 8群10枚 | 6群8枚 | 8群10枚 |
開放F値 | 2.8 | 2.8 | 3.5~6.4 | 1.7 | 2.8 | 1.7 |
最短撮影距離(m) | 0.3 | ← | ← | 0.2 | 0.3 | 0.2 |
画素数 | 12.2 | 16.2 | 16.2 | 16.2 | 16.2 | 16.2 |
センサー | APS-C | APS-C | APS-C | APS-C | APS-C | APS-C |
ファインダー | なし | EVF-2 | EVF-2 | VISOFLEX1 | EVF-2 | なし |
液晶 | 2.7 | ← | 3.0 | ← | 2.7 | ← |
液晶解像度 | 23万ドット | ← | 92万ドット | ← | 23万ドット | 92万ドット |
バッテリー | BP-DC8 | ← | ← | ← | ← | ← |
メディア | SDHC | SDXC | ← | ← | ← | ← |
重量(g) バッテリー込み | 315 | 345 | 680 | 486 | 345 | 635 |
サイズ (WxHxD) | 124x60x32 (D=レンズ格納時) | 124x69x52 (D=使用時) | 133 x 73 x 95 | 133 x 73 x 78 | 124x69x52 | 140 x 79 x 88 |
リリース年 | 2010 | 2012 | 2013 | 2014 | 2014 | 2016 |
カラー | 黒 グレー | 黒 銀 白 緑 ポールスミス 大丸東京 アラカルト | 黒 銀 東京駅 しゃちほこ Galeries Lafayette | 黒 銀 マルーン ホワイト モンクレール | チタン | 黒x銀 |
オプション
- LEICA X1/X2用 ハンドグリップ
- JJC LEICA X1/X2用 自動レンズキャップ(Aliexpressだと今でも買えるみたい)
- 36mmビューファインダー
参考文献・参考リンク
更新履歴
- 2024.8.6
- 2024.02.19
- 2022.04.20
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