HASSELBLAD HCD 28mmとLEICA S DSLR

AF超広角レンズ・HASSELBLAD HCD 28mm をライカS typ007 デジタル一眼レフカメラで使用したレビューと写真作例

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ギャラリー

レビュー

HASSELBLAD HCD 28mmはハッセルブラッド Hシリーズ用の中望遠レンズ。レンズをHASSELBLAD Xシリーズカメラで使用したレビューはリンク先ページで紹介している。

ハッセルブラッドのHシリーズレンズには大きく2つのバージョンがあり、オレンジドットと呼ばれる新型と、FUJINONブランドを含む無印の旧型がある。ライカ Sシリーズで使用する場合は、新型、旧型問わずに使用可能でレンズに問題がなければオートフォーカスで使用することができる。

ここでは、LEICA S typ007での使用に絞ってレビューを記す。

HASSELBLAD HCD 28mmをLEICA S typ007で使う場合、ライカ純正のLEICA S-Adapter Hを使うことでレンズをオートフォーカスを利用することができる。LEICA Sシリーズの採用する45mm x 30mmの中判デジタルセンサーで使用するとき35mm判換算焦点距離は23mm相当となる。

レンズ、カメラ、マウントアダプターを足した重量は2kg程度で、広角23mmのレンズ装着した中判デジタルカメラとしてはコンパクトで軽い。

焦点距離23mm相当は十分に広角なレンズで、撮影画像に歪みが目立つことはそれほどなく使い易い。
イメージサークルの大きさから周辺部画質はHASSELBLAD HC 35mmに若干劣るが、それはレンズの大きさと重さのトレードオフで、より広い範囲が写せることと持ち運びの容易さを考えるとHASSELBLAD HCD 28mmにもそれ相応の魅力がある。

LEICA S Typ007とHCD28の組み合わせでオートフォーカスを使用すると、そのフォーカス速度は特別早くはないが十分に実用的な速度で、フォーカス精度もコントラストのある被写体を狙うと意図した場所で止まるのは他のレンズと同じだ。

鏡筒がコンパクトなHASSELBLAD Hシステム向けHCDレンズ群は、ハッセルブラッドHシステムの開発が継続されていればHCDレンズの種類も増えたと思われるが、残念ながら2023年でHシステムが終了したため、HCDレンズは現在リリースされている3本で終了する。

LEICA S-Adapter HとHASSELBLAD HCD 28mmの組み合わせで使っていると、ときどきカメラとレンズの通信不良でフリーズする。古めのレンズ、HC 35mm、HC 80mmはそういうことに遭遇していないため、このレンズもしくは所有レンズ固有の問題と考えられる。それについてはLEICAに報告しても、ほとんど改善されることはないため報告はせず、フリーズしたらバッテリーを抜いてカメラをリセットして使用している。

オレンジドットのない古いHASSELBLAD HCD 28mmもライカSシリーズカメラとLEICA S-Adapter H組み合わせでAFが使えるはずだが、レンズファームウェアのバージョンによってはライカSがレンズを認識しないこともあるため、購入時は現物確認は必須だ。

仕様・考察など

同じHCDシリーズでより広角レンズであるHASSELBLAD HCD 24mm F4.8は、ライカSシリーズカメラ + LEICA S-Adapter Hの組み合わせで正常に動作しない。そのため、HASSELBLAD Hレンズの中ではこのHASSELBLAD HCD 28mmがライカSシリーズカメラで使えるもっとも広角レンズだ。

LEICA S純正レンズの広角レンズは、最も広いSUPER ELMAR-S 24mm、次の焦点距離はELMARIT-S 30mmとなるため、焦点距離28mmは純正にはない焦点距離となる。

項目	HCD 24	HCD 28	Elmarit-S 30mm
焦点距離(mm)	24.3	28.9	30
最大絞り	4.8	4	2.8
最小絞り	32	32	22
レンズ構成	11群14枚	9群12枚	9群13枚
最短撮影距離(m)	0.38	0.35	0.5
レンズ長(mm)	99	102	128
レンズ最大径(mm)	100	100	88
フィルター径(mm)	95	95	82
重量(g)	810	850	1060 1140(with central shutter)

参考情報

HASSELBLAD HCD28mm・公式情報

更新履歴

2025.8.12
2024.8.28
2023.6.30