CL用 SUMMICRON C 40mm

ライカ ズミクロンC 40mmをライカデジタルレンジファインダーカメラ LEICA M-P Typ240で使用したレビューと写真作例
目次
ギャラリー
- 写真作例の撮影はLEICA M typ240
レビュー


1.概要
SUMMCIRON C 40mmは1972年にリリースされた、ミノルタと共同開発したフィルムカメラ、LEICA CL、LEITZ MINOLTA CL専用レンズだ。
主な仕様は以下の通りで、詳細は表に載せている。
- 開放F値 2
- レンズ構成 4群6枚
- 絞り羽根 10枚
- 最短撮影距離 0.8m
- ライカMレンジファインダーカメラ距離計連動 0.8m
- フード 39mmネジ込みラバーフード
ミノルタが販売したカメラに付属するレンズはミノルタ製造のM ROKKOR(QF) 40mmで、レンズ構成はSUMMICRON C 40mmと同一だ。ただしROKKORのフィルター径は40.5mmでSUMMICRON Cと異なる。
2.使用感
SUMMCIRON C 40mmはLEICA CLではなく、LEICA M typ240デジタルカメラで使用していた。
描写は古いレンズながらコントラストが高くメリハリの効いた写りをする。場面によっては背景のボケがうるさくなることはあるため、その癖は把握しておき撮影時に避けるようにするとよい。逆光での撮影はほとんどしなかったので逆光時の実力は不明だ。
LEICA M typ240で使用するにあたり、本レンズ特有の傾斜カムによるフォーカス精度を危惧した。
手持ちのボディは二重像によるピント位置と、VISOFLEXによる電子ビューファインダーでピントをあわせた撮影結果にズレは無く、通常のライカMマウントと同様に使用できた。
レンズはフォーカス時のヘリコイドの移動量が少ないため、素早いピント合わせが可能で即興的な撮影に向いており、動きの予測が難しい動物を撮影する際などにも重宝した。
ほとんどのM型レンジファインダーカメラには、40mmのファインダー枠は無いため、表示される50mmのファインダー枠の外側を意識して撮影するか、Voigtlander、Rolleiブランドで販売されている、40mmの外付けファインダーで構図を決めることになる。
3.まとめ
結論としてSUMMCIRON C 40mmをまとめると、特別高性能ではないが、コンパクトで気軽にスナップ用途に向いている。
レンズ設計はライカがおこなっており、純粋にズミクロンシリーズのレンズで、ライカ純正を求めるのであれば、ミノルタバージョンの2〜3倍程度となる。
純粋にレンズを使うだけであれば、M ROKKOR(QF) 40mmを探せば安価ですませることもできる。
1981年にミノルタ CLEと同時に発売された、同名のROKKOR 40mm F2もレンズ構成はほぼ同じで、一般的な並行カムを採用しておりM型ライカカメラの距離計に関する問題が無いため使い易い。
・余談
SUMMICRON Cは焦点距離が40mmで、従来ライカ標準レンズである50mmよりも短い焦点距離を採用している。
これは35mm、50mmはMマウントレンズが豊富にあることと、販売時に付属のレンズをつけたままにするユーザーには焦点距離50mmでは狭いとの判断があったと推測される。また、レンズ一体型のコンパクトカメラが汎用的に使える焦点距離として40mmを採用していたことと同じ理屈とも言える。
本レンズはライカMマウントを採用しているため、他のM型ライカに装着は可能だが、両レンズのヘリコイドはコストダウンのためシングルヘリコイドになっており、それにあわせて距離計連動カムが傾斜カム(傾斜カムで調べると大量に説明が出てくるので興味があれば調べてみるといいだろう。)を採用しており、このため、フィルムカメラのLEICA CL以外ではピント精度が保証されないと言われている。
また、こちらも使用しているときは問題を感じなかったが、最新のズミルックス 50mm ASPH.などは傾斜カムを採用しているとのことだが、使用時に問題を感じたことはない。
仕様・レンズ比較
ライカ L39、Mマウント用の焦点距離40mmのレンズは比較的数があり、代表的なレンズとして以下がある。
- Voigtlander NOKTON 40mm F1.4
- Voigtlander NOKTON 40mm F1.2
- Voigtlander HELIAR40mm F2.8 Aspherical
- Rollei Sonnar 40mm
- M ROKKOR 40mm(CLE)
- M ROKKOR-QF 40mm(CL)
SUMMICRON C 40mmをRollei SONNARと比べてみると、レンズサイズはROLLEI SONNAR 40mmがSUMMICRON C 40mmより少し大きい。
レンズ構成はSUMMICRON C 40mmがガウス型で、ROLLEI SONNAR 40mmはゾナー型と異なる。その違いは主に後玉の配置にあらわれる。
- レンズ構成図は各社の配付資料から引用し、サイズはこちらで調整しているため厳密ではない。


項目 | SUMMICRON C | Rollei SONNAR LSM |
焦点距離(mm) | 40 | 40 |
最大絞り | 2 | 2.8 |
最小絞り | 16 | 22 |
絞り羽根 | 10 | 10 |
レンズ構成 | 4群6枚 | 4群5枚 |
最短撮影距離(m) | 0.8 | 0.7 |
レンズ長(mm) | 23.5 | 30.5(フードなし) |
レンズ最大径(mm) | 50 | 51 |
フィルター径(mm) | 39 | 39 |
重量(g) | 120 | 172 |
フード | 39mmねじ込みラバーフード・12518 | 専用フード |
リリース年 | 1972 | 2002〜2006 |
製造本数 | -54,350 | – |
参考リンク
- Leica wiki 40mm f/2 Summicron-C
- 赤城耕一の「アカギカメラ」 第23回:再検証、ライツミノルタCL
- カメラ修理屋の気まぐれBLOG・現行ライカレンズの疑問
- LEICA SUMMARIT 40mm・Shige’s hobby
- Voigtlander NOKTON 40mm F1.4・Shige’s hobby
- Rollei Sonnar 40mm・Shige’s hobby
- Rollei TORIOTAR 40mm・Shige’s hobby
更新履歴
- 2025.4.13
- 2024.06.01
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