LOMO x ZENIT NEW RUSSAR+ 20mm F5.6

NEW RUSSAR+ 20mm F5.6(LOMO / Lomography 版)をデジタルカメラで使用したレビューと写真作例
目次
ギャラリー
- 写真作例の撮影はPanasonic DMC-GM5とHASSELBLAD X2D
レビュー
1.概要
LOMO x ZENIT NEW RUSSAR+ 20mm F5.6は、LOMO(ロモグラフィー)がロシアのZENIT社に依頼し、往年の名レンズ・Russarの復刻版だ。
主な仕様は以下の通りで、詳細は表に載せている。
- 開放F値 5.6
- レンズ構成 4群6枚
- 絞り羽根 7枚
- 最短撮影距離 0.5m
- ライカMレンジファインダーカメラ距離計連動しない
- フード なし
- レンズカラーバリエーション シルバー
LOMOブランド以外でロシアから輸入されて市販されているRUSSARは、ブラックとシルバーのカラーバリエーションがあり、それらは経年劣化によるスレや傷みが目立つものが多い。このレンズは鏡筒が作り直されたようで、光沢のあるシルバーカラーが美しい。
2.使用感
LOMO x ZENIT NEW RUSSAR+ 20mm F5.6の魅力は、対称的なレンズ構成により、描写における歪みが少ないことだ。
デジタルカメラで撮影する場合、カメラに搭載されているセンサーによっては、HOLOGON 16mm、Super Angulon M 21mm、BIogon-G 21mmと同様に、大きな色かぶりが発生することがあり、特に青空や薄暗いシーンでは色かぶりが目立つ。これはモノクロに変換すると目立たなくなるので、モノクロ前提で撮影することも一つの手段である。
迫力のある凸レンズを守るためにフィルターを装着したいけれど、フィルターを装着すると絞りが動かないというデメリットがある。
最短撮影距離は0.5mで、旧バージョンと同じなのが残念な点で、ミラーレスカメラであれば補助ヘリコイド付きマウントアダプターを使えば回避できる。
センサーサイズが小さいM4/3(マイクロフォーサーズ)、APS-Cセンサーで使用すると、周辺部がクロップされるため、カラーキャストの問題はなくなる。レンズがコンパクトなので、小さなカメラボディに装着すると、古いコンパクトカメラのような外観になり、スナップカメラとしてとても良い。
ギャラリーはマイクロフォーサーズとHASSELBALD X2Dの撮影結果を掲載した。
センサーサイズの大きなHASSELBLAD X2Dは、HOLOGON 16mm同様にイメージサークルは足りていないけれど、カラーキャストをおこさない。これは新しいセンサーのおかげと思われる。レンズの使用頻度が上がるうれしい出来事だ。
3.まとめ
結論としてLOMO x ZENIT NEW RUSSAR+ 20mm F5.6をまとめると、レンズ長23mmのコンパクトな広角レンズ。
良い点は対称型のレンズ構成をもち被写体の歪みは目立たないことだ。
悪い点は周辺減光は顕著で、デジタルカメラの搭載センサーによっては、周辺部でカラーキャストをおこすこともある。
仕様
項目 | 値 | 備考 |
焦点距離(mm) | 19.3 | |
最大絞り | 5.6 | |
最小絞り | 22 | |
絞り羽根 | 7 | |
レンズ構成 | 4群6枚 | 対称型 |
最短撮影距離(m) | 0.5 | |
レンズ長(mm) | 23 | マウント面からの距離 |
レンズ最大径(mm) | 53 | |
フィルター径(mm) | 49 | フィルター装着時、絞り操作不可 |
重量(g) | 112 | レンズ +L/Mアダプタ |
参考文献・参考リンク
更新履歴
- 2024.05.05
- 2023.01.05
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