MINOLTA DiMAGE Scan Elite II
ミノルタ 高機能・フィルムスキャナー
ディマージュ スキャン エリート 2について、2024年現在のスキャナの実力、動作環境、スキャンソフトをレビューする。
- ページに表示される広告をクリックすることによりサイト管理者に報酬が発生する。
広告の詳細はリンク先に記載
目次
レビュー
1.概要
DiMAGE Scan Elite IIは、2001年の製品でIEEE1394とUSB1.0での接続に対応している。
Eliteシリーズの2代目で最大スキャン解像度は2820dpi、入出力共に16bitでおこない定価は9.8万円だった。
35mm判フィルム(36.32 x 24.21mm)を2820dpiでスキャンすると、横方向は36.32/25.4*2820=4032ピクセル、縦方向は24.21/25.4*2820=2687ピクセルの画像を得ることができる。Digital ICE3 ™を搭載しているため、フィルムに埃や傷がある場合は自動的に補正が可能である。
ミノルタ製スキャナの特徴である、フィルムをフィルムキャリアにのせてからスキャンする方式を採用し、スキャナの動作にはACアダプターが必要である。
スキャナのスペックの違いは、スキャナ仕様比較をご覧いただきたい。
2.使用感
スキャン速度は以下の通りで、スキャン環境はMac book Air 11の2015最終版のThunderbolt2ポートに、Thunderbolt-FireWireアダプター(MD464ZMA)を経由して接続し、スキャンソフトにVueScanを使用した。
- 白黒ネガ 2820dpi:53秒
- カラーネガ 2820dpi:2分25秒
スキャン結果は、Elite II 2820dpiの結果は、DiMAGE SCAN PRO Multi 2400dpiの結果よりは精細だ。やはり縮小スキャンをすると細部のつぶれがおこりやすいことが分かる。
スキャン解像度はDiMAGE SCAN Dual IIIと同じなので、印刷サイズが大きい場合は買いぞどが不足する可能性がある。スキャン速度もIEEE1394を使用しても4800dpiのDiMAGE SCAN PRO Multiと同等なので、高速とは言えない。やはり古いスキャナという印象は拭えないため、予算が許すのであればニコンの4シリーズか5シリーズ、ミノルタであればElite 5400シリーズを選択するのがよい。
余談だが、最初に購入したElite IIは、最終的に機器の不調だったのだが、Mac Book PRO (Intel-2017)にUSB接続でスキャンしたところ連続スキャンができなかった。機器不良か接続の相性かを見極めるためMac Book Air 11(Intel-2015)のThunderbolt2端子付きに、Thunderbolt-FireWireアダプター(MD464ZMA)を経由してIEEE1394でPCとスキャナに接続して、スキャンしてみるとUSB接続と同じ結果で1枚目はかろうじてスキャンできるが、2枚目以降は確実に失敗することがわかった。
中古にしては、箱、付属品のキャリア等はフル装備だったので、付属品目当てに置いておいてもよいかと思ったが、大きくてかさばるため、他のスキャナを買うため返品することにした。
その後、Elite IIは懲りずに2代目を購入した。スライド用とスリップフィルム用のフィルムキャリア、ACアダプター以外の付属品がなかった。こちらは、接続するPCを選ぶが使用できている。
3.IEEE1394 / USB 1.0
DiMAGE Scan Elite IIはUSB1.0端子を持っているため、接続だけであればUSB端子を持つPCであれば、OSを問わずに接続できる。
IEEE1394は端子を持ったPCを用意する必要がある。また、Macのサンダーボルト端子はIEEE1394と互換性があるため、Thunderbolt2-FireWireアダプター(MD464ZMA)を使用すると接続可能である。Thunderbolt3への接続もThunderbolt 3(USB-C)- Thunderbolt 2アダプタを使うと接続可能だが、スキャナの動作は不安定なことがある。
Windows10-PCはDiMAGE SCAN PRO Multiと同じ同じ方法でIEEE1394接続をしたところスキャナを認識しない。Windows 10のデバイスマネージャを見ると、USBとIEEE1394との切り替えができおらず、Windows側のデバイスドライバの問題と推測される。この現象からDiMAGE SCAN PRO MultiがWindows-PCで使用できているのは、スキャナにUSB端子がないためと考えられる。
USB1.0で使用したところ、スキャナを認識したのでVueScanを使用してフィルム1コマの2820dpiのカラーネガスキャンに4分20秒かかった。MacにIEEE1394接続したときの倍程度のスキャン時間がかかっている
スキャンするためにはソフトウェアが必要で、純正のスキャナソフトウェアは、WindowsはWindows XP-32bitまで、MacはMac-OS X 10.4Tigerに対応している。雄志が新しいバージョンのWindows-OSで使用するためのソフトウェアを配布している。
有償スキャンソフトのVueScanは2024年現在、最新OSに対応している。同じく有償スキャンソフトのSilverFast バージョン6.6でMac-OS X 10.6 Snow Leopard、WindowsはWindows XP-32bitまで対応している。
4.スキャナ仕様比較
ミノルタのディマージュスキャンは、大きく3つのラインがあり、廉価なDual、35mmフィルム+APSフィルムに対応した高機能モデルのElite、大判フィルムのスキャンが可能なMultiだ。
Dualはゴミ取り機能ICEが非搭載で、EliteとMultiはゴミ取り機能ICEを搭載している。ICEのバージョンは下表を参照のこと。
下表の古い機種は光源が不明だが、おそらく2000年より前の機種は、3波長蛍光灯(熱陰極管)を採用していると考えられ、2000年以降の機種は3波長蛍光灯(冷陰極管)を採用し、Elite 5400 IIは白色LEDを採用している。5400はmurauchi.comの記載では3波長蛍光灯(冷陰極管)となっているが5400(AF-5400)の情報は極端に少なく正確な情報を確認できない、外観含め部品はほぼ同じに見える5400 IIと同じ白色LEDかもしれない。
機器名称 | DiMAGE Scan Dual | DiMAGE Scan Elite | DiMAGE Scan Multi |
型番 | Dual Dual II(AF-2820U) Dual III(AF-2840) Dual IV(AF-3200) | Elite Elite II(AF-2920) Elite 5400(AF-5400) Elite 5400II(AF-5400-2) | Multi(F-3000) Multi II(F-3100) Multi PRO(AF-5000) |
解像度(dpi) | 2820(Dual,Dual II,Dual III) 3200(Dual IV) | 2820(Elite,Elite II) 5400(Elite 5400,Elite 5400II) | 2820(Multi,Multi II) 4800(Multi PRO) |
センサー | RGB3ラインCCD | ← | ← |
光源 | 不明(Dual) 3波長蛍光灯(冷陰極管)(Dual II,III,IV) | 不明(Elite) 3波長蛍光灯(冷陰極管)(Elite II,5400) 白色LED(5400II) | 3波長蛍光灯(熱陰極管)(Multi / Multi II) 3波長蛍光灯(冷陰極管)(Multi PRO) |
スキャン方式 | 原稿固定 光学系移動式平面走査1パススキャン | ← | ← |
A/D変換 | 12bit(Dual I,II) 16bit(Dual III.IV) | 12bit(Elite) 16bit(Elite II) 16bit(Elite 5400) 16bit(Elite 5400 II) | 不明(Multi II) 12bit(Multi II) 16bit(Multi PRO) |
出力 | 16bit | ← | ← |
Digital ICE | なし | 不明(Elite) ICE 3(Elite II) ICE 4(Elite 5400) ICE 4(Elite 5400 II) | 不明(Multi) ROC(Multi II) ICE 3(Multi PRO) |
インタフェース | SCSI(Dual I,II) USB 2(Dual III,IV) | ?(Elite) USB 1/IEEE1394(II) USB 2/IEEE1394(5400,5400 II) | ?(Multi) SCSI(Multi II) SCSI/IEEE1394(Multi PRO) |
自動送り | 6 | ← | ← |
スライド対応 | 有り | ← | ← |
大判フィルム | なし | ← | あり |
電源 | ACアダプタ | ← | 内蔵 |
重量(kg) | 1.5(すべて同じ) | 不明(Elite) 1.5(Elite II) 2.5(Elite 5400) 1.5(Elite 5400 II) | 不明(Multi) 不明(Multi II) 4(Multi PRO) |
オプション | 35mmフィルム FH-U1 スライド SH-U1 | Elite /II 35mmフィルム FH-U1 スライド SH-U1 Elite 5400/5400II 35mmフィルムFH-M20 スライドSH-M20 | 35mmフィルム SH-M2 スライド FH-M1 ブローニ MH-M1 |
価格(税抜き) | 不明(Dual) 6.48万円(Dual II) 4.48万円(Dual III) 3.5万円(Dual IV) | 不明(Elite) 9.8万円(Elite II) 10.5万円(Elite 5400) 7万円(Elite 5400 II) | 29.8万円(Multi) 31.8万円(Multi II) 35.8万円(Multi PRO) |
リリース年 | 1997(Dual) 2000(Dual II) 2002(Dual III) 2004(Dual IV) | 1999(Elite) 2001(Elite II) 2003(Elite 5400) 2005(Elite 5400 II) | 1998(Multi) 2000(Multi II) 2001(Multi PRO) |
Digital ICE3 ™、Digital ICE4 ™、Digital ICE ™は米国EASTMAN KODAK COMPANYの商標であり技術です。
ギャラリー
最初に購入したElite IIでLEICA R8 +コダックゴールド 200で撮影したフィルムをDiMAGE Scan Elite IIでスキャンした結果を以下に掲載する。スキャンに成功したのは数枚だけなので、サンプルの数は少ない。また、最後の画像のようにゲルハルト・リヒターの《ストリップ 》のようになることもあった。
懲りずに購入した2代目は、DiMAGE Scan Multi PROでスキャンしているので、出番なく埃をかぶっている。
参考文献・参考リンク
- Dimage Scan Dual II ASCIIの記事
- Dimage Scan Dual III ASCIIの記事
- Dimage Scan Dual III Itmediaの記事
- Dimage Scan Dual IV コニカミノルタプレスリリースPDF
- Dimage Scan Elite II ASCIIの記事
- Dimage Scan Elete5400 murauchi.comの記事
- Dimage Scan Elite 5400 II コニカミノルタプレスリリース
- Dimage Scan Multi AstroArtsの記事
- Dimage Scan Multi II AstroArtsの記事
- Dimage Scan Multi PRO PC-Watchの記事
- Dimage Scan Multi PRO Itmediaの記事
更新履歴
- 2024.01.03