MINOLTA DiMAGE Scan Multi PRO
ミノルタ製フィルムスキャナー、ディマージュ スキャン マルチ プロのレビューと作例
目次
<ギャラリー>
HEXAR-RF +Voigtlander NOKTON 35mm F1.2 +KODAK Kodachrme64で撮影しScan Multi Proでスキャンした。
<レビュー>
2023年、年の瀬にDiMAGE SCAN Multi PROを中古で購入した。
マルチシリーズは35mmフィルムだけで無く大判のフィルムをスキャンできるのが特徴だ。
DiMAGE Scan Elite 5400シリーズと異なり、フィルム面が上に来るのでスキャン中に埃が落ちないように気をつかう必要がある。DiMAGE Scan Dual IIIと比べると、ICE3を搭載しているので、埃の除去をスキャナ側でやってくれるが、やはりスキャン前にブロアーで吹き飛ばしてから実施した方が無難だ。
ネガフィルムとスライドフィルムをスキャンしてみたが、4800dpiはスライドをスキャンしたさいの緻密さ、立体感がNIKONの4000dpiより優れているように感じる。
2023年現在リバーサルフィルムはずいぶん値上がりしており、気軽に使える環境では無いため、撮りためた古いフィルムをこのスキャナでよみがえらせていこうと思っている。
ネガスキャンに関しては、ニコンもミノルタもそれほど差はないと感じている。
スライド枠に嵌めた35mmフィルムは一回の操作で4枚を取り込むことができる。600dpiのプレビューが80秒くらいで、4800dpiの取り込みが180秒くらいと、4分程度で1枚の処理が終わるが、36枚撮りだと16分*9で144分なので、それなりに時間がかかる。
このスキャナが売られていたときのPCの推奨スペックがPentuim III 450MHzの時代なので、今のPCだとより高速に処理できそうだが、残念ながらスキャナ本体のスペックに縛られて、当時の公称処理時間とそれほど違いがでなかった。ICEとかフルオンにしているので、その部分については早くなっているのかもしれない。
そのうち動画を撮るつもりだが、巨大なキャリアを動かす関係上、動作音はうるさい。甲高い高周波とマシンガンのような打音がする。35mmフィルムスキャンするだけなら、NIKONのLS-40,50,4000,5000シリーズの方が静かで高速に処理できると思う。
ただし、NIKON製スキャナはスライド枠に嵌めたフィルムを処理する場合、LS-4000,LS-5000の2機種限定でオプションのSF-210を使用すると50枚連続でスキャンできるが、SF-210が無い場合やLS-40,50の下位機種はスライド枠に嵌めたフィルムは1枚づつスキャンする必要があるため手間である。
スリップフィルムはキャリアにセットしなくてよいNIKONの使い勝手がよい。
ソフトウェアは、VueScanを購入してマックで使っている。そちらのソフトはWindows版/Linux版もあり、PCがLinux/Windowsのときはそちらを使っていた。インターフェースは同じで両者の使い勝手に差は無い。シリアル番号も共通で使える。
VueScanは老舗のスキャンソフトで、様々なスキャナとフィルムカラーシミュレートに対応している。
こちらは相当前にオンラインで永久無料バージョンアップ代金を払ってから、バージョンアップは続いており追金を払っていないのはありがたい。
<仕様>
DIMAGE Scan Multi Proは、2001年の製品でIEEE1394(FireWire)とUltra-SCSIでの接続に対応している。
どちらも2023年現在は古いインターフェースなので、デスクトップであれば拡張カードが必要で、MacはIEEE1394を接続するときは、Thunderbolt-FireWireアダプター(MD464ZMA)、定価4000円程度とThunderbolt 3(USB-C)- Thunderbolt 2アダプタ(MMEL2AM/A)、定価7000円程度の二つの変換アダプターをかませばMacとスキャナを接続できる。私が試したのはIntel-CPU搭載Macで、M1、M2などのMシリーズMacではどうなるかのテストはできていないが、VueScanはMシリーズにネイティブで対応しているし、FirerWireはAppleが自社で制定したプロトコルなので、2023年現在も端子の形は変わりながらも通信規格としてはサポートされているので、Mシリーズでも問題ないと思っている。
WindowsもThunderbolt端子付きのマザーボードを見かけるが、Mac用の変換ケーブルで接続できるかのテストはしていない。
Ultra-SCSIで使う場合は、SCSIボードとOSに対応したドライバが必要になるはずで、ドライバが使用しているOSに提供されていないと使えない可能性が高い。また、汎用的なSCSI-USB変換アダプタで使う場合は、変換アダプタをSCSI エミュレートモード(一般的なOSが提供する標準ドライバはUSBディスクモードで動作するはず)で動作させる必要があるはずで、USB変換アダプタのSCSIドライバが使用しているOSに提供されていない場合、スキャナの利用は難しいだろう。
CANON、MINOLTA、NIKONの古いスキャナはSCSI接続のものがほとんどだが、新しめのOSでは動作させるのが困難だと考える。
純正のスキャナドライバは、WindowsはWindows XP-32bitまで、MacはMac-OS X 10.4Tigerに対応している。
VueScanは2023年現在継続対応
SilverFast バージョン6.6でMac-OS X 10.6 Snow Leopard、WindowsはWindows XP-32bitまで対応している。
下表の古い機種は光源が不明だが、おそらく2000年より前の機種は、3波長蛍光灯(熱陰極管)を採用していると考えられ、2000年以降の機種は3波長蛍光灯(冷陰極管)を採用し、Elite 5400 IIは白色LEDを採用している。5400はmurauchi.comの記載では3波長蛍光灯(冷陰極管)となっているが5400(AF-5400)の情報は極端に少なく正確な情報を確認できない、外観含め部品はほぼ同じに見える5400 IIと同じ白色LEDかもしれない。
機器名称 | DiMAGE Scan Dual | DiMAGE Scan Elite | DiMAGE Scan Multi |
型番 | Dual Dual II(AF-2820U) Dual III(AF-2840) Dual IV(AF-3200) | Elite Elite II(AF-2920) Elite 5400(AF-5400) Elite 5400II(AF-5400-2) | Multi(F-3000) Multi II(F-3100) Multi PRO(AF-5000) |
解像度(dpi) | 2820(Dual,Dual II,Dual III) 3200(Dual IV) | 2820(Elite,Elite II) 5400(Elite 5400,Elite 5400II) | 2820(Multi,Multi II) 4800(Multi PRO) |
センサー | RGB3ラインCCD | ← | ← |
光源 | 不明(Dual) 3波長蛍光灯(冷陰極管)(Dual II,III,IV) | 不明(Elite) 3波長蛍光灯(冷陰極管)(Elite II,5400) 白色LED(5400II) | 3波長蛍光灯(熱陰極管)(Multi / Multi II) 3波長蛍光灯(冷陰極管)(Multi PRO) |
スキャン方式 | 原稿固定 光学系移動式平面走査1パススキャン | ← | ← |
A/D変換 | 12bit(Dual I,II) 16bit(Dual III.IV) | 12bit(Elite) 16bit(Elite II) 16bit(Elite 5400) 16bit(Elite 5400 II) | 不明(Multi II) 12bit(Multi II) 16bit(Multi PRO) |
出力 | 16bit | ← | ← |
Digital ICE | なし | 不明(Elite) ICE 3(Elite II) ICE 4(Elite 5400) ICE 4(Elite 5400 II) | 不明(Multi) ROC(Multi II) ICE 3(Multi PRO) |
インタフェース | SCSI(Dual I,II) USB 2(Dual III,IV) | ?(Elite) USB 1/IEEE1394(II) USB 2/IEEE1394(5400,5400 II) | ?(Multi) SCSI(Multi II) SCSI/IEEE1394(Multi PRO) |
自動送り | 6 | ← | ← |
スライド対応 | 有り | ← | ← |
大判フィルム | なし | ← | あり |
電源 | ACアダプタ | ← | 内蔵 |
重量(kg) | 1.5(すべて同じ) | 不明(Elite) 1.5(Elite II) 2.5(Elite 5400) 1.5(Elite 5400 II) | 不明(Multi) 不明(Multi II) 4(Multi PRO) |
オプション | 35mmフィルム FH-U1 スライド SH-U1 | Elite /II 35mmフィルム FH-U1 スライド SH-U1 Elite 5400/5400II 35mmフィルムFH-M20 スライドSH-M20 | 35mmフィルム SH-M2 スライド FH-M1 ブローニ MH-M1 |
価格(税抜き) | 不明(Dual) 6.48万円(Dual II) 4.48万円(Dual III) 3.5万円(Dual IV) | 不明(Elite) 9.8万円(Elite II) 10.5万円(Elite 5400) 7万円(Elite 5400 II) | 29.8万円(Multi) 31.8万円(Multi II) 35.8万円(Multi PRO) |
リリース年 | 1997(Dual) 2000(Dual II) 2002(Dual III) 2004(Dual IV) | 1999(Elite) 2001(Elite II) 2003(Elite 5400) 2005(Elite 5400 II) | 1998(Multi) 2000(Multi II) 2001(Multi PRO) |
Digital ICE3 ™、Digital ICE4 ™、Digital ICE ™は米国EASTMAN KODAK COMPANYの商標であり技術です。
<参考リンク>
- Dimage Scan Dual II ASCIIの記事
- Dimage Scan Dual III ASCIIの記事
- Dimage Scan Dual III Itmediaの記事
- Dimage Scan Dual IV コニカミノルタプレスリリースPDF
- Dimage Scan Elite II ASCIIの記事
- Dimage Scan Elete5400 murauchi.comの記事
- Dimage Scan Elite 5400 II コニカミノルタプレスリリース
- Dimage Scan Multi AstroArtsの記事
- Dimage Scan Multi II AstroArtsの記事
- Dimage Scan Multi PRO PC-Watchの記事
- Dimage Scan Multi PRO Itmediaの記事
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