Ms-optics APORIS 135mm F2.4
APORIS 135mm F2.4(MS-Optics・宮崎光学)のレビュー写真作例
目次
ギャラリー
- 写真作例の撮影は、LEICA SL・HASSELBLAD X2D
レビュー
アポリス 135mmは、MS-Optics(宮崎光学)で初となる、焦点距離135mmの中望遠レンズ。
レンズタイプは望遠タイプで明るさを求めやすいエルノスター型である。アポの名を冠しており、色収差の除去にこだわった設計で、そのために一部のレンズにキヤノンオプトロンのフローライトガラス(蛍石硝子)が使用された贅沢なレンズとなっている。
マウント部はライカMマウント互換だが距離計には連動せず、ミラーレスカメラでの使用が推奨されている。
本レンズは宮崎レンズ特有の可変機構が鏡筒に搭載されている。
- バリオ・ペッツ、バリオ・プラズマのSA(球面収差)補正機構
- ゾンネタール 50mm、ゾンネタール 73mmのコマ収差補正機構
一部のレンズは、可変機構を使用するために、レンズを外してレンズ内部の設定を変更する必要があるため、二つの可変機構をレンズを取り外さずに操作できるのはとても便利である。これは鏡筒サイズに余裕がある本レンズだからこそ可能であったと考えられる。
レンズには58mm径・ねじ込み型の逆付けフードが付けられており、フィルターを装着する場合は、フードを外して58mm径のフィルターを逆付けで装着し、そこにフードを装着する形になる。
本レンズは細身の鏡筒だが、幅広で最も太い部分にフォーカスリングが有り、誤操作の少ない機能配置になっている。筆者はライカ SL typ601で使用していたが、絞り開放のF2.4においてもピントをあわせることは容易であった。レンズ名にアポを冠するようにEVFで見たときの被写体周辺部などにも色滲みが見られることも無く被写体を近くで見ているように感じられる。
2020年台の高画素EVFを積んだミラーレスカメラであれば、同様の操作感を得られると考える。
リリースされたレンズとは別に、レンジファインダーカメラの距離計と連動するレンズ鏡筒も企画されたが、ライカM型ファインダーの精度では絞り解放時にピントが正確に決まらないためにお蔵入りになった。また、ライカMマウント版以外にフランジバックの長いTマウント版がリリースされており、こちらはTマウントアダプター経由で一眼レフカメラで使用することを想定している。
レンジファインダー向け、一眼レフ向けにせよ、単焦点の135mmレンズの市場価値は低い。ライカRマウント用のエルマリート R 135mmでも言及しているが、ズームレンズに飲み込まれた焦点距離であること、日常撮影では使いづらい焦点距離画素の原因であろう。
その中で異彩を放つのは、ライカのアポ・テリート M 135mmで、このレンズは中古市場であまり見かけないこともあり、焦点距離135mmとは思えない価格で売られている。
本レンズもリリース時は10万円を超えており、それほど売れずにカメラ店でよくみる存在であった。しかし、リリース7年経過した2024年現在では中古市場で見かけることもなくなった。
本レンズの使用しているキヤノンオプトロンのフローライト硝子は、これは大変高価の物だと、宮崎氏がおっしゃっていたのが印象に残っている。硝子調達の点からも追加生産は難しいかもしれないため、今後、レンズ評価の見直しなどで貴重なレンズになるかもしれない。
HASSELBLAD X2Dで使用したところ、44 x33mmのセンサーのうち、横方向で約92%をカバーしている。
仕様
項目 | アポリス | エルマリート R | アポ・テリート M |
焦点距離(mm) | 135 | ← | ← |
最大絞り | 2.4 | 2.8 | 3.4 |
最小絞り | 16 | 22 | 22 |
レンズ構成 | 4群5枚 エルノスター型 | 4群5枚 | 4群5枚 |
最短撮影距離(m) | 1.0 | 1.5 | ← |
レンズ長(mm) | 122 Mマウント面 | 93 Rマウント面 | 104.7 Mマウント面 |
レンズ最大径(mm) | 60 | 67 | 58.5 |
フィルター径(mm) | 58 | 55 | 49 |
重量(g) | 366・レンズのみ 400・フード、フィルター、リアキャップ | 730 | 450 |
リリース年 | 2017.05 | 1968 | 1998 |
参考文献・参考リンク
更新履歴
- 2024.03.14
- 2023.03.14
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