2代目マイクロミラーレス PENTAX Q10

2代目マイクロミラーレス PENTAX Q10

ペンタックス Q10のレビューと写真作例

目次

ギャラリー

写真作例の撮影は以下のレンズを使用した。

レビュー

Before imageAfter image

1.概要:後継Q7との違い

PENTAX Q10はペンタックスQシリーズ2代目のレンズ交換式ミラーレスカメラだ。

デジタルカメラの心臓部であるイメージセンサーのサイズが初代のQ、先代のQ10は1/2.3インチ(6.2mm x 4.7mm=29mm2)で、後継のQ7、Q-S11/1.7インチ(7.5mm x 5.6mm =42mm2)へ変更された。
Q10はQ7と比べてセンサー面積で0.7倍(正確には0.690・・・倍)小さく、焦点距離を35mm版に換算する係数が約5.5倍となる。Q7、Q-S1と比べると35mm判画像より、トリミングの効果が大きいため、より被写体を拡大した撮影結果となる。このため花のマクロ撮影、虫、動物などの望遠側を重視する撮影にメリットがあると言える。

Q10独自の特徴といえば、ボディカラーに、エヴァンゲリオン・イメージカラーが発売されたことぐらいであろう。シンジカラーの紫、レイカラーの白、アスカカラーの赤の3色が販売された。起動画面がオリジナルとは異なっているなどそれなりに工夫されていたようだが、発売後けっこうな期間にわたり新品が市場に残っていたと記憶している。結局、限定版をつくるライカ的な手法を使っても、このカメラは一般層にうけなかったようだ。

具体的な35mm判換算焦点距離については、リンク先の専用レンズに記載しているが、例えば、標準レンズにあたる01 Standard prime焦点距離8.5mmの場合、Q、Q10では35mm版換算焦点距離・47mm相当が、Q7、Q-S1は35mm版換算焦点距離38.7mm相当となる。

記録メディアはSDカード系でもっとも容量を大きくできるSDXCカードに対応しており、市場において記録メディアの入手性に問題が無いことも、このカメラの利点だ。

付属のバッテリーは型番がD-LI68で、のちに理由は不明だが型番が変更されてD-LI122となっている。フジフィルムのNP-50、NP-50A 、コダックのKLIC-7004も同形状である。

ペンタックス Qシリーズ共通の特徴として、カメラ本体にメカシャッターは存在せず、01、02、06、08の4本は、レンズシャッターを備えている。その他のToyレンズなどはカメラのセンサーシャッターを使って撮影する。ペンタックスKマウントレンズを本カメラで使用するための、「Kマウントレンズ用アダプターQ 」はマウントアダプターにシャッター機構を備えており、なんとも贅沢なアダプターである。

2.使用感

PENTAX Q10オーダーカラーのミント+ブラックを購入した。同時に販売されていた01 STANDARD PRIMEのオーダーカラーミント色を入手し損なったのは痛恨だ。
少し色味は異なるが、01 STANDARD PRIMEのスカイカラーは入手した。

これから中古でQシリーズを購入する際に、Q10はQ7とどの程度差があるのかというところが気になる点だと思うが、操作感、画質ともにQ10とQ7に明確な差は感じない。
前述したように、Q10は35mm版換算倍率が約5.5倍とQ7の約4.6倍より大きいため、望遠側を重視する使い方には適している。

QとQ10が後継のQ7、Q-S1と比べて明確に不便な点と言えるのは、電子水準器が表示できないくらいだろう。これも液晶画面に格子を表示して、適切な水平や任意の角度で撮影できる技量があれば、電子水準器が無いことを不便に感じることもないだろう。

上記以外の情報については、以下のリンクに詳細を記しているため参照いただけると幸いだ。

PENTAX Q7へのリンク

Q10・オーダーカラー・タワー (CP+ 2013にて)

3.まとめ

結論としてPENTAX Q10をまとめると、PENTAX Q7より少し小さなセンサーを積んでいるけれど画質には差はない。電子水準器が搭載されていないが、それは撮影時の工夫で回避可能だ。

中古のPENTAX Q10はPENTAX Q7、PENTAX Q-S1より価格が安いことが多いため、マイクロミラーレスをお試しするにはよいカメラボディだ。

仕様

項目QQ10Q7Q-S1
画素数1240万画素
センサータイプCMOS
センサーサイズ1/2.31/1.7
手ぶれ補正撮像素子シフト方式
背面液晶サイズ3
背面液晶解像度46万ドット
電子水準器なしあり
バッテリーD-LI68
メディアSD、SDHC、SDXC
サイズ(mm)
幅 x 高さ x 奥行
98 × 57.5 × 31102.0 × 58.0 × 33.5105.0 × 58.0 × 34.0
重量(g)
*:本体のみ
**:バッテリー+メディア
180 *
200 **
183 *
203 **
リリース年2011.8.312012.10.122013.7.52014.8.28
カラーブラック
ホワイト
シルバー(限定)
オーダーカラー
エヴァンゲリオンカラー x3
*1
120オーダーカラー40パターンのカラーバリエーション

オプション

Q用レンズ

番号名称焦点距離Q
Q10
Q7
Q-S1
参考価格
01STANDARD PRIME8.54739¥17,000
02STANDARD ZOOM5〜1527.5〜82.523〜69¥25,000
03FISH EYE3.217.616.5¥10,000
04TOY-WIDE6.33533¥6,000
05TOY-TELEPHOTO189994¥6,000
06TELE PHOTO ZOOM15〜4582.5〜247.569〜207¥14,000
07MOUNT SHIELD11.56353¥3,000
08WIDE ZOOM3.8〜5.921〜3217.5〜27¥40,000
Ms-opticsSonnetar 25mm F1.125137.5115¥48,000
KINO-SANKYO13mm F1.91371.560¥5,000
YASHICA-Cine
YASHINON
13mm F1.41371.560¥5,000
専用レンズ(リンクは各レンズの紹介ページに接続)

特許出願のみのレンズ

特許公開番号名称(筆者の推測)焦点距離F値Q10Q7
特開2016-4093(P2016-4093A)
平成28年1月12日(2016.1.12)
WIDE PRIME4.20 *31.82319
特開2014-109711(P2014-109711A)
平成26年6月12日(2014.6.12)
WIDE PRIME4.40 *31.42420
特開2015-4717(P2015-4717A)
平成27年1月8日(2015.1.8)
TELEPHOTO MACRO18.0 *32.89983
特開2014-81457(P2014-81457A)
平成26年5月8日(2014.5.8)
TELEPHOTO PRIME44.65 *31.8249205
*3:特許公開の最初に記載された実施例の焦点距離を記載した。特許公開にはいくつかの焦点距離における実施例が記載されている。

参考情報

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更新履歴

  • 2025.8.24
  • 2024.8.7
  • 2024.07.02
  • 2024.06.11

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