SIGMA ZOOM 75-200mm F3.8 MC

SIGMA ZOOM 75-200mm F3.8 MC

SIGMA ZOOM 75-200mm F3.8 MCPENTAX K20Dで使用したレビューと作例

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目次

ギャラリー

写真作例の撮影は以下のカメラを使用した。

  • PENTAX K20D

レビュー

SIGMA ZOOM 75-200mm F3.8 MC +PENTAX K20DSIGMA ZOOM 75-200mm F3.8 MC +PENTAX K20D

1.概要

SIGMA ZOOM 75-200mm F3.8 MCは、シグマが1990年代にリリースした、35mmフィルム判をカバーする望遠ズームレンズ。

レンズの仕様は、焦点距離はレンズの名称のとおり75mm~200mm、絞りは全域でF3.8となる。最短撮影距離は、全域1.2mで望遠端は撮影倍率1:4.5となる。

9群12枚のレンズ構成で、マルチコートを採用しているほかは大きな特徴は無い。
フロントフィルター 55mm径で、プラスチック製の円筒ネジ込みが標準添付されている。
全域F3.8通しのミドルクラスレンズのためか金属製マウントを採用している。

PENTAX-Kマウント版は、レンズ側で絞りを制御することも可能でレンズ付け根に絞り値を操作するため絞りリングがある。レンズの絞りをAモードにしておくとカメラ側で絞り値を制御できる。他の操作部としてズームリング、フォーカスリング、マクロスイッチがある。レンズ位置指標は鏡筒に印刷されている。

このレンズはシグマ SA マウント、ニコン F マウント、キヤノン EF マウント、ソニー A マウント、ペンタックス K マウントの5マウントがリリースされている。

2.使用感

SIGMA ZOOM 75-200mmF3.8 MCは古いレンズで、WebArchiveに保管されているシグマ公式サイト2000年のページにはすでに商品が載っていない。1990年代の製品と考えられる。

<描写>

最初にレンズの描写は35mmフィルム判をカバーしているため、APS-Cサイズセンサーを搭載したカメラでは、レンズの中央部分だけを使うため、それなりの写りをする。

フィルム時代のレンズなのでボケの美しさや解像感は乏しく、とくに後ボケは場面によってはざわつきが気になりことがある。

近接時の中央部の解像度は十分なので、背景を黒に落として主題を強調する場面ではまずまずの作品になる。また、レンズ全域で最短撮影距離が変わらず望遠端の200mmにおいて1.2mへ寄れるため、簡易的なマクロレンズとして使用できる。

<操作性>

つぎに操作について説明する。
レンズの焦点距離75〜200mmはAPS-Cサイズセンサーを搭載したPENTAX K20Dで使用する場合、35mm版換算で113mm〜300mmの焦点距離範囲となる。

PENTAX-Kマウントの古いオートフォーカスレンズはレンズ側にモーターはなく、カメラ側のモータを軸でレンズ側のギヤに接続してレンズのフォーカスリングを駆動する。このレンズは廉価な仕様なのでオートフォーカス時にマニュアルフォーカスの割り込みはできない。マニュアルフォーカスにする場合はカメラ側のフォーカスモードをマニュアルフォーカスに変更する必要があり、モードを変更するとカメラとレンズを繋ぐ軸がフリーになり、フォーカスリングを撮影者が動かすことができるようになる。

このレンズの場合、オートフォーカスの駆動速度はカメラ側モーターのパワーに依存するため、K20Dなりの速度になる。超音波モーターを積んだレンズなどと比べるとあきらかに遅い。また、駆動時のギヤ音がうるさい。
オートフォーカスの精度はカメラ側に依存するためレンズはあまり関係ない。

マニュアルフォーカス時におけるフォーカスリングの回転フィーリングはスカスカで気持ちの良いものではなく、オートフォーカスでの使用を前提としている。これはオートフォーカスの場合、フォーカスリングが重いと素早いフォーカス動作が難しいことと、フォーカスリングを動かすために強力なモーターを用意する必要があるため、可能な限り軽く仕上げてある。

ズームは直進ズームを採用しており、マニュアルフォーカス時代の面影を残している。
焦点距離75mmが最も短く直進方向に伸ばすと200mmとなるわかりやすい仕様だ。ズーム動作にロックがないため、レンズを下向けると重力によってレンズが伸びてくるため持ち運ぶ際はレンズを下向きにならないようにするのがよい。

レンズフードはそれほど深さもなく遮光効果は限定的だ。また、フードはレンズに逆付けするためのネジが切られていないため、フード収納時はレンズにかぶせているだけになる。そのため、レンズフードを逆付けしてカメラバックに収納するときは鞄とカメラに隙間があるとフードがレンズから外れてしまうので、鞄に余裕があるときはフードを通常のネジ込み状態で鞄に収めるのがよい。

3.まとめ

結論としてSIGMA ZOOM 75-200mmF3.8 MCをまとめると、廉価な一眼レフ向けに作られた廉価なズームレンズ。

ただし、周辺部の描写が期待できないため、使用するカメラのセンサーサイズはAPS-Cサイズセンサーで止めることをお勧めする。

仕様・考察など

<KENKO Pz AF 1.5X TELEPLUS SHQ>

手元にあったKENKOの1.5倍テレコンバーター「Pz AF 1.5X TELEPLUS SHQ」がこのレンズで使えるようなので試してみた。

このテレコンバーターはPENTAX-KA用の電子接点とカメラ側モーター駆動力を伝える軸を持っているため、装着レンズがオートフォーカスレンズであればオートフォーカスを利用可能で、かつ絞り駆動用の爪があれば絞りをカメラ側から動かすこともできる。

テレコンバーターを装着した実焦点距離は113mm〜300mmで、PENTAX K20DのAPS-Cサイズセンサーのクロップ倍率を適用すると、35mm版換算169mm〜450mmの望遠ズームとなる。写真作例5枚目、6枚目がテレコンバーターを使用した例になるが、中央部は十分な解像度を持っていることがわかり、非常用の望遠側延長アイテムとしては悪くない結果である。

このテレコンバーターはレンズがコンバーター中央に集められているため、マウントが合致するればメーカーを問わずほとんどのレンズで使用可能だ。

2000年代のテレコンバーターは、レンズ本体にもぐりこむようなレンズ設計となっており、対応するレンズ以外は装着ができなくなっているのとは対照的で、このような汎用的に使えるテレコンバーターは専用テレコンバーターに比べて描写性能が劣るため、デジタルカメラが主流になる時代になり作られなくなった。

また、テレコンバーターは20年近く前にシグマSAマウントで利用するために購入したもので、シグマSAマウントで利用するために邪魔になる絞り駆動用爪を除去している。

まとめにて、「APS-Cサイズセンサー搭載カメラでの使用に止める」と書いたが、35mmフルフレームセンサーを積んだPENTAX K-1、SONY α900などの高解像度カメラは、より現代的で周辺部まで解像するレンズを使うことでカメラの性能を引き出すことができる。古くて廉価なレンズはお遊び程度と考えるのがよいだろう。

このような暗くて古いレンズで遊ぶ場合は、SONY、PENTAXのボディ内手ぶれ補正機構を搭載したデジタルカメラがお勧めだ。オートフォーカスレンズは電子接点を持っているため、ズームリングの位置をカメラボディに伝えてくれるので、手ぶれ補正機構の焦点距離設定はボディ側で自動的におこなわれる。
それに比べて電子接点のないマニュアルフォーカス・ズームレンズの場合、焦点距離を伝える機構がないレンズが多く、その場合、撮影時に焦点距離を変える毎に手動でカメラボディの手ブレ補正用焦点距離を変更するのは実用的と言えない。

シグマの古いレンズは、CANON-EF版は注意が必要だ。1990年代にキヤノンカメラを使っていた人にとっては常識であるが、キヤノンは正式にライセンスを入手していないサードパーティーレンズを排除するために、レンズとボディの信号を新しいカメラをリリースするタイミングで変更するということをしていた。
そのためレンズとカメラボディの製造年代がズレているとカメラとボディが正常に信号をやりとりできずに使えないという事象が発生する。

今回紹介しているレンズはキヤノンEFマウント版があるわけだがレンズは2000年代の製品であるため、2010年付近のデジタル一眼レフカメラに装着するとエラー(Err 01)で使えない可能性がある。
レンズが現行製品の間はエラーが出たレンズにたいして、シグマは制御チップの書き換えサービスを実施して未対応カメラにレンズを対応させるサービスをしていた。
これも期間限定のサービスで、製造終了から一定期間経過しサポート終了になったレンズは制御チップの書き換えサービスを実施しないため、古いシグマ製キヤノンEFマウントレンズを購入してキヤノン一眼レフカメラで使用する場合はレンズをボディに装着し問題なくレンズが認識するか確認する必要がある。

リンク先では、レンズマウント内に制御チップを自力で追加して、キヤノンプロテクトを回避するという改造を紹介している。改造について紹介したサイトはすでに消滅しているが、WebArchiveに記録が残っている。

その点、NIKON、PENTAX-K、MINOLTAαはそのような嫌がらせをしなかったので、古いシグマレンズも安心して使用できる。シグマ純正のSIGMA-SAマウントももちろん互換性の心配は無い。

項目SIGMA ZOOM 75-200mm F3.8 MC
焦点距離(mm)75-200
最大絞り3.8
最小絞り22
絞り羽根8
レンズ構成9群12枚
最短撮影距離(m)1.2
レンズ長(mm)・(SAマウント)110
レンズ最大径(mm)・(SAマウント)73
フィルター径(mm)55
重量(g)・(SAマウント)640
フードネジ込み円筒フード
リリース年1990年代
対応マウントSIGMA-SA CANON-EF NIKON-F α(DG) PENTAX
価格(税別)

参考情報

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更新

  • 2025.10.1

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