ズミクロン? SIGMA 20mm F2 DG DN Contemporary

ズミクロン? SIGMA 20mm F2 DG DN Contemporary

SIGMA 20mm F2 DG DN ContemporaryをLEICA T typ701で使用したレビューと写真作例

目次

ギャラリー

写真作例の撮影は以下のカメラを使用した。

レビュー

Before imageAfter image

1.概要

SIGMA 20mm F2 DG DNは、2022年に発売されたミラーレスカメラ向けのオートフォーカス(AF)で35mmフルフレーム(FF=フルサイズ)センサーをカバーする、コンパクトな標準焦点域の単焦点レンズ。
ソニーEとライカLマウント向けに提供されている。2025年にSIGMA BFにあわせて外装がシルバー色が追加された。

シグマのレンズはスペックを羅列したのみで、わかりやすいようなわかりづらい表記で、マイナーチェンジや似たスペックのレンズが発売されると間違えやすい。
このレンズの表記は、SIGMA 20mm F2 DG DN | Contemporaryが正式名称で、分解すると以下のようになる。

  • 製造メーカー=シグマ製
  • 焦点距離=20mm
  • 開放F値=2
  • DG=35mmフルフレームセンサー対応
  • DN=ミラーレス向けショートフランジバック
  • Contemporary=低価格ライン

レンズにはフォーカスリング、絞りリング、AF/MF切り替えスイッチが装備されている。
最短撮影距離は0.2m。

レンズ構成は11群13枚に非球面レンズを採用し、ミラーレスカメラの特性を生かした設計でセンサー直近に後玉が迫っている。

シグマ公式ページより引用

2.使用感

SIGMA 20mm F2 DG DNの描写は、各収差の補正もよく、画像周辺部においても周辺減光も感じない安心して使えるレンズだ。

本来は35mmフルフレームセンサー(フルサイズ)で使うレンズだが、手元のLマウントカメラがLEICA T typ701しかないため、こちらのカメラで使用している。
APS-CサイズセンサーのLEICA T typ701に付けると、焦点距離は20*1.5=30mmと20mmよりは狭いが十分に広角レンズとして使用できる。

レンズをLEICA T typ701で使用したところ、オートフォーカスの速度、精度ともに通常の撮影では問題ない。マクロはやや弱く後ろに抜けることが多い、また、基本的にオートフォーカスが苦手な柵越しや藪越しの撮影には苦戦する。
これらはカメラ側のオートフォーカスの合焦アルゴリズムに依存する部分が大きいため、カメラによって印象はかわるだろう。

レンズ鏡筒はスリットとストレートが組み合わされたメリハリのあるデザインで、塗装に高級感があり外観は値段以上にみえる。描写についても手ぶれに気をつけさせすれば、現代レンズとしてまったく問題の無い描写をする。

シグマが標準で添付しているマグネットレンズキャップは一般的なアルミ製のフィルターを装着すると、そこで磁力が遮断されるため装着できなくなる。

フードは装着しなくても、逆光時に怪しい光が入るようなことはなく、コーティング技術の進歩を感じさせる。けっこうごっついフードが標準で装備されているが使っていない。

また、使用していたLEICA T typ701ではレンズについている絞りリングは飾りとなり、絞り値をカメラ側で設定する必要がある。シグマレンズはARTシリーズが発売された頃からレンズに絞りリングを設けるようになったが、LEICA Tシリーズはその頃からレンズ側の絞りリングに対応しておらず、カメラはすでに10年以上経過しておりファームウェアの更新もないため対応は期待できない。物理ボタンの少ないカメラにとって、レンズ側で絞りを調整できるのはとても便利なだけに残念だ。

3.まとめ

結論としてSIGMA 20mm F2 DG DNをまとめると、コンパクトなな35mmフルフレームセンサー対応レンズだ。SIGMA fシリーズ、BFシリーズによくマッチするレンズで、LEICA SLのような巨大ボディではボディサイズとレンズサイズがアンバランスに感じられる。APS-CサイズセンサーだがLEICA T typ701とのマッチングもよい。

描写は2020年代のシグマレンズに見られるキレのある描写をしており、収差もよく抑えられており、レンズとしての完成度は高い。

仕様・考察など

このSIGMAフルフレームセンサー対応の絞り開放値F2シリーズは、ライカで言うところのズミクロンシリーズと同じ絞り開放F値となっている。

ライカLマウントのフルフレームセンサー対応レンズ APO SUMMICORNシリーズはコストダウンのため鏡筒サイズを揃えるというコンセプトでレンズサイズが大きい。SIGMA 20mm F2 DG DNとほぼ同じ焦点距離のAPO SUMMICRON SL 21mm F2の大きさを比べると、太さは3mm差だが、マウント面からのレンズ長は30mm長く、重量は500g重い、そして値段は10倍以上となる。

ライカ SLのSUMMICRONシリーズは、APOレンズはライカオリジナルだが、APOのないSUMMICORNレンズはPANASONICのOEMといわれている。それであれば、APOのないSUMMICORNシリーズをこのシグマレンズに置き換えてしまうと、レンズラインが充実して良いかもしれないが、2025年現在ライカLマウント向けズームレンズは、古いライカオリジナルレンズを除くと、ほぼシグマ製になっているため単焦点レンズもシグマ製に変えてしまうのはさすがにやり過ぎとストップがかかっているのかもしれない。

このように、シグマは35mmフルフレームセンサー対応の手ごろな単焦点レンズを17mmから90mmまでの9本と充実したラインナップとなっている。

DG DNレンズは絞り開放値F2で統一されたレンズラインは、20mm、24mm、35mm、50mm、65mmの5本。フィルター径55mmで統一されたレンズラインは、17mm、24mm、45mm、90mmの4本。

SIGMA 20mm F2 DG DNは絞り開放F値をF=2で統一したレンズラインの一つで、このシリーズの特徴は絞り開放値をF=2とすることで、F=1.4のアートラインシリーズよりも小型で軽量なレンズに仕上がっていることだ。

焦点距離20mmは各社がリリースしている広角レンズの入門編のような焦点距離でライバルも多い。

シグマはマルチマウント対応で各社のカメラ向けにレンズをリリースしており、SIGMA 20mm F2 DG DNはSONY FEマウント向けもリリースされている。SONYは純正のFE 20mm F1.8 Gがあり、絞り開放F値 F=1.8とシグマよりも明るいレンズをリリースしている。

SONY FE 20mm F1.8 Gは、リリーズ年度は2020年とシグマ製より3年早いけれど、絞り開放F値はF=2と明るく、そのため、シグマレンズより少し大きく重い。最短撮影距離はSONY 20mmにアドバンテージがあり、オートフォーカス時0.19m、マニュアルフォーカス時は0.18mとSIGMA 20mm F2 DG DNより被写体に近接できる仕様になっている。

SONY FE 20mm F1.8 Gは定価は15万円(税別)程度するためけっこう高級レンズだ。
中古の玉数は豊富なようで、中古であれば低下の半値程度で購入することができる。

項目SIGMA DG DNSONY FE
焦点距離(mm)2020
最大絞り21.8
最小絞り2222
絞り羽根99
レンズ構成11群13枚(FLD1枚、SLD1枚、非球面レンズ3枚)12群14枚(高度非球面AAレンズ2枚、EDレンズ3枚)
最短撮影距離(m)0.20.19(AF) 0.18(MF)
レンズ長(mm)(L-Mount)72.485
レンズ最大径(mm)(L-Mount)7074
フィルター径(mm)6267
重量(g)(L-Mount)370373
リリース年20222020.3.13
Edition NumberC022
定価(円・税別)2023.07よりオープンプライスに移行154,000円
  • SIGMA DG DN(F2シリーズ)
焦点距離(mm)2024355065
最大絞り22222
最小絞り2222222222
絞り羽根99999
レンズ構成11群13枚(FLD1枚、SLD1枚、非球面レンズ3枚)11群13枚(FLDガラス1枚、SLDガラス2枚、非球面レンズ2枚)9群10枚(SLD1枚、非球面レンズ3枚)9群11枚(SLD1枚、非球面レンズ3枚)9群12枚(SLD1枚、非球面レンズ2枚)
最短撮影距離(m)0.20.250.270.450.55
レンズ長(mm)(L-Mount)72.47265.46875
レンズ最大径(mm)(L-Mount)7070707072
フィルター径(mm)6262585862
重量(g)(L-Mount)370365325350405
リリース年20222021202020232020
Edition NumberC022C021C020C023C020

参考情報

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更新履歴

  • 2025.8.23

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