Jenaの面影 SONNAR 140mm C645 with LEICA S typ007

Jenaの面影 SONNAR 140mm C645 with LEICA S typ007
eye catch

京セラ製コンタックス645向け望遠レンズ Carl Zeiss SONNAR T* 140mmをLEICA S Typ007で使用したレビューと写真作例

目次

ギャラリー

写真作例の撮影はLEICA S typ007を使用した。

[Best_Wordpress_Gallery id=”429″ gal_title=”C645-S140″]

レビュー

Before imageAfter image

1.概要

ゾナー T* 140mm F2.8は、1999年にリリースされたCONTAX 645向けの望遠レンズ。

レンズは5群7枚、約700g、フィルター径は72mmを採用する。
レンズのイメージサークルはフィルムの645判に対応しているため、ライカSの45x30mmセンサー、35mmフルサイズセンサーを余裕でカバーする。

ライカ Sで使用する際はマウントアダプター16038 [ライカ SアダプターC]を介して装着する。レンズにに装備された絞り環はライカSで使う場合、絞り環の機能は無視されてカメラ側で絞り値を設定して撮影する。
オートフォーカスで使用しているときも、レンズ中央のフォーカスリングで、フォーカス中に手動でフォーカスに割り込みをかけることができる。

フードは、アポ・マクロ・プラナー120mm for CONTAX 645と共通のGB-73を使用する。

Before imageAfter image
” after=”GB-73″ hover=“false”]

2.使用感

ゾナー T* 140mm F2.8は、京セラが中判カメラ・コンタックス645向けにリリースした焦点距離140mmの中望遠レンズで、ライカSシリーズで使う場合は、35mm判換算で112mmの焦点距離となり、適度な圧縮感が得られ前後のボケ味も悪くない素直な描写をする。コンタックス645フィルムカメラで使用すると、35mm判換算0.6倍となるため、84mm相当のポートレートレンズとなる。

LEICA S Typ007で使用した描写は、周辺部まで減光も無く明るく立体的な画像を得ることができる。
絞り開放 F2.8は中判レンズとしては明るく絞り開放は丸いボケが美しい。
けれども絞りを閉じると絞り羽根のエッジがボケにあらわれて気になることもある。

しかし、このレンズ最大の問題点は最短撮影距離が1.3mで近接撮影が苦手なことだ。これはより焦点距離の長いゾナー 210mmの最短撮影距離1.4mとほぼ同じとなっている。これを補うために、Auto Extension tubeを使うことが可能で、CONTAX 645のオプション延長チューブを使うと以下表のように最短撮影距離を短縮できる。

延長チューブ長さ最短撮影距離
13mm0.9
26mm0.8
52mm0.7

また、LEICA Sで使う限りオートフォーカスの動作速度はのんびりしたもので、被写体のコントラストが低い場合は合焦せずオートフォーカスが迷うこともある。オートフォーカスの合焦精度は今一だけれど、レンズ鏡筒に幅広のフォーカスリングがあるためマニュアルフォーカスはしやすい。オートフォーカス中にフォーカスリングを回してマニュアルフォーカスの割り込みをかけることもできる。
オートフォーカスの性能はLEICA S側の問題でもあるため、レンズだけを悪者にするのは気が引ける。

ゾナー140mmは撮影距離を延長するオプションのMutar x1.4 for CONTAX 645も使用可能で、その場合、焦点距離は196mm、最大絞り値がF4となる。この仕様はSONNAR 210mm for CONTAX 645とほぼ同じ仕様のレンズになるため実用性は低い。

中古市場では不人気レンズの1つで、状態が並クラスだと五万円を切る価格で入手できる。
持っている個体もくたびれた個体でレンズ指標の白ポッチもない状態であった。

焦点距離140mmのレンズは35mm判では珍しいため、中古屋で見るたびに気になっていた。しかし。レンズマウントがコンタックス 645ということで長らく縁がなかった。
LEICA S用の16038 [ライカ SアダプターC]を入手したのちに、中古市場価格がとても安いレンズだったので購入した。

ゾナー T* 140mm F2.8の外観はM42マウントのカールツァイス・イエナ製 MC ゾナー135mm F3.5と良く似ており、このレンズもツァイスの血統だと感じさせる。

3.まとめ

結論としてゾナー T* 140mm F2.8をまとめると、描写は満足できるけれど、最短撮影距離が長く使い勝手が悪いレンズだ。

価格が安いため持っておいてもよいが使用頻度は限られる。マニュアルフォーカスレンズのアポ・マクロ・プラナー120mm for CONTAX 645と焦点距離がかぶっており、近接撮影ができるアポ マクロ プラナーを持っていれば、このレンズは不要と判断できる。

仕様・考察など

ゾナー140mmは、ハッセルブラッドのHC150mmとスペックが近いので比較して表が以下である。
作画において望遠側の焦点距離10mmの違いはそれほど大きくはなく、レンズ構成は両社で異なり、ゾナー T* 140mm F2.8 for CONTAX 645は5群7枚とシンプルな構成で、HASSELBLAD HC 150mmは8群9枚と贅沢なレンズ構成となっている。

重量はゾナーは688g、HC150は970gとなっており、3割ほどHC150の重量が増している。これはハッセルブラッドHCレンズがシャッター機構を内蔵していることと、焦点距離が10mm長いことが影響していると考えられる。下図の比較見てわかるとおり、サイズもゾナー T* 140mm F2.8 for CONTAX 645が一回り小さい。

Before imageC645 SONNAR 140mm
レンズ名SONNAR 140HC150
焦点距離(mm)140150
最大絞り2.83.2
最小絞り3245
レンズ構成5群7枚8群9枚
最短撮影距離(m)1.31.3
レンズ長(mm)
マウント面からの距離
98124
レンズ最大径(mm)8186
フィルター径(mm)7277
重量(g)688970
リリース年1999年

参考情報

広告

Rakuten Affiliate link Amazon Affiliate link
Amazon Prime Sale

更新履歴

  • 2025.5.15
  • 2024.9.2
  • 2024.2.11:改稿
  • 2023.05.31:初稿

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA