LEICA ELMARIT R 24mm
32年間製造された長寿レンズ
エルマリート R 24mm F2.8のレビューと写真作例
目次
ギャラリー
- 写真作例の撮影は、LEICA SL TYP601
- 写真作例の撮影は、EOS-1DsMKIII
レビュー
1.レンズ概要
エルマリート R 24mm1は、ライカRマウント・焦点距離24mmの広角レンズ。
レンズ構成はミノルタのMC W Rokkor 24mm/f2.8(MD)2と酷似しており、当時のミノルタとの提携関係から設計図の提供などをうけているように見られる。所有している個体はドイツ製なので組立はライカでおこなっていたものと考えられる。
1974年からフォント表記のマイナーチェンジをしながら2005年の製造終了までに約2万本が生産された。Rマウントのカムは、3カム、Rカムのみ、ROM端子付きが存在している。
レンズ・フードの型番は125233、レンズ・キャップの型番は14184でフードを装着するピンを避けるように切り欠きが入っている。フィルターはE60(60mm)か、フード12523の中にシリーズ8フィルターを入れてレンズにフードを装着する。
ライカMマウントの焦点距離24mmのレンズは、非球面レンズを採用したELMARIT 24mm ASPH.がリリースされるまではラインナップになかった。その後、F値が明るいズミルックス 24mm、F値が暗いエルマー 24mmと3種の製品がリリースされた。
ライカRマウントの焦点距離24mmは、初期にリリースされたレンズがRマウントの終焉まで現役であった。そのほかのレンズで、この焦点距離をカバーするのは、ズームレンズのバリオ・エルマー・R 21-35 ASPH.しかない。非球面化された単焦点レンズの新規リリースがなかったのは残念である。
2000年代は中古市場でよく見かけたレンズだが、2020年代になって余り見かけなくなった。
2.使用感
レンズ鏡筒の意匠はRマウントレンズのスタンダードな造りで、根元に絞りリング、中央にフォーカスリングを配している。レンズフードはフード回転装着・ピン止めとなっており、古いRマウントレンズ共通の仕組みである。
設計が古い広角レンズなので、周辺部の歪み補正が甘い、フリンジが発生するなど、現代レンズのような描写は期待できない。
3.マウントアダプター
LEICA SL typ6014、LEICA Tシリーズ、LEICA CLは、ライカ純正のマウントアダプター、Leica R-Adapter L(16076)56を使用するとROM端子付きレンズであれば、レンズ情報をカメラに受け渡すことができる。その情報は撮影結果のEXIFに記録されるのでRカム以前のレンズを使う場合に比べると撮影結果の整理がしやすい。
EOS-1Ds MKIII7で撮影すると1枚撮るごとにエラー20(Err20)が発生する。このエラーが発生するのは、手持ちの転ずで確認したかぎり、広角側レンズが厳しくELMARIT-R 19mm-II、SUPER ANGULON-R 21mmF4、VARIO ELMAR-R 21-35mm、ELMARIT-R 28mm(I)、ELMARIT-R 24mm、SUMMILUX-R 35mm F1.4である。装着して確認していないが、SUPER ELMARIT、SUPER ELMAR の両15mmもおそらく使用できない。
ELMARIT-R 24mmは無限位置では確実にエラーが発生し、レンズを撮影距離1mより繰り出すとエラー発生の確率が減るので、レンズ後端がEOSのミラーボックス内のセンサーに検知されていると推測される。
いささか無茶な使い方になるが、エラー発生時は、メディアへの書き込みが終わるのを待ち(書き込みランプの消灯まで待つ、この際にシャッターボタンを触ると書き込みがキャンセルされる。バッテリーを抜いた場合も書き込みは途中終了する)、レンズロックを外して5度くらい回して再度装着(これで上がったミラーが降りる)、シャッターボタンを押す(再起動処理)で、次の撮影ができることがわかった。
HASSELBLAD X2D8で使用すると、イメージサークルに35mmフルサイズセンサー以上の余裕はあまりなく約86%の面積が実用可能で、それを超える範囲は周辺減光してしまいクロップする必要がある。
仕様
項目 | エルマリート R | エルマリート M ASPH. | エルマー M |
焦点距離(mm) | 24 | ← | ← |
最大絞り | 2.8 | ← | 3.4 |
最小絞り | 22 | 16 | ← |
レンズ構成 | 7群9枚 | ← | 6群8枚 |
絞り羽根 | 6 | 8 | 8 |
最短撮影距離(m) | 0.3 | 0.7 | 0.7 |
レンズ長(mm) | 48.5 | 46(Mマウント) | 40.6(Mマウント) |
レンズ最大径(mm) | 67 | 58 | 53 |
フィルター径(mm) | E60 | E55 | E46 |
重量(g) | 560 | 388(シルバー) 290(ブラック) | 260 |
リリース年 | 1974 | 1996 | 2008 |
製造本数 | 20,200 | 7,000- | ? |
参考文献・参考リンク
- 参考文献:R型ライカのすべて(2003年版)/著者:中村信一/朝日ソノラマ編 Ads by Amazon
- 参考リンク:ELMARIT-R 24mm F2.8 Leica wiki
更新履歴
- 2024.08.19
- 2024.02.18
- 2022.06.11
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