LEICA SUMMARIT 5cm F1.5

初期ハイスピードレンズ

ライカ・ズマリット L39 50mm F1.5のレビューと写真作例

目次

ギャラリー

レビュー

1.概要

ズマリット 50mm F1.5は、1939年にリリースされた、ズミルックスの前身となる明るい標準レンズ。
1939から1957年までのあいだに、7.5万本ほど製造されており、中古市場でよく見かけるレンズだ。

レンズには、Mマウント版とL39スクリューマウント版が存在し、Mマウント版はマウント形状が古いため、デジタルライカで使用されるレンズ認識用6bitコードを付加する公式改造はできない。

最短撮影距離は1m、絞り羽根は15枚。

2.使用感

持っていた固体も表面にそれなりに傷があり、曇りもあったので、ぼんやりした柔らかい写りだった。
逆光時には、盛大にゴーストがでてコントラストの低下も起きていた。これは最新のズミルックス、ズミクロン 50mmではあまりみられない、オールドレンズの描写として楽しむこともできるレンズだと思う。

オリジナルのズマリットは、レンズ表面が柔らかいためか、中古品のレンズ表面は傷だらけの個体が多く見られる。レンズ表面が綺麗な品はオリジナルが保証されればとても高価なはずで、安いレンズの場合は表面研磨の可能性があるだろう、表面研磨も素人仕事から専門業者までピンキリで、良い悪いは使い手の判断次第だと思う。

レンズ入手後に購入したハンマートーンのごついフードはやけに重く、価格も高かったのが印象に残っている。備品は手放すと再入手に苦労するのでいまだに手元に置いてある。

2023年不景気のまっただ中、状態の良い個体の価格は維持されているが、曇り、レンズ傷、当たりあり個体などの不具合持ちレンズは2000年代前半の価格に戻っている。安いレンズはレンズ本来の性能は出ないかも知れないが、さきほど述べたように、ゴーストやコントラストの低い写真を楽しむのであればよいかもしれない。

美しいシルバーの鏡筒とごついフードは所有欲を満足させるものであったが、最終的に手持ちの50mm激戦区の中で使用頻度が低いため売ってしまった。レンズは横浜・関内の薬とカメラを同じ店内で販売していた加藤開陽堂で購入した。この店もすでに存在しない。

3.ズマリット

ズマリットの名前は紹介した1939-1957のズマリット 50mm F1.5と、1995年のコンパクトフィルムカメラ・ミニルックス(MINILUX)に搭載された焦点距離40mm F2.4があった。
そして、2000年代以降は下表にあるように、ズマリットはレンズの明るさがズミクロンより暗くとエルマリートより明るいレンズ向けの名前として定着する。

ライカSマウント(中判カメラ)Mマウント
焦点距離:35F2.5(2013)F2.4(2014)/F2.5(2007)
焦点距離:50F2.4(2014)/F2.5(2007)
焦点距離:70F2.5(2012)
焦点距離:75F2.4(2014)/F2.5(2007)
焦点距離:90F2.4(2014)/F2.5(2007)
焦点距離:120F2.5(2013)

仕様

項目SUMMICRON 沈胴SUMMARITSUMMILUX 1st
焦点距離(mm)505050
最大絞り21.51.4
最小絞り221616
レンズ構成6群7枚5群7枚5群7枚
絞り羽根枚数101512
最短撮影距離(m)1.01.01.0
レンズ長(mm)4352
レンズ最大径(mm)484753
フィルター径(mm)E39A43/E41E43
レンズフードSOOFM / ITDOO / IROOAXOONSXOOIM / 12521
重量(g)???
製造本数253,31474,64319,600
リリース年19511939-19571958-1961

参考文献・参考リンク

更新履歴

  • 2024.11.14
  • 2024.03.24
  • 2022.08.14

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