SUMMICRON R 35mm(Typ-II)

シンプルな35mmレンズ

LEICA SUMMICRON R 35mm / F2(II型)のレビューと写真作例

目次

ギャラリー

  • 写真作例の撮影は、LEICA SL typ601、LEICA CL typ7323、LEICA R8.

レビュー

ROM端子付き(LEICA銘)
ROM部分

1.概要

ズミクロン R 35mm II型 は1976年にリリースされた、焦点距離35mmのライカRマウントレンズ。
新型レンズは6群6枚にレンズ構成が変更され、最短撮影距離は0.3m、絞り羽根は6枚だ。

レンズフードは組み込み式で、レンズ先頭から引き出して使用する。

レンズマウントは3カム、Rカム、ROM端子付きがリリースされている。

ズミクロン R 35mm(New)レンズ構成図
ライカ公式PDFより引用

2.使用感

ズミクロン 35mm 新(II)型は旧(I)型と比べると、設計は年代なりに新しくなっており、描写に癖のない中庸な印象で堅実な描写をするレンズだが、レンズはコスト削減を目指したレンズと感じられる。

コスト削減が感じられるところとしては、以下の3点が挙げられる。

  1. レンズ構成が概要に示したとおり6群6枚となっており、旧(I)型の7群9枚からレンズ枚数が削減されている。
  2. レンズフードを内蔵したコンパクトな鏡筒を採用したことにより、レンズ重量は旧(I)型と比べて70g軽くなっている。
  3. 絞り羽根も旧(I)型の8枚から6枚に減っている。
左:旧ズミクロン 右:新ズミクロン

3.付加情報

・マウントアダプター

このレンズのイメージサークルはそれほど広くなく、X2Dのデジタル中判の44 x 33mmセンサーにおいて約86%をカバーしているが、周辺部に乱れがみられるため、35mm判が撮影範囲の限界だ。

EOS 1DS MK-IIIで使用する際に問題となる、レンズ後玉はマウント内に収まっているため、後玉がカメラのセンサーに干渉して発生するエラー20(Err20)は発生しない。

ROM端子付きレンズはLEICA SLと純正のL-Rマウントアダプター(16076)を使用すると、撮影ファイルのExifに撮影情報を記録することができる。

EXIF情報

・類似レンズ

YASHICA/CONTAX ディスタゴン(Distagon) 35mm F2.8も6群6枚のレンズ構成でレンズ間隔が比較的広いこと3枚目に厚みのあるガラスを採用しているなどレンズ構成は少し異なるが、発売年は近く興味深い相似をしている。

このレンズの意匠は、最新の3代目エルマリート35mm/F2.8とほぼ同じで、両レンズを所有していたが、エルマリートはRカムで使用頻度が低いことから売ってしまった。

R型ズミクロンはM型ズミクロンのような伝説に彩られたレンズではない。Rマウントの焦点距離35mmレンズは3本あるが、SUMMILUX R 35mmがもっとも伝説に近く印象深いレンズだ。

仕様・比較

レンズ名SUMMICRON R 35mm(II 型)SUMMICRON R 35mm(I 型)DISTAGON 35mm
Y/Cマウント
焦点距離(mm)353535
最大絞り222.8
最小絞り161622
絞り羽根枚数686
レンズ構成6群6枚7群9枚6群6枚
最短撮影距離(m)0.30.30.4
レンズ長(mm)57.561.546
レンズ最大径(mm)666662.5
フィルター径(mm)55シリーズ7(E48)55
重量(g)430508
(フード+フィルター569)
245
リリース年1976-20051970-1976
製造本数29,83911,316
*:数値はLeica Wikiより引用

参考文献・参考リンク

更新

  • 2025.1.14
  • 2024.02.26:更新
  • 2023.06.13:更新
  • 2023.05.05:初稿

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