新鏡筒採用 SUMMICRON R 90 2nd

新鏡筒採用 SUMMICRON R 90 2nd

ズミクロン R 90mm F2(新鏡筒)をデジタルカメラで使用したレビューと写真作例

目次

ギャラリー

  • 写真作例の撮影は、R8 +DMR / LEICA SL / CANON EOS-1DsMKIII / HASSELBLAD X2D
Cat・猫
LEICA SL typ601 SUMMICORN R 90mm
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レビュー

Before imageAfter image

1.概要

ズミクロン R 90mmは1970年にリリースされた、Rマウント1眼レフ用中望遠レンズ。
アポ・ズミクロン R 90mm F2に変わるまで外観形状を変更しながら25年間生産された長寿レンズ。

主な仕様は以下の通りで、詳細な仕様は表に載せている。

  • 開放F値 2
  • レンズ構成 4群5枚
  • 絞り羽根 8枚
  • 最短撮影距離 0.7m
  • フード 組込引出式
  • フィルター径 55mm(E55)

1970年から1995年の間に3.7万本が出荷されたとの記録が、LEICA WIKIに記載されている。
Rマウントのバリエーションは、2-CAM、3-CAMと改造でROM端子付きが存在する。

2.使用感

ズミクロンR 90mm F2(以下、ズミクロン90R)は、ライカR用中望遠レンズで、ズミクロン90Rは中古市場でも比較的見かけるレンズだが、この後期鏡筒は見かける機会が少ない。

新鏡筒のレンズフードはシンプルな1段だが、古い鏡筒は組み込みレンズフードが2段になっている。

レンズは2枚目と3枚目の玉が貼り合わせてある4群5枚のレンズ構成となっており、リリース当初から鏡筒外観が変化しても同じレンズ構成を採用している。

写りは長くこのレンズ構成で作られてきたことが実証しているように、なだらかなボケ、破綻のない描写は安心して使用できるレンズだ。
絞り開放時の描写はアポ・ズミクロン R 90mm F2(以下、アポズミ90R)と比較すると少し緩めの描写だが、それも味と考えれば十分に許容できる範囲の描写だ。所有していた後期鏡筒のズミクロン90Rは3-CAMで残念ながらROM端子付きではない。

最短撮影距離が0.7mとアポ・ズミクロン R 90mmと同じで、Mマウント・ズミクロン 90mmの1mと比べると寄れるレンズだ。
操作性はフォーカスリングが無限から最短撮影距離の0.7mまで約270度と焦点距離50mm以上のレンズの標準的な角度で、マニュアルフォーカスでじっくりと被写体に向き合うことができる。

このレンズは、地図の店でジャンク扱いの物を購入した。症状は無限が出ないとのことで、馴染みの中古カメラ屋で修理に出したところ、5万円くらいで無限遠は完璧、まずまずのヘリコイド状態になってかえってきた。しかし、寒い時期になるとグリスが渋くなるりヘリコイドの感触がイマイチになる。

オプションとして、14236 Extender 2xを使用して、180mm F4の望遠レンズとして使用できる。
14256 MACRO-ADAPTER R、16543 ELPRO3を使用して近接撮影も可能だ。

ELORO3は55mmネジで取り付けるので、SUMMICRON R 90mm F2、MACRO ELMAR R 100mm F4、ELMARIT R 135mm F2.8で使用できる。

3.付加情報

競合レンズ

仕様にあるとおり、SUMMICRON R 90mmは4群5枚のレンズ構成で、APO SUMMICRON 90mm ASPH.は5群5枚のレンズ構成で3枚目の前面が非球面レンズとなっている。

APO SUMMICRON 90mm ASPH.は、従来のズミクロンでは貼り合わせ面であった2枚目、3枚目のレンズを分離して、非球面レンズを採用している。
この変更はレンズコーティングの進化による貼り合わせを使わずに反射を減らすことができるようになったので、この貼り合わせ面のレンズに、収差をコントロールするために非球面レンズを採用したということだと思われる。

APO SUMMICRON 90mm ASPH.の撮影結果は、画像の平坦性、解像度、周辺部の画質においてSUMMICRON R 90mmより優れていると感じられる。

Before imageAfter image

Mマウント版のズミクロン 90mmは1980年以降の3代目から、ここで紹介しているズミクロン90Rとほぼ同じレンズ構成になる。それ以前のMマウント版のズミクロン 90mmのレンズ構成は5群6枚と現在よりレンズ枚数が多かった。この違いも見比べてみると面白い。

マウントアダプター

このレンズのイメージサークルは広く、X2Dのデジタル中判の44 x 33mmセンサーにおいて、3:2トリミングであれば100%使える。四隅における減光と描写の甘さはしかたがないが、35mmセンサーを超える広いイメージサークルは古いレンズゆえの贅沢さだ。

EOS 1DS MK-IIIで使用する際に問題となる、レンズ後玉はマウント内に収まっているため、後玉がカメラのセンサーに干渉して発生するエラー20(Err20)に遭遇したことはない。

X2D 撮影結果

仕様・競合レンズ比較

項目SUMMICRON RAPO SUMMICRON R
焦点距離(mm)9090
最大絞り22
最小絞り1616
絞り羽根88
レンズ構成4群5枚5群5枚
最短撮影距離(m)0.70.7
レンズ長(mm)61.4(Rマウント)59.3(Rマウント)
レンズ最大径(mm)6971
フィルター径(mm)5560
重量(g)522520
フード組み込み組み込み
マウントライカRライカR
製造年1970〜19952002〜2003
製造本数37,9542000

参考リンク

更新履歴

  • 2025.4.1
  • 2024.9.20
  • 2024.02.17:改稿
  • 2023.03.16:初稿

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