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M改造 Rollei TRIOTAR 40mm

ローライ35B搭載レンズをMs-OpticsでライカMマウントへ換装したTRIOTAR 40mmをフィルムカメラHEXAR-RFとデジタルミラーレスカメラ HASSELBLAD X2D-100Cなどで使用したレビューと写真作例

目次

ギャラリー

写真作例は以下のカメラを使用した。

  • KONICA HEXAR-RF +LOMO CHROME 100
  • KONICA HEXAR-RF +LOMO NEGA 800
  • SONY α7Sii
  • SONY α NEX-7
  • LEICA T typ701

レビュー

Before imageAfter image

1.概要

TRIOTAR 40mm Ms-Optics改造は、コンパクトフィルムカメラ・ローライ B35(35B)、C35のレンズをMs-opticsで取り出しMs-optics製のMマウントヘリコイド・MS-40に装着した改造レンズ。

Mマウントヘリコイド・MS-40は焦点距離40mm付近のレンズ用の共通ヘリコイドで、改造時に調整され40mmの焦点距離でM型レンジファインダーカメラの距離計と連動して二重像合致によるピント合わせをおこなうことができる。

改造レンズの最短撮影距離は0.8mとなっており、絞り羽根はオリジナルの6枚羽根がそのまま使われている。

レンズ鏡筒もオリジナルの鏡筒をそのまま利用しており無限位置で固定されている、それにピントをあわせるためのヘリコイドが合体した構成になっている。ヘリコイド MS-40はさまざまなレンズをMマウント化できる汎用性をもった設計となっている。

レンズをM型ライカ互換カメラに装着すると、ファインダー枠は35mm枠が表示される。焦点距離40mmは外付けの40mmファインダーを使うか、ファインダー枠35mmの内側を意識して使用する。

このレンズは古くに改造されたようで、鏡筒色が銀色、オリジナルヘリコイドは固定、フードも直付けで固定されている。

最近改造されたレンズは、ヘリコイドは黒色でレンズのオリジナルヘリコイドも動作するようになっているレンズもあり、その場合、ミラーレスカメラで近接撮影が可能となる。ミラーレスカメラの場合、補助ヘリコイド付きマウントアダプターを用意すれば、同様に近接撮影ができるため、古い固定モデルでも大きな問題にはならない。

2.使用感

TRIOTAR 40mm Ms-Optics改造の写りは、トリプレットと呼ばれるシンプルな3枚玉で、周辺部の画質は少し落ちるが抜けの良い画像を描く。

フィルムカメラのローライ35シリーズはピント合わせが目測となるため、絞りを絞っての撮影が多くなるが、Ms-opticsによってライカMマウントに改造された本レンズは絞り開放から、レンジファインダーカメラにおける二重像合致方式で正確なピント合わせが可能だ。

操作感はMs-opticsオプティクスの改造レンズに共通で、スムーズにヘリコイドは動作する。また、絞りリングのクリック感は無いが、絞りリングの位置がフォーカスリングから離れているため、撮影中に誤って絞りリングが動くこともない。

■フィルムレンジファインダーカメラ

このレンズを入手したときはすでにデジタルレンジファインダーカメラは処分していたので、フィルムレンジファインダーカメラでの評価となる。

フィルムレンジファインダーカメラはリバーサルフィルとネガフィルムで撮影した。リバーサールフィルムは使用期限の切れたLomoChrome 100なので色調、粒状性が適正かは不明だが、KODAKのE100Gに似た粒状性と温かみが感じられる。レンズ解像度としてはISO100のリバーサルフィルムでこの写りであれば十分に満足できる。
ネガフィルムはISO800の粗いフィルムを使用したが粒状性は気になるが、被写体はきちんと解像している。

絞り開放のF3.5でHEXAR-RFの二重像合致によるピントの精度は問題ない。

■デジタルミラーレスカメラ

ミラーレスカメラは35mmフルフレーム1200万画素センサーのSONY α7Sii、APS-Cサイズセンサー搭載のSONY α NEX-7は2400万画素、LEICA T typ701は1600万画素で、それぞれ画素数には個性があるラインナップになっている。

センサーサイズの大きなα7siiが1200万画素なのでトリプレットレンズでは描写の怪しくなる周辺部はいい感じでごまかされている。

APS-Cサイズセンサーを搭載した両カメラでは、焦点距離が40mm*1.5倍の60mmとなりレンズの中央部分のいわゆる美味しいところを使えているため、2400万画素の解像度も十分に生かし切れている。

ミラーレスカメラで使用する場合は、補助ヘリコイド付きマウントアダプターを使用すると近接撮影も可能となる。

■中判デジタルミラーレスカメラ

HASSELBLAD X2D-100Cは中判デジタルセンサーを搭載したミラーレスカメラで、センサーサイズは35mmフィルム判よりも大きく、35mmフィルム判にたいする焦点距離の換算係数は0.8倍となっており、イメージサークルが中判デジタルセンサーをカバーしていれば、32mm相当の広角レンズとなる。

TRIOTAR 40mm は他のトリプレットレンズと同様に広いイメージサークルを持ち、下作例のように中判デジタルカメラの44mm x 33mmセンサーで撮影したときに周辺減光は周囲のわずかな部分だけで周辺減光が許容できる場面であればフルに使うこともできる。より小さな範囲の3:2の44mm x 30mmであればほぼすべての場面で実用可能なイメージサークルを持っている。

また、1億画素のセンサー解像度にもある程度対応できており等倍切り出しでなければ十分に使える画質をしており、逆光下においてもそれほど怪しい光を描くことはなく安心して使える。

所有しているレンズはフードが固定されており、その効果が逆光の描写に影響している可能性はある。しかし、フードは取り外せないため、フードが無いときの描写については確認できない。

X2D-100Cはカメラ本体にシャッター機構がないため、電子シャッターで撮影するので、被写体のローリング歪みに気をつける必要がある。同じサイズの中判デジタルセンサー搭載したミラーレスカメラのなかで富士フイルムのGFXシリーズはメカシャッターをボディに内蔵しているため、よりライカMマウントレンズは使い易いはずだ。

HASSELBLAD X2D-100C Photo exsample
HASSELBLAD X2D-100C Photo exsample

3.まとめ

結論としてTRIOTAR 40mm Ms-Optics改造をまとめると、ローライ35の廉価版に搭載されたレンズだけれど、トリオターの3枚レンズの描き出す中心部の描写はヌケがよい。

44 x 33mmの中判センサーで使用しても周辺減光はわずかで、35mmフルサイズセンサーの外側なので、周辺部の画質は少々怪しいけれど、場面によっては十分に使用できる。

いくつか所有しているコンパクトカメラのレンズをコンバートしたMマウントレンズの中では、よい描写をするレンズだ。

仕様・考察など

コンパクトフィルムカメラ・ローライ 35シリーズは、搭載レンズとしてゾナー(4群5枚)、テッサー(3群4枚)、クセナー(3群4枚)、トリオター(3群3枚)の4種類があり、ゾナーがもっとも贅沢なレンズでトリオターがもっとも廉価なレンズとなる。トリオターの3群3枚というレンズ構成からもそれは分かる。

廉価とは言え、トリオターを評価する声があるのも事実で、レンズは好みの要素が大きいことを示している。ローライのフィルムカメラはどのレンズを積んだカメラでもそれほど高い物ではなく、改造費用のほうがかかっているように思われる。その条件であえてこのレンズをライカMマウントに改造したのは興味深い。

Ms-opticsではコンパクトカメラのレンズを、ライカM互換のレンジファインダーカメラ向けレンズにコンバートする仕事を多くしている。このレンズもその1本である。

40mmという焦点距離は、コンパクトカメラではメジャーな焦点距離で広すぎず狭すぎずという、このレンズ1本ですべての撮影状況に対応するための妥協点と言える。
コンパクトカメラにズームレンズが主流となってからは、単焦点レンズを搭載したコンパクトカメラのレンズ焦点距離は28mm、35mmが主流となり40mmは廃れていく。

項目TRIOTARSonnar LSMSUMMARITNOKTONSUMMICRON C
製造者RolleiRolleiLEICAVoigtlanderLEICA
焦点距離(mm)4040404040
最大絞り3.52.82.41.42
最小絞り1622161616
絞り羽根610121010
レンズ構成3群3枚4群5枚4群6枚6群7枚4群6枚
最短撮影距離(m)0.80.70.80.70.8
レンズ長(mm)39(フード込み)
フード長 12.5
30.52129.723.5
レンズ最大径(mm)4951495550
フィルター径(mm)39374339
フード直付け専用フード円筒型ねじ込みフードバヨネットフード
LH-6
ラッパ型ねじ込みフード
12518
リリース年?2002〜2006199520041972
製造本数??120,00054,350-
重量(g)10317254175120

参考情報

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更新履歴

  • 2025.11.11
  • 2025.6.25
  • 2024.12.9

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