忘却の野に春を想う

<読後感想>
50年近く自覚無くマジョリティによる安楽を享受していたことを、いま自身がマジョリティに足を突っ込んでじわじわ自覚させられている事柄を、様々な事例から認識し自覚させられる。
この二人の書簡では、すべのての事柄を表裏、様々な角度で考えて、一つの結論に陥らないこと、常に試作していくことの重要性を感じられることだと感じた。
往復書簡の途中からコロナ禍が始まることもとても象徴的であり、この感想を書いているとき、ロシア、ウクライナ紛争が進行中である。人間どこまで馬鹿なのかなと、絶望しても仕方なく、自分の中で折り合いをつけながら生きていけるところまで生きていきたいと思う、いろいろありつつも生きながらえていることに感謝しつつ(2022.3.15追記)。

<書籍について>
姜信子と山内明美の往復書簡、白水社より刊行された書籍「忘却の野に春を想う」の装丁に、アーティスト、大小島真木が、青森県立美術館で発表した、幅10mの大作壁画「明日の収穫」を提供している。
大小島はこの作品の制作のため、プロジェクト参加者とともに、2017年から2018年にかけて米作りや青森県における農業の歴史を学ぶなど同地に根ざした活動を行い、2019年に青森県立美術館で開催された企画展「青森EARTH2019:いのち耕す場所 -農業がひらくアートの未来」にて、その成果「明日の収穫」を発表した。

参考リンク
青森EARTH2019:いのち耕す場所 -農業がひらくアートの未来

<書籍情報>

  • 書籍名: 忘却の野に春を思う
  • 出版社 ‏ : ‎白水社 (2022/1/6)
  • 発売日 ‏ : ‎2022/1/6
  • 言語 ‏ : ‎日本語
  • 単行本(ソフトカバー) ‏ : ‎258ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎4560098778
  • ISBN-13 ‏ : ‎978-4560098776
  • 寸法 ‏ : ‎13.8 x 2.2 x 19.5 cm

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