SIGMA APO 70-200mm F2.8 EX HSM

大口径・望遠ズームレンズ

SIGMA APO 70-200mm F2.8 EX HSMのレビューと写真作例

目次

ギャラリー

  • 写真作例の撮影は SIGMA SD9

レビュー

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図はSIGMA公式ページより引用

1.概要

SIGMA APO 70-200mm F2.8 EX HSMは2003年に発売された、シグマ製の35mm判対応の大口径・望遠オートフォーカス(以下、AF)ズームレンズ。

14群17枚のレンズ構成でSLD(特殊低分散)ガラスを前群に2枚、後群に2枚使用、大口径F2.8を焦点距離全域で実現、対応マウントでは超音波モーター(HSM)を搭載、絞り羽根は9枚、絞り開放値はF2.8、最短撮影距離は1.8m、重量は1.43g、三脚座は取外し可能である。

名前にIFの表記はないが、インターナルズーム、インターナルフォーカスで操作時にレンズ長は変化しない。

対応レンズマウントは、シグマSA、キヤノンEF、ニコンF(D)はHSMあり、PENTAXとSONY(MINOLTA)版はHSMなしで発売されていた。

付属品はケース、円筒フード(LH1571-02)が付属し、定価はHSMありが14万円(税別)、HSMなしが13万円(税別)。

1.4倍と2倍のAPO テレコンバーター EXを使用できる。

2.使用感

SIGMA APO 70-200mm F5.6 EX HSMはフィルム時代に流行った大三元1ズームレンズの一つ。フィルムカメラの時代は各メーカーが揃ってラインナップしており、レンズメーカー、シグマ、トキナー、タムロンももれなくラインナップしていた。

よって、キヤノン、ニコンなどのユーザーは、70−200mm F2.8クラスのレンズについては、選択の余地が多くある。このレンズはSIGMA SD9、SD10のために購入したので、シグマしか選べなかった。レンズメーカーにとってはシグママウントは市場も小さいため無視される存在だ。

被写体がそれなりの大きさになるとAFのフォーカス精度もまずまずで、コントラストが低い状況や藪や金網などの難しい障害物がなければ目的の位置でピントをあわせることは容易だ。

望遠端200mmなので、望遠側焦点距離が足りないため小鳥系の野鳥撮影撮影には向いておらず、それなりの大きさがある被写体のために使うレンズだ。

APOテレコンバーター 1.4x EXテレコンを使用した場合、98-280mm F4のサンヨンズームに近いレンズとなる。SD9のセンサーサイズでは35mm判換算・166-476mm F4レンズとなり、絞り開放値がF4なのでAFも機能する。
APOテレコンバーター2xEXテレコンを装着した場合、140-400mm F5.6のAFズームレンズとなる。SD9のセンサーサイズでは35mm判換算・238-680mm F5.6レンズとなり、絞り開放値がF5.6なのでAFも機能する。
両者ともにAE機能は連動するためコンバーターを使用中の露出制御をカメラにまかせることができるが、テレコン無しの絞り開放値F2.8と比べるとフォーカス精度は悪くなる。テレコンを使用すると、望遠側もまかなえるかと思って購入したが、テレコン装着時のSD9のAFはフォーカス精度に満足できず、より長い焦点距離の単焦点レンズ・500mm EX HSM F4.5を購入した。

3.付加情報

シグマにとって、70-200mmはフィルム時代の稼ぎ頭の一つで、こまめにバージョンアップをしている。使い勝手の点からみると、2007年のマクロバージョン、2011年の手ぶれ補正付きが便利だ。最新のスポーツタイプは価格を15万円に抑えているのはすごいことだが、機能的に過去のレンズを完全に凌駕していない。最短撮影距離はMACROには及ばない1.2m、手ぶれ補正機構搭載、過去のレンズから大幅にレンズが増えた22群24枚のレンズ構成で重量が2kgに迫る。しかし、この仕様は若干過剰な作り込みに感じられる。

EX HSM、EX DG HSMは登場から20年程度経過しているため、中古の状態が並み程度であれば1万円位で売っていることもある。この程度の価格であれば購入の価値を感じるが、最短撮影距離も長くレンズ設計も古いため2万円を超えるようであれば、後継レンズを探した方がよいと考える。

望遠側の焦点距離が重なるレンズとして、シグマの単焦点レンズ・APO MACRO 180mm F3.5 EX IF HSMがある。こちらは、単焦点レンズのキレと最短撮影距離0.23m、重量は1kgを切るので、マクロ性能を重視しる場合、こちらも選択肢に入る。

また、同時期にTAMRONのマニュアルフォーカスレンズ SP 180mm LD [IF](63B)を使っていた。同じ焦点距離におけるボケは、単焦点レンズであるTAMRON 63Bに軍配が上がる。最短撮影距離も1.2mと寄れるメリットも持ち合わせている。このレンズも2024年になると良品の減少から価格が上昇しており、5万円を越えると古いレンズとしては高すぎると感じる。

仕様

項目EX HSMEX DG HSMⅡ EX DG MACRO HSMEX DG OS HSMDG OS HSM-S
焦点距離(mm)70-20070-20070-20070-20070-200
最大絞り2.82.82.82.82.8
最小絞り2232222222
レンズ構成14群17枚14群17枚15群18枚17群22枚22群24枚
絞り羽根9枚9枚9枚9枚11枚
最短撮影距離(m)1.81.81.01.41.2
レンズ長(mm) SIGMA-SA181.2181.2184.4197.6202.9
レンズ最大径(mm)86.286.286.586.494.2
フィルター径(mm)7777777782
フードLH835-02LH835-02LH850-01LH850-02LH914-01
重量(g) SIGMA-SA12701270137014301805
発売日20022005200720112018
定価(税別)130,000円(HSM無)
140,000円(HSM有)
145,000円142,900円165,000円Open
15万円

参考文献・参考リンク

更新履歴

  • 2024.12.23

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  1. 大三元は麻雀の用語で、<ハク><ハツ><チュン>の三元牌を3つとも3枚以上揃えること、カメラレンズでは、広角ズーム(16-35くらい)、標準ズーム(24-90くらい)、望遠ズーム(70-200)F2.8通しのズームレンズの3本を揃えることを指す。小三元はF4クラスの3つのズームレンズを指すことが多いが麻雀用語とはズレているので違和感を感じる。 ↩︎

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