LEICA VARIO ELMAR R 28-70mm(ROM/11364)
ライカRマウントの標準ズームレンズ、バリオ・エルマー 28-70のレビューと写真作例
目次
<写真作例>
フィルム写真作例の撮影はLEICA R8とKODAK GOLD 200、フィルムスキャンはDiMAGE Scan Multi PROを使用
デジタル作例の撮影はSONY A7SIIを使用
<レビュー>
本レンズはバリオ・エルマー 28-70のなかでも後期型(11364)のROMレンズについて述べたもので、前期型(11265)とは異なるため注意が必要である。
前期型、後期型ともにSIGMAが製造していると言われており、レンズ構成やスペックなど仕様に違いは無い、前期型と後期型の大きな違いはレンズ鏡筒デザインの違いである。製造年代が異なるためレンズコートや内部的な機構は変化している可能性があるが、前期型を使ったことはなく、両者の分解比較までする気は無いため細かな違いは不明である。
11364レンズは、前方にフォーカスリング、手前側にズームリングが有り、フォーカスリングの無限から最短は右回り、ズームリングの28mmから70mmも右回りとなっている。バリオ・エルマー21-35も同様のリングの動きなので回転式ライカズームの様式に揃えられている。
シグマはズームリングの回転方向は広角からテレ側に移動するとき左回りなので逆向きになっている。
レンズ鏡筒はズーミング、フォーカシングに伴い全長が変化するが、この時期のライカが好んでいたフード内部で変化が完結するようになっている。28mmがもっとも鏡筒が伸びた状態で、70mmがもっとも鏡筒が縮んだ状態になり、レンズ前方に固定されたフードの効果としては理にかなった状態になっている。フードそのものの長さが短いので、もっとも縮んだ70mmでもフードの遮光効果は限定的である。
28mmにはそれなりに樽形の歪みがあり、直線建築などをうつすと歪みを確認できる。35mm付近だとほぼ感じないので最広角部分の補正が足りていない印象だ。
70mmはキレが無くぼんやり気味の写りで、ズームレンズで多用するワイド端とテレ端が今ひとつで使いずらいレンズの印象がある。そして古いレンズのため逆光時はコントラスト低下とゴーストの発生がみられる。
最短撮影距離はすべての焦点距離で50cmとなり70mmのときはそれなりに寄れる気持ちもするが、実際に使うと今一歩踏み込みこむと焦点が合わないということになる。
KODAKのネガフィルムはもともと淡泊な傾向があり、本レンズで撮影すると彩度が足りない写真が多くスキャン後に彩度を上げたくなる描写であった。少し派手目のフィルムを使うか、少し露出プラスめで撮影してみて結果の違いを確認したい。
デジタルのA7S2はデフォルト設定は、ネガフィルムほどでは無いが淡泊な傾向は見られる。
ライカR8に装着するとレンズが小さくかわいい感じになるが、SONY α7Siiに装着すると、F2.8通しの立派なレンズに見える。
<仕様>
レンズ名 | VARIO ELMAR | ← (11364) | ← | ← |
製造者 | LEICA | SIGMA | Kyocera? | Kyocera? |
焦点距離(mm) | 21-35 | 28-70 | 35-70 | 80-200 |
最大絞り | 3.5-4 | 3.5-4.5 | 4 | ← |
最小絞り | 22 | 22 | ← | ← |
絞り羽根枚数 | 6 | 6 | ← | ← |
レンズ構成 | 8群9枚 | 8群11枚 | 7群8枚 | 8群12枚 |
最短撮影距離(m) | 0.5 | ← | 0.5 (0.26 macro) | 1.1 |
レンズ長(mm) | 66.3 | 70 | 79 | 46 |
レンズ最大径(mm) | 75 | 69 | 74 | 62.5 |
フィルター径(mm) | 67 | 60 | 60 | 60 |
重量(g) | 500 | 452 | 505 | 1020 |
レンズフード | プラスチック爪 12438 | ねじ込み 12437 | ねじ込み 12437 | 組み込み |
製造本数*1 | 3,400(2005まで) | 9,100(2003まで) | 8,680(2005まで) | 14,350(2005まで) |
リリース年 | 2001- | 1997- | 1996- | 1995- |
<参考文献・リンク>
<更新>
- 2024.1.31:初稿
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