CANON S 50mm F1.2(L39)
キヤノン・L39スクリューマウント・50mm F1.2のレビューと写真作例
目次
ギャラリー
- 写真作例の撮影はLEICA M8.2
レビュー
50mm F1.2は、キヤノンが自社のバルナックライカ互換カメラ向けに発売したL39スクリューマウントの標準レンズ。キヤノンではSマウントと称している。
この50mm F1.2は、この後リリースされる50mm F0.95とほぼ同じ構成で、レンズの開放F値が暗い分だけF0.95よりはコンパクトなレンズになっている。それでも50mm F1.4と比べると倍程度の重量があるため、このレンズもヘビー級のレンズだ。
ライカ M8.2で使っていたときは、鏡筒がファインダーにはいりこんでくるため撮影時の邪魔になっていた。2020年代であれば本レンズをミラーレスカメラで利用するユーザーも多いと思われ、EVFを使った撮影では先述の問題は解消する。
レンズ鏡筒に無限ロックがついているが、所有していた個体のフォーカスリングは適度な重さがあり、ロックがなくても自然に位置が変わるようなことはなく、実用上このロックは使いどころは無いものだが、無限遠に戻したときのカチッという音は、レンズのアクセントとしてはよいものだった。しかし、フォーカスリングを動かすときにいちいちロックを外すのは煩わしくもあった。
レンズの描写は絞り開放ではピン面が薄いため少し外すと甘い描写が目立ってしまう、そして、前後のボケもそれほど美しくはない。
絞れば当然描写は改善するが、絞って使うのであれば50mm F1.4、50mm F2を使えばいいという話になるため、このレンズを持ち出すのであれば絞り開放を積極的に使いたくなる。レンジファインダーカメラでの撮影は若干の苦行となるが、幸いにしてミラーレスカメラのEVFであればピント位置の不安におびえることもないので、安心して遊ぶことができる。
所有している、「世界のライカレンズ Part1」 P124に掲載されたレンズ構成図は、ニコンの35mm F1.8 と似た最後部のレンズがもっとも径が大きい図となっており、これはレンズ構成図の掲載ミスだと思われる。確認していないが、のちの判では修正されているかもしれない。
A list of vintage super-fast 50-60mm f/1.2 lensesのページに記載された図は、後群のレンズが前群のレンズより小さくなっており妥当な図と考えられる。
仕様
項目 | キヤノン | MS-ISM | ノクトン | コニカ KM |
焦点距離(mm) | 50 | ← | ← | ← |
最大絞り | 1.2 | 1.1 | 1.1 | 1.2 |
最小絞り | 22 | 16 | 16 | 16 |
絞り羽根 | 11 | 16 | 10 | 12 |
レンズ構成 | 5群7枚 | 5群7枚 | 6群7枚 | 6群7枚 |
最短撮影距離(m) | 1.0 | 0.8 | 1.0 | 0.9 |
レンズ長(mm) | 39 | 41 | 57.2 | 50 |
レンズ最大径(mm) | 63 | 54.7 | 69.6 | 68.8 |
フィルター径(mm) | 55 | 55 | 58 | 62 |
重量(g) | 322 | 178 | 428 | 390 |
マウント | L39 | M | VM | KM |
リリース年 | 1956.09 | 2019.08 | 2009.6.29 | 2001 |
価格(定価・税別) | ¥60,000- | – | ¥131,250- | – |
参考文献・参考リンク
- キヤノン・ミュージアム・50mm F1.2
- 世界のライカレンズPart1(P124)/CANON 50mm F1.2・amazonアフィリエイトリンク
- A list of vintage super-fast 50-60mm f/1.2 lenses
更新履歴
- 2024.05.16
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