M改造 Biogon T* 21mm

CONTAX G BIOGON T* 21mm F2.8をMs-opticsでライカ Mマウントに改造したレンズをデジタルレンジファインダーカメラで使用したレビューと写真作例
目次
ギャラリー
- 写真作例の撮影はLEICA M typ240、LEICA M8、EPSON R-D1
レビュー


1.概要
BIOGON G 21mm F2.8は、1996年に京セラがコンタックス G2とともにリリースしたオートフォーカスレンズ。
ここではMs-optics(宮崎光学)にてBIOGON G 21mm F2.8をライカ Mマウント(レンジファインダーカメラ距離計連動)に改造されたレンズについて紹介する。
BIOGON 21mmと呼ばれるレンズは、いくつかの種類があり、本レンズはコンタレックス向けビオゴン21mm、コシナ・ツァイス ZMのビオゴン21mmとは異なるレンズだ。
本レンズはコンタックス G1、コンタックス G2でも使用していた。それらを売ってしまったあとMS-Optics(宮崎光学)にてレンズをLeica Mマウントの距離計連動に改造した。改造レンズはMS-21という21mm用の共通ヘリコイドを使用している。
オリジナルレンズとMs-optics改造レンズの主な違いは以下の4点である。
- フード、フィルター枠の固定方式
- オリジナルレンズはフィルターを装着する枠が固定されているので、フォーカス時にフィルターが回転しないため角形フードを使用可能で、PLフィルターも使いやすい、しかし、サードパーティの角形フードとPLフィルターは両立させることはできない
- 改造レンズはフォーカス時にフィルターを装着している鏡筒が回転するため、角形フードやPLフィルターを使いづらい
- 絞りのクリックストップ
- オリジナルレンズは1絞り毎にクリックストップがある
- 改造レンズはF2.8~16まで無段階絞り
- レンジファインダー距離計連動
- オリジナルレンズはGマウントなのでオートフォーカス(以下、AF)
- 改造レンズはライカM型カメラの距離計に連動
- 最短撮影距
- オリジナルレンズは0.5m
- 改造レンズは0.7m
オリジナル CONTAX G BIOGON 21mmの仕様は「CONTAX G BIOGON 21mm・Shige’s hobby」を参照のこと
2.使用感
ビオゴン 21mm F2.8 Mマウント改造はレンズをMマウントに改造している利点として、ライカMレンジファインダーカメラの二重像合致でピント合わせができることがある。また、マイナーなミラーレスカメラの場合、CONTAX Gマウントアダプターは無くても、ライカMマウントマウントアダプターは提供されていることが多いため、レンズの汎用性が高くなる。
フィルムで使う場合は問題の少ないレンズだけれど、デジタルカメラは周辺減光とカラーキャストの問題が発生するカメラがある。
本レンズはコーティングが良いためか逆光耐性に優れており、被写体に太陽光が入り込むような状況においても、フレアかゴーストによる妖しげな光の発生に遭遇することはほとんどない。
レンズ構成は下図仕様に示すとおりで、対称といえば対称型といえるレンズ構成をしており、後玉の潜り込み量は抑えられた形状をしている。
しかし、レトロフォーカスタイプの広角レンズや一眼レフカメラ用広角レンズと比べると、後玉がセンサー表面に近いため、デジタルカメラの機種によっては、撮影画像の周辺部で紫色のカラーキャストが発生することがあり、青空などを撮影する顕著にそれがみられ、作例においてもLEICA M typ240の1枚目にカラーキャストが確認できる。
カラーキャストへの対応としては、以下5つが考えられるだろう。
- 撮影結果をモノクロームで楽しむ
- カラーの場合は周辺部分を大胆に落とす
- キャストが目立たない色の被写体を選ぶ(青空は諦める)
- フィルムで撮影する
- カラーキャストの少ないカメラを選ぶ
このカラーキャストは同じ焦点距離21mmでも後玉がセンサー面から離れているレトロフォーカスタイプのエルマリート 21mm F2.8などはこのような現象は発生しないため、スーパーアンギュロン同様にライカ M9、M、M10などで使った限りでは少し使いづらいレンズだ。
センサーサイズが小さい、EPSON R-D1、LEICA M8で使用すると、問題となる周辺がカットされるため、21mmの広角レンズではなくなるが扱いやすいレンズになる。
BIOGON G 28mm、PLANAR G 35mm、PLANAR G 45mmはいくつかのメーカーが改造レンズの提供をおこなっている、しかし、BIOGON G 21mm F2.8のMマウント改造はMs-optics以外では見たことが無い。
レンズに同梱されている純正の21mm ファインダーはそれほど見え方のよい物ではなく、最新のコシナ・ツァイス、またはライカの21mmファインダーがクリアーな視界が得られるだろう。
3.まとめ
仕様


項目 | BIOGON M改造 | ELMARIT |
焦点距離(mm) | 21 | 21 |
最大絞り | 2.8 | 2.8 |
最小絞り | 22 | 22 |
絞り羽根 | 7 | 8 |
レンズ構成 | 7群9枚 | 6群8枚 |
最短撮影距離(m) | 0.7 | 0.7 (最初期0.4) |
レンズ長(mm) | 35.5 | 46.5 |
レンズ最大径(mm) | 59 | 62 |
フィルター径(mm) | 55 | 60 |
重量(g) | 151 | 290 |
フード | 円筒ネジ込み | 12543(旧・ピン) 12537(新・フック) |
マウント | ライカ M | M |
製造年 | ? | 1979 |
参考情報
- WikipediaによるZeiss BIOGONの説明ページ
- Zeiss Photography Historical Products(リンク先ページ中段にCONTAX Gレンズのデータシートあり)
- CONTAX G1・Shige’s hobby コンテンツ
- CONTAX G BIOGON 21mm・Shige’s hobby コンテンツ
更新記録
- 2025.5.13
- 2024.7.30
- 2024.1.19:更新
- 2022.3.6:初出
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