3代目カナダ製 ELMARIT M 28

3代目カナダ製 ELMARIT M 28

LEICA ELMARIT M 28mm F2.8 3rdをライカMデジタルで使用したレビューと写真作例

目次

ギャラリー

  • 写真作例の撮影はLEICA M9を使用

レビュー

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1.概要

3代目エルマリート(エルマリット)Mは、1979年にリリースされたライカ Mマウント向け広角レンズ。
リリースから製造終了の1991年までの12年間に約17,000本製造された。

2代目エルマリートと同じ6群8枚のレンズ構成だが、後群に分厚いレンズがあり異なるレンズ配置となっている。

フィルター径は、E49(49mm)と一般的なフィルター径を採用している。

3代目エルマリートはくびれのある鏡筒の初期型とストレートな鏡筒の後期型の2種類があるが、レンズ構成はどちらも同じで、レンズフードは12536で本レンズ専用だ。レンズマウント部が一般的なネジ止めなのでライカ社のレンズ認識6bitコードの追加改造に対応している。

2.使用感

3代目エルマリートは絞り開放では現代レンズのようなキレはなく緩めの描写をする。もちろん絞れば解像感はあがってくる。その絞り開放も初代、2代目ほど癖はないので使い易いという側面がある。
多く生産されたためか、初代、2代目ほどの人気はなく価格も総じて安めである。

所有していたレンズは、鏡筒にくびれのある初期型、フォーカスリングの指掛かりの突起が二股に割れていない爪状になったレンズだ。
この指掛かりの形状はドイツのカメラ通販店舗の説明では、「タイガークロー バージョン」と説明書きされていた。
このタイガークローの指掛かりが着いたレンズは、同年代のSUMMICRON-M 50mm(第2世代)、SUMMICRON-M 35mm(7枚玉)が存在する。中古レンズを眺めているとときどき見かけるはずである。

タイガークローは通常の3代目エルマリートよりプレミア価格になっている場合もある。レンズ構成などは同じなので、よほど状態がよくなければ中古平均価格より高価である意味はうすい。

それなりにお安く手に入れた気軽さから、タイ・バンコクの町並みをこのレンズを持って撮り歩いたのはとても良い思い出だ。

3.まとめ

結論として3代目エルマリート M 28mmをまとめると、開放では初代に似た少しゆるい描写をするため、開放の描写が好みであれば選択肢となるだろう。

ライカMマウントの28mmレンズの中では最も大きくレンズの存在感があるため、M5などの大きめのカメラに似合うレンズだ。

仕様・シリーズレンズ比較

Before imageAfter image

28mmもライバルが多い焦点距離で、ライカ社のMマウントレンズで7種類、レンジファインダーカメラ向けレンズで30本程度はあるため、選択が悩ましい焦点距離の一つである。どのレンズも一定水準を超える描写をするため、好みのレンズを選ぶしかない。

初代、2代目と比べると鏡筒は着実にコストダウンしているように見えるところが不人気の一因と思われる。コンパクトさを求めるならば5代目の非球面エルマリートがお勧めだ。

項目ELMARIT 初代2代目3代目
焦点距離(mm)282828
最大絞り2.82.82.8
最小絞り222222
絞り羽根888
レンズ構成6群9枚6群8枚6群8枚
最短撮影距離(m)0.70.70.7
レンズ長(mm)424548
レンズ最大径(mm)52.552.552.5
フィルター径(mm)48 シリーズ74849
レンズフード角形フック式フード12501角形フック式フード12501角形ピン止めフード12536
マウントライカMライカMライカM
重量(g)242
製造年1964-19661969-19781979-1991
製造本数3,2007,05017,115

更新

  • 2025.4.23
  • 2024.9.11
  • 2024.03.10:改稿
  • 2022.05.03:初稿

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