LEICA ELMARIT R 35-II (2nd)

ライカ製Rマウントの広角レンズ、2代目エルマリート 35mmのレビューと写真作例

目次

ギャラリー

  • 写真作例の撮影はLEICA SL typ601

レビュー

2代目エルマリートR 35mmは、1972年にリリースされた、Rマウント・焦点距離35mmの広角レンズ。

写りは、エルマリート35mm共通の絞り開放から安定した描写で、近接撮影した際の後ろボケも破綻なく美しい。

製造期間が5年程度、製造本数は8000本程度と3つのエルマリートの中では少ないが、中古市場でも比較的見かけるレンズで特別珍しくはない。中古市場では3カムのレンズしか見たことが無い。

このレンズがリリースされる2年前の1970年にRマウントの初代ズミクロン 35mmがリリースされたが、ズミクロン R 35mmはレンズ長 62mm、重量 508gと、エルマリート35mmと比べて大きく重いため、より軽量かつコンパクトなレンズが求められたこともあり、本レンズが継続された一因と思われる。

しかし、2代目エルマリート R 35mmは、初代エルマリート R 35mmの重量310gと比べると、重量410gと3割ほど重くなっている。これは部材の変更やレンズ構成変更のためと考えられる。

焦点距離 35mmのRマウントレンズは、エルマリート、ズミクロン、ズミルックスと3ブランドで構成されている。Rマウントレンズで3つのラインを持っているのは、35mmだけである。ライカが一眼レフカメラでは35mmを重視していた証左と言えるだろう。

また、Rマウント・ライカカメラのライバルは日本製一眼レフカメラで、日本製の焦点距離35mm・単焦点レンズは低価格かつ高性能のレンズが多く、エルマリートのような廉価なレンズが必要との事情もあったと推測する。

このように、エルマリートは廉価にする必要に迫られたレンズという一面があるため、専用の鏡筒は造られず部品の共通化が図られており、この2代目エルマリート R 35mmレンズ外観は、初代 エルマリートR 28mmと同じに見える。
フードの型番は「12509」となり、初代エルマリート R 28mm初代ズミクロン R 35mmと共通である。「12509」フードはシリーズ7フィルターを内蔵でき、シリーズ7のPLフィルターを装着したときのために、フィルターを回すためのダイヤルもついている。

二代目 エルマリート R 35mmはLeica Wikiには5群7枚と記述があるが、RLFCかるばどすほふLENS-DB.comの記述から6群7枚が正しいと考える。

仕様・比較

レンズ名ELMARIT-R 35-IELMARIT-R 35-IIELMARIT-R 35-III
焦点距離(mm)35
最大絞り2.8
最小絞り22
絞り羽根枚数6
レンズ構成5群7枚6群7枚6群7枚
最短撮影距離(m)0.3
レンズ長(mm)404041.6
レンズ最大径(mm)636366
フィルター径(mm)43.5
シリーズ6
48
シリーズ7
55
重量(g)310410305
レンズフード12564
円筒・鉄爪・逆付け可能
SUMMICRON-R 50mmと共用
レンズキャップは14163
12509
角形・ピン固定
ELMARIT-R 28mmと共用
組み込み
製造本数*131,950(1971まで)8,250(1977まで)15,000(1992まで)
リリース年19631972-1978-
*1:数字はライカWikiより転載

参考文献・参考リンク

更新

  • 2024.7.28
  • 2024.03.10:改稿
  • 2023.12.01:初稿

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