NIKON COOLSCAN V ED

ニコン製フィルムスキャナー、クールスキャン V ED(LS-50)のレビューとスキャン作例

目次

<ギャラリー>
LEICA M6、HEXAR-RFで撮影しLS-50でスキャンした。

<レビュー>
フィルム時代から愛用しているニコン・クールスキャン V(クールスキャン 50)、このスキャナはスリップフィルムを自動で飲み込んでくれるSA-21アダプタがあるので重宝している。スキャン速度はお世辞にも早いとは言えず、4000dpiで36枚スキャンすると、なんだかんだで1.5時間程度は必要だ。時間にゆとりある人間にしか使えないかもしれない。
上位機種、SUPER COOLSCAN LS-5000EDはセンサーライン数を1から2に増やして、スキャン速度を高速化している。LS-Vは残念ながらセンサーライン数が1なのでLS-5000EDと比べるとスキャン時間は遅い。

COOLSCAN V ED +SA-21
SA-21

ソフトウェアは、VueScanを購入してマックで使っている。そちらのソフトはWindows版/Linux版もあり、PCがLinux/Windowsのときはそちらを使っていた。インターフェースは同じで両者の使い勝手に差は無い。シリアル番号も共通で使える。
VueScanは老舗のスキャンソフトで、様々なスキャナとフィルムカラーシミュレートに対応している。
こちらは相当前にオンラインで永久無料バージョンアップ代金を払ってから、バージョンアップは続いており追金を払っていないのはありがたい。
バージョンアップ内容が最新OS対応、スキャナプロファイル、フィルムプロファイルの追加程度なので、大きな変更がないことが主な要因だと考えるが、2023年現在も使い続けられるのは非常にありがたい。
純正のスキャンソフトと比較すると、各スキャナに最適化されていないなどの意見を見ることもあるが、個人の感想としては素材重視でスキャンして、後処理は画像処理ソフトで好みの風合いに仕上げればよいと考えている。

KONICA MINOLTAのDimage Scanシリーズも使用しているが、スキャンのたびにスリップフィルムをカートリッジにセットするのが面倒で、フィルムスリップをそのまま飲み込んでくれる、クールスキャンは便利だと思う。しかし、ニコンのIV,V,4000,5000はスライドフィルムをスキャンするときは1枚ずつスキャンする必要があるため、4枚同時にスキャンできるDiMAGE Scanシリーズは便利だと思う。
当時は意識していなかったが、スペックを見比べると原稿固定のニコン、センサー固定のコニカミノルタとスキャナの造りに個性がある。

今さら、フィルムスキャナを使う人も少ないと思うが、古いフィルムスキャナはPCとスキャナの接続形式に注意が必要だ。
USB接続ならほぼ問題になることはないが、SCSI接続はSCSI-USB変換機器がすでに新品を売っているメーカーがないため、機器自身が中古購入となりとても高い。しかも、一般的なHDDを接続するためのUSBモードではスキャナを認識しない可能性があり、対応したOS用のSCSIドライバを用意する必要があると考えられる。そのため使っているOSによっては利用できない可能性がある。
SUPER COOLSCAN 4000 EDが採用しているIEEE1394(Apple名称FireWire)は、Windows系のデスクトップPCであれば、IEEE1394ボードを増設すれば使用できる。ノートPCなどでUSBしか端子が無い場合は、IEEE1394-USB変換アダプタがAmazonで安値で売っているが、これはくわせものでUSBの端子にIEEE1394の端子を直結しただけで、信号変換などの高度なことはやっていない。IEEE1394とUSB1.1/2.0では通せる電圧が違うにもかかわらず、端子を直結しているため、接続すると機器が壊れることもあるそうで、手を出してはいけない代物だ。
Macの場合は、Thunderbolt端子を利用すればスキャナを接続して使用することができる。
Thunderbolt2端子を持つマックであれば、Thunderbolt-FireWireアダプター(MD464ZMA)で接続して使用できる。
Thunderbolt3端子を持つマックであれば、Thunderbolt 3(USB-C)- Thunderbolt 2アダプタ(MMEL2AM/A)とThunderbolt-FireWireアダプター(MD464ZMA)で接続して使用できる。

IEEE1394機器はOS側からIEEE1394機器であると認識させないと付属のデバイスドライバなどが使えないため、USBに信号変換ができたとしても、専用のドライバなどが必要な機器の利用は不可能と考える。スキャナなどUSB信号で動作する機器ならスキャナからきたIEEE1394信号→USB信号で動く可能性はあるが、IEEE1394信号をUSB信号に変換する機器を見たことがない。
2002年には、NECの関連会社がIEEE1394とUSBの変換チップを作ったが、これを適用した製品を見たことはない。
参考リンク:NEC、USB 2.0-IEEE 1394相互変換モジュールを発表

<スキャナの仕様>

機器名称COOLSCAN IVCOOLSCAN VDimage Scan Elite5400 II
型番LS-40LS-50AF-5400-2
解像度(dpi)290040005400
画素数2,870×4,3323946×5959 5328×7920
センサーリニアCCDイメージセンサ3ラインカラーCCD
(5340画素/1ライン) RGB原色フィルター
光源3色LED(RGB)4色LED(RGB Ir)白色LED
スキャン方式原稿固定
光学系移動式平面走査1パススキャン
原稿駆動
センサー固定1パススキャン方式
速度約42秒(35mmフィルム1枚、MA-20使用、2900dpi)約38秒(35mmフィルム1枚、MA-21使用、4000dpi)約25秒(35mmポジフィルム1枚、画像補正全OFF)
A/D変換14bit16bit
出力16bit16bit
Digital
ICE
ICE3ICE 4ICE 4
インタフェースUSB
自動送り6
スライド対応有り
電源内蔵ACアダプタ
重量(kg)3.03.01.5
オプションストリップフィルムアダプタ SA-21
スライドマウントアダプタ MA-20(S)
ストリップフィルムホルダ FH-3
ストリップフィルムアダプタ SA-21
スライドマウントアダプタ MA-21
ストリップフィルムホルダ FH-3
35mmフィルムホルダ FH-M20
スライドマウントホルダ SH-M20
ACアダプタ AC-U26
価格(税抜き)9.8万円約7万円10.5万円(Elite 5400)
約7万円(Elite 5400II)
リリース年2001.32003.112003.6(Elite 5400)
2005.2(Elite 5400II)

Digital ICE4 ™、Digital ICE ™は米国EASTMAN KODAK COMPANYの商標であり技術です。

<参考リンク>

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