HASSELBLAD V PLANAR 80mm(6elements)

大きな曲率の前玉が魅惑的な初期プラナー

ハッセルブラッド・プラナー80mm 6枚玉のレビューと写真作例

目次

ギャラリー

  • 写真作例(Leica S typ007)
  • 写真作例(HASSELBLAD X2D)

レビュー

プラナー80mm 6枚玉1は、古いハッセルブラッドVマウントレンズ。

HASSELBLAD VマウントのCシリーズレンズのPLANARは、クローム色のレンズについて1956~1961年頃のnonT*は『6枚玉』1960~1973年頃のnonT*は『7枚玉』1971~1972年頃のT*は『7枚玉』と分類され、その後の黒いCレンズ、CFレンズは『7枚玉』で、CBレンズになってオーソドックスなプラナー形式の6枚玉に回帰する。初期の6枚玉とCBの6枚玉が同じ構成かは不明だ。

絞りはハーフストップなしの、F2.8〜F22までほぼ等間隔である。電気接点はない、Cタイプのレンズである。無限から最短の3feet(0.914m)まで250度程度の回転角がある。所有している個体は、シルバーのノンT*でプレビューボタンのあるタイプで、シリアルナンバーから1956年の製造である。マウント面には「MADE IN GERMANY WEST FOR HASSELBLAD」の刻印がある。

他のプラナー80mmを持っていないため、写りを比較したことはないが、古いレンズなりの柔らかな描写は気に入っている。X2Dはセンサーシャッターで使用し、LEICA S typ007はカメラのシャッターを使用している。マウントアダプターは以下の物を使用している。両者ともにレンズシャッター駆動機構はなくただの接続アダプターである。

  • ハッセルブラッド Hasselblad XV レンズアダプター X1D-50c用2
  • 16024 ライカ S アダプター V 3

両カメラともに、中判デジタルセンサーなので、0.8倍の係数がかかり、35mm判換算では64mm相当になる。レンズ自身は6×6をカバーするレンズなので、中判デジタルセンサーでも周辺部にも不満はない。むしろ、2023年現在67年前のレンズがこれだけ実用に耐えることが素敵なことだと思う。レンズは資産なりと思わせてくれる。

フォーカスリングは一番手前にあるが、マウントアダプターを経由するとほどよく使い易い位置にくる。絞りのプレビューボタンは少々渋く、丁寧に扱ってやる必要がある。マウント遊びをするためには、プレビューボタンはあるのはありがたい。(打ち消し箇所についてはそのうち削除します)
コメントにて、「6枚玉など古いハッセルのレンズのプレビューボタンはハッセルVシステムのボディに付けた状態で操作しないと壊れるそうですよ。」とご忠告をいただいているので、マウントアダプターでプレビューボタンを操作する場合はご注意願う。貴重なレンズが壊れても当方如何様にも保証できません。

PLANAR 80mm F2.8 for CB(ZEISS公式より引用)
PLANAR 80mm F2.8 for CF(ZEISS公式より引用)

仕様・比較

項目P80C-P80CB-P80CF-P80C645-P80HC80
焦点距離(mm)80
最大絞り2.822.8
最小絞り221632
レンズ構成4群6枚5群7枚5群6枚5群7枚5群6枚5群6枚
絞り羽根5枚??
最短撮影距離(m)0.9140.90.7
レンズ長(mm)5251.764.7656784
レンズ最大径(mm)767883.282.5?70
フィルター径(mm)B50607267
重量(kg)458465550510524475
製造年1956???1999?

参考文献・参考リンク

更新履歴

  • 2024.03.07:改稿
  • 2023.04.29:初稿

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