HASSELBLAD XCD 45mm F4P

HASSELBLAD XCD 45mm F4P

コンパクトな2代目 XCD 45mmレンズ、HASSELBLAD XCD 45mm F4Pのレビューと写真作例

目次

ギャラリー

  • 写真作例の撮影は、HASSELBLAD X2D-100C、HASSELBLAD X1DII-50C、HASSELBLAD X1D-50C。

レビュー

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1.概要

XCD 45P F4レンズは、コンパクトな45mm(35mm版換算36mm)の広角レンズで、XCD 45 F3.5をリプレースするために作られたレンズだ。

2023年9月にXCD28Pが発売されるまでは、Xマウントレンズ群の中で最も小さく軽いレンズだった。
価格は新品価格で約13万円(10%税込み)だ。

レンズ長が50mmに抑えられており、X1Dに装着した場合、カメラシステムの厚みが70mm程度となり、非常にコンパクトなデジタル中判カメラシステムとなる。

他のXCDレンズと同じ1/2000レンズシャッターを搭載し、フィルター径55mm、最短撮影距離は0.32mとなっている。

2.使用感

XCD 45P F4レンズはXCDレンズとしては3本目に導入したレンズだ。

XCD 4/45PはX1DIIとセットで使うとき、カメラはミニマルで凝縮感のある姿がよく、合わせて1kgを下回る重量で中盤センサーのカメラを持ち歩けることに大きな魅力を感じる。

新たにリリースされたX2Dでは、ボディのおかげかオートフォーカスの合焦性能が良くなった。次に記すX1D/X1DIIで見られたAFが被写体を抜ける感じはほとんど無くなった。それでも、さらに新型のXCD 28mm F4Pはさらに静音性とオートフォーカスの合焦精度が上がっている。

X1D/X1DIIで使用した場合のAF速度は遅く、コントラストのある場所でピントを合わせたはずが、一度通り過ぎてから戻りのときに合焦するケースがみられた。この挙動がオートフォーカスが遅いと感じる一番の原因だ。
最初の通り過ぎるときにピントが合う確率が上がるとより撮影時のストレスがなくなる。
また、自身の撮影能力のへぼさからか、撮影結果を見ると微妙にピントを外したものが散見され、撮影後のプレビューでのピントの確認は常に必要だと感じる。

撮影結果には気になる歪みもなく、建物や風景でも活躍してくれる。
最短撮影距離は0.35mで、ギャラリーにあるネコの写真のように被写体に寄って撮れる。

XCDレンズのラインナップは、必要な焦点距離のレンズはそろっているが、絞りは明るくなくてもいいので、本レンズと同じようなサイズと価格で、より広角の30mm、望遠の75mmのレンズをリリースして欲しい。広角側は2023年12月にXCD 28mm F4Pが発売された。望遠側は2024年11月8日にXCD 75mm F3.4Pが発売された。

3.まとめ

結論として、XCD 45mm F4Pをまとめると、35mm判相当の焦点距離で36mmとなる広角レンズで、ハッセルブラッド Xシリーズ向けレンズの中で2番目にコンパクトなレンズだ。

レンズサイズから想像以上の描写性能があり、持ち運びが容易なため気軽なスナップから、記録写真まで汎用的に使うことができる。

前モデルのXCD 45mm F3.5とほぼ同じ明るさで、低価格、軽量、ダウンサイズをしているため、新たに購入する場合はXCD 45mm F4Pが優れている。

仕様・レンズ比較

Before imageAfter image

XCD 45mm F4Pは同じ焦点距離で発売年度が古いXCD 45 F3.5に比べると絞りは半段暗いが、2/3程度の大きさとなっており、最短撮影距離もXCD 45 F4Pの方が短いためXCD 45 F3.5を使い続ける理由はほとんどない。
同じく中判カメラ向けの焦点距離45mmのレンズとして、コンタックス645のDISTAGON 45mmがある。このレンズは絞り開放F値が2.8と明るいこと、イメージサークルが6×6判をカバーするため大きくなっている。

XCDシリーズは44x33mmセンサーに最適化してあるとは言え、レンズシャッター機構を内蔵しつつ、PENTAX 645、ライカSなどのレンズと比べるとコンパクトにできているのはカメラシステムとして非常に魅力が高い。

XCDレンズのラインナップに絞りは明るくなくてもいいので、本レンズと同じようなサイズと価格で、より広角の30mm、望遠の75mmのレンズをリリースして欲しい。そう思っていたら広角側は2023年12月にXCD 28mm F4Pが発売され、望遠側は2024年11月8日にXCD 75mm F3.4Pが発売された。その後、XCD 25VとXCD 20-35ズームが発売された。また、X2Dと共にリリースされた、XCD Vシリーズの38mm / 50mm / 90mmは高価格なラインのレンズであり、ハッセルブラッドは高価格ラインも揃えており、XCDレンズのラインアップは充実感が増している。

項目XCD 45mm F4PXCD 45mm F3.5DISTAGON 45mm F2.8
焦点距離(mm)46.24545.5
最大絞り43.52.8
最小絞り223232
レンズ構成7群9枚
非球面レンズ2枚
7群9枚7群9枚
最短撮影距離(m)0.320.40.5
レンズ長(mm)527099
レンズ最大径(mm)807680
フィルター径(mm)626772
重量(g)320417821
リリース年2020.1.312016.12.311999
価格(定価・税別)130,000331,000-250,000円
2023年中古価格7万円〜
XCD 4/45P レンズ仕様書(英語)

参考情報

更新履歴

  • 2025.5.5
  • 2024.9.1
  • 2024.02.17:改稿
  • 2022.09.13:初稿

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