BESSA T+ HELIAR 50mm 101th

ベッサTバンドルの復刻ヘリアーレンズ
Voigtlander HELIAR 50mm F3.5・101周年・限定版をフィルムカメラとデジタルカメラで使用したレビューと写真作例
目次
ギャラリー
写真作例の撮影は以下の通りである。
- カメラ Zeiss Ikon、フィルム KONICA SINBI100、スキャナ NIKON LS-50
- LEICA M8
- EPSON R-D1
レビュー
1.概要
ヘリアー 50mm F3.5は2001年にコシナがフォクトレンダーブランドでベッサT・レンジファインダーカメラとセットでリリースしたライカL39 スクリューマウントレンズ。
レンズ構成は3群5枚、絞り羽根10枚、最短撮影距離1.0mとなっている。
4色のベッサTとレンズがセットで売られた。このセットはいつまでも新品が入手可能でずいぶん在庫が残っていた。
ファインダー枠がない距離計のみを搭載したベッサTの使いづらさが原因と考えられ、2020年代にはいっても状態のよいカメラとセットが売られていることがある。
レンズは完品の場合、ネジ径27mmのラッパ型フードとそれにかぶせるキャップが付属している。中古で完品を探す場合は付属品に注意が必要だ。
2.使用感
ヘリアー 50mm F3.5はレンズ名通りヘリアー型の3群5枚の古風なレンズ構成だ。
現代の硝子を使っているためか、撮影結果の抜けは良い。フィルムで写す限り周辺部も気になるような乱れ方をせず、ごく普通に使えるレンズだ。
レンズの作りはコストダウンがみられ、レンズを近接方向に繰り出すとレンズ根元のネジがむき出しになる。ネジ表面のグリスが見える状態になるため、収納時は無限位置にしておかないと経年変化でフォーカスリングがスカスカになりそうだ。
このレンズは前述のようにレンジファインダーフィルムカメラのベッサTと一緒に売られていたが、レンズだけの中古を購入した。フィルムカメラのヘキサーRF、デジタルカメラのエプソンR-D1、ライカM8と3つのカメラで使用した。50mm標準レンズをたくさん持っていたこと、Ms-opticsのApoquaria H 50mm F3.5(アポクオリア・ヘリアータイプ 50mm F3.5)とコンセプトおよび仕様がかぶっているためこのレンズは手放した。レンズ構成の違いについては参考情報のMs-opticsのApoquaria H 50mm F3.5ページに載せている。
3.まとめ
結論としてヘリアー 50mm F3.5をまとめると、限定品の割に数多く出荷されており、プレミア価格で購入するレンズではない。2024年に販売終了しているけれど、最新のHELIAR Vintage Line50mm F3.5は最短撮影距離が0.7mに短縮しており使い易くなっているため、最新版の購入をお勧めする。
仕様・レンズ比較
LEICA ELMAR 50mm F2.8と比較すると、ヘリアー50mmが大きいことが分かる。ヘリコイドを繰り出すとさらに伸びる。ヘリアー 50mmは細身のレンズなので、大きめのボディのカメラに装着するとバランスが悪い。
- レンズ構成図は各社の配付資料から引用し、サイズはこちらで調整しているため厳密ではない。
項目 | ヘリアー50mm F3.5・初代 | エルマー M |
焦点距離(mm) | 50 | 50 |
最大絞り | 3.5 | 2.8 |
最小絞り | 22 | 16 |
絞り羽根 | 10 | 6 |
レンズ構成 | 3群5枚 | 3群4枚 |
最短撮影距離(m) | 1.0 | 0.7 |
レンズ長(mm) | 42.2 | 21.6(M・沈同時) 37.6(M・使用時) |
レンズ最大径(mm) | 47 | 52 |
フィルター径(mm) | 27 | 39 |
重量(g) | 150 | 170(黒) 245g(銀) |
フード | 専用ラッパ型ネジ込み | 39mmネジ込み 12549(銀) 12550(黒) |
マウント | L | M |
リリース年 | 2001.11 | 1994〜2007 |
価格(定価・税別) | ¥108,000(ボディ込み) | 10万円程度 |
このレンズは、初代はBESSA-Tのバンドルで発売、2009年に限定品として同じ鏡筒とレンズ構成で600本リリースされ、2016年には固定鏡筒に変更、Mマウント化、最短撮影距離が0.7mとバージョンアップされレギュラーレンズになっている。しかし、2024年に販売終了している。違いは以下の通りである。
項目 | ヘリアー50mm F3.5・初代 | ヘリアー50mm F3.5・二代目 | ヘリアー Vintage Line 50mm F3.5・三代目 |
焦点距離(mm) | 50 | 50 | 50 |
最大絞り | 3.5 | 3.5 | 3.5 |
最小絞り | 22 | 22 | 22 |
絞り羽根 | 10 | 10 | 10 |
レンズ構成 | 3群5枚 | 3群5枚 | 3群5枚 |
最短撮影距離(m) | 1.0 | 1.0 | 0.7 |
レンズ長(mm) | 42.2 | 42.2 | 43.2 |
レンズ最大径(mm) | 47 | 47 | 52 |
フィルター径(mm) | 27 | 27 | 27 |
重量(g) | 150 | 150 | 187 |
フード | 専用ラッパ型ネジ込み | 専用ラッパ型ネジ込み | 専用ラッパ型ネジ込み |
マウント | L39 | L39 | M |
リリース年 | 2001.11 | 2009.11.1 | 2016.11.25~2024年7月 |
価格(定価・税別) | ¥108,000(ボディ込み) | ¥70,000 | ¥65,000 |
参考情報
- COSINA製品PDF(リンク切れ)
- COSINA製品PDF・WebArchive
- HELIAR Vintage Line 50mm F3.5・コシナ公式ページ
- Ms-Optics APOQUALIA H 50mm F3.5・Shige’s hobby
- KONICA L39 HEXANON 50mm F2.4・Shige’s hobby
- Voigtlander L39 HELIAR 50mm F3.5 Year101・Shige’s hobby
- LEICA ELMAR 50mm F2.8・Shige’s hobby
更新履歴
- 2025.5.19
- 2024.03.03
- 2023.03.04:初稿
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