HASSELBLAD HC 35mmとLEICA S DSLR

AF広角レンズ・HASSELBLAD HC 35mmをライカS typ007 デジタル一眼レフカメラで使用したレビューと写真作例
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目次
ギャラリー
レビュー


1.概要
HASSELBLAD HC 35mm F3.5をLEICA S Typ007(S2,S-E,S typ006,S3を含む)で使用するには、ライカが純正でリリースしている、LEICA S adapter Hを使う必要があり、以下の構成で使用する。
- LEICA S +LEICA S adapter H+HASSELBLAD HC 35mm F3.5
上記組み合わせにて、LEICA Sにてオートフォーカスで撮影することができ、LEICA Sシリーズの採用する45mm x 30mmの中判デジタルセンサーでは、35mm判換算係数0.8をかけると、焦点距離28mm相当の広角レンズとなる。
ハッセルブラッドのHシリーズレンズには大きく2つのバージョンがあり、オレンジドットと呼ばれる新型と、FUJINONブランドを含む無印の旧型がある。ライカ Sシリーズで使用する場合は、新型、旧型問わずに使用可能でレンズに問題がなければオートフォーカスで使用することができる。
HASSELBLAD HC35mmをHASSELBLAD Xシリーズで使用したレビューがリンク先にある。リンク先はカメラボディにHASSELBLAD Xシリーズを使用しており、レンズはマニュアルフォーカスで使用する。
2.使用感
HASSELBLAD HC 35mm F3.5は一般的な一眼レフの焦点距離35mmのレンズとは異なる巨大なレンズで、まさに中判広角レンズという趣がある。
所有しているHASSELBLAD HC 35mm F3.5はSUPER EBC FUJINONが付いたFUJIFILMブランドのレンズだが、LEICA S typ007などのSシリーズカメラはLEICA S adapter Hを使用することで、オートフォーカスを使うことができ、フォーカス速度、フォーカス精度ともに十分満足できる。
2型にリニューアルされることもなく、目立たないレンズだが使ってみると確かな存在感を感じるレンズ。FUJIFILM Gユーザーもレンズの大きさにひるまず使って欲しいレンズだ。
3.まとめ
結論としてHASSELBLAD HC 35mm F3.5をまとめると、645版をカバーする広いイメージサークルを持ち、周辺まで歪み無く気持ちの良い描写をする広角レンズ。
最大の欠点は大きくて重いことだ、LEICA S Typ007と焦点距離35mmを含むレンズを持ち出す場合、ズームレンズのHASSELBLAD HCD 35-90mm、軽さならDISTAGON 35mm for CONTAX 645、広さを求めるとHASSELBLAD HCD 28mmを選択してしまうので出番が少ないレンズだ。
仕様・考察など
この大きなレンズをカメラに装着するたびに、より小型のHCD 35mmがリリースされていればどうだろうと考えることがある。HCレンズは645版のイメージサークルをカバーするレンズで、HCDレンズはより小さな44mm x 33mmセンサーのイメージサークルに対応したレンズなのでHCDレンズはHCレンズよりも小型になる。
仮にHCD 35mmが存在したとしたら、HCD28mmと同サイズのレンズ鏡筒に収まり、HCD広角三兄弟としてHCDレンズシリーズの存在感が増しただろう。しかし、HCD 35mmは実現せず、ズームレンズのHASSELBLAD HCD 35-90mmとしてズームレンズの波に呑まれてしまった。
また、35mmはXCDレンズに存在しない焦点距離で、ハッセルブラッドにとって35mmはここが究極なのか、忘れられた焦点距離なのかは興味深い。大艦巨砲主義的な大型鏡筒、周辺光量を犠牲にしない大径前玉、リアフォーカスによる高速駆動など、特徴の多いレンズだが中古市場でHASSELBLAD HC 35mm F3.5はかなり安く出回っている。
HASSELBLAD HC 35mmの比較対象としては、「CONATX 645 DISTAGON 35mm」、「SUMMARIT-S 35mm F2.5 ASPH.(11064 | CS: 11050)」が考えられる。
所有する中判レンズで焦点距離35mmはこのHASSELBLAD HC 35mm F3.5、DISTAGON 35mm for CONTAX 645、HASSELBLAD HCD 35-90mmの三本がある。撮影結果を見比べると画質はHC35>DISTAGON35=HCD35-90と感じる。DISTAGON35mmとHCD35-90の35mm域は、撮影結果の周辺に少し歪みを感じるが、HC35mmの撮影結果は周辺までゆがまないラインで気持ちのよい描写で、HC35mmのでかさは伊達ではない。
残念ながら、SUMMARIT-S 35mm は100万円近い価格で個人的な収入では入手して使用できるとは思えない。そして、SUMMARIT-S 35mm レンズは2023年現在、商品は終売しており、中古市場で探すことになる。机上でのスペック比較では仕様・比較に示すとおりで、SUMMARIT-S 35mm は重くて大きい。しかし、レンズスペックは優れており、開放F値が1段明るいF2.5、レンズ構成は9群12枚で非球面レンズを採用している。
エルマリート Sのフォーカスは、ディスタゴン35mm、HC 35mmと同様にガラスの小さい後群を動かして高速にフォーカスするリアフォーカス方式を採用している。
MTFチャートの比較ではライカは27mm、ZEISSは35mmまで記載と表示範囲は異なる。
補正して27mmまでの範囲でエルマリートSとディスタゴンを比較すると、グラフの線図ではエルマリートの圧勝である。エルマリートSはリリース年度が新しく、最新の設計を用いており価格が高くなることも納得できるレンズだ。
HC35mmはフィルター径はディスタゴンと同じ95mm、レンズの最大径はほぼ同じだ。しかし、DISTAGON 35mmはレンズ長が短く、鏡筒フォーカス部が細くスリムで重量も100g程度軽量である。この違いはHASSELBLAD HC35mmはレンズ構成が複雑でシャッター機構を持っているためだ。


レンズ名 | HASSELBLAD HC 35mm F3.5 | CONTAX DISTAGON 35mm | LEICA SUMMARIT S35mm |
焦点距離(mm) | 35.8 | 35.5 | 35 |
最大絞り | 3.5 | 3.5 | 2.5 |
最小絞り | 32 | 32 | 22 |
レンズ構成 | 10群11枚 | 8群11枚 | 9群11枚 |
最短撮影距離(m) | 0.5 | 0.5 | 0.55 |
レンズ長(mm) マウント面からの距離 | 124 | 108 | 122 |
レンズ最大径(mm) | 100 | 102 | 88 |
フィルター径(mm) | 95 | 95 | 82 |
重量(g) | 975 | 877 | 930/1030(CS) |
リリース年 | ? | 1999 | 2013.10.10 |
価格 | 2023年中古価格 150,000円〜 | 287,000円 2023年中古価格7万円〜 | 847,000円 979,000円(CS) |
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参考情報
- HC 3.5/35 公式サイト
- CONTAX 645 DISTAGON 35mm F3.5
- LEICA SUMMARIT S 35mm
- HASSELBLAD HC35・Shige’s hobby
- CONTAX DISTAGON 35・Shige’s hobby
- HASSELBLAD HCD35-90・Shige’s hobby
更新履歴
- 2025.8.11
- 2025.6.3
- 2024.08.31
- 2023.08.17
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