LEICA S with HC35mm

HASSELBLAD HC35mmをライカS typ007で使用したレビュー

一般的な一眼レフの焦点距離35mmのレンズとは異なる巨大さはまさに中判レンズという趣がある。
所有しているHC35mmはSUPER EBC FUJINONが付いたFUJIFILMブランドで、レンズのファームウェアが古く、HASSELBLAD X2Dではオートフォーカスを使うことができない。
しかし、LEICA S typ007ではオートフォーカスを使うことができ、フォーカス速度、フォーカス精度ともに満足している。

所有する中判レンズで焦点距離35mmはこのHASSELBLAD HC35とCONTAX DISTAGON 35、HASSELBLAD HCD35-90の三本がある。撮影結果を見比べると画質はHC35>DISTAGON35=HCD35-90と感じる。DISTAGON35mmとHCD35-90の35mm域は、撮影結果の周辺に少し歪みを感じるが、HC35mmの撮影結果は周辺までゆがまないラインで気持ちのよい描写で、HC35mmのでかさは伊達ではないことを示している。
LEICA Sには最新設計のSUMMARIT-S 35mm ASPH.が存在している。2023年時点では中古もそれなりに目にするため最新型35mmレンズの描写には興味があるけれど、35mmは飽和した状態なので購入には踏み切れていない。

しかし、このデカさがネックとなり持ち出し機会が少ない、持ち出し頻度でいうと、一本で賄うならズームのHCD35-90、軽さならDISTAGON 35mm、広さを求めるとHCD28mm、HCD24mmをつけたくなる。そして、35mmレンズは軽快であってほしいとの思いがあるのも確かだ。

仮にHCD35mmがリリースされていればどうだろうと考えるとHCD28mmと同サイズのレンズ鏡筒であれば広角三兄弟として、HCDレンズの存在感を増したと思う。HCD35mmは造られることなく、HCD35-90として、ズームレンズの波に呑まれてしまった。HCD35mmが存在した場合はHC35mmは買うことはなかったはずで、めぐり合わせとは面白い。
35mmはXCDレンズに存在しない焦点距離で、ハッセルブラッドにとって35mmはここが究極なのか、忘れられた焦点距離なのか興味深い。
大艦巨砲主義的な大型鏡筒、周辺光量を犠牲にしない大径前玉、リアフォーカスによる高速駆動など、特徴の多いレンズだが中古市場では古い型のHC35mmはかなり安く出回っている。
2型にリニューアルされることもなく、目立たないレンズだが使ってみると確かな存在感を感じるレンズ。FUJIFILM Gユーザーもでかさにひるまずに使って欲しいレンズだ。

レンズサイズ比較

HC35mmレンズ構成図(ハッセルブラッド公式ページより引用)

DISTAGON 35mmレンズ構成図(ZEISS公式ページより引用)

ズマリット35mmレンズ構成図(LEICA公式ページより引用)

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