HASSELBLAD HC 2.8 / 80
HASSELBLAD HC 2.8/80mmのレビューと写真作例
目次
ギャラリー
- 写真作例の撮影はX1DII
- 写真作例の撮影はX2D
レビュー
ハッセルブラッド HC 80mm F2.8は、ハッセルブラッド Hシリーズカメラ用の焦点距離80mmのレンズ。
HCシリーズなので、中判カメラHxDシリーズで使用する場合、センサーサイズ 40.2×53.7mmまでカバーし、そのときセンサー倍率をかけた焦点距離は55mmとなる。
X1D、X1DII、907X、X2Dは、X H Lens Adapter*、XH CONVERTER 0.8*のどちらかを経由して使用する。CONVERTER H x1.7テレコンバーター(以下、H x1.7)を併用することも可能である。
- X H Lens Adapter*を使用した場合、焦点距離約64mm F2.8
- XH CONVERTER 0.8*を使用した場合、焦点距離52.8mm F2
- X H Lens Adapter*とH x1.7を使用した場合、焦点距離約109mm F4.8
- 焦点距離は44x33mmセンサー使用時の換算焦点距離
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このレンズはX1Dを購入した後、しばらくしてX H Lens Adapter*とともに購入した初めてのHシリーズレンズで、X1Dでレンズ情報を確認すると、ファームウェアは10.0.0でシャッター回数は約3000回であった。Hシリーズのもっとも標準的なレンズとしては余り使われていない。
下調べが足りず、X1Dでオートフォーカス(以下、AF)が使用できると勝手に思いこんで購入したが、購入したレンズの仕様が古く、後述するファームウェアの問題から、本レンズはX2D、X1D(4116 editon含む)、X1DII、907XにX H Lens Adapter*、XH CONVERTER 0.8*を経由して装着した場合、マニュアルフォーカス(以下、MF)でのみ使用可能だ。AFは動作しなかった。
MFの操作感はフォーカスリングは軽めだが微調整も効き、ピント合わせはカメラのEVF拡大表示を頼りに使用している。HCレンズなので0.8倍コンバーターを使用しても隅までしっかりと解像し周辺減光もない。
X1Dシリーズに搭載されているピントピーキングは少し絞るとほぼすべての場所でピントが合っているように強調表示されるのであまり当てにならない。やはりAFは便利なので、資金に余裕があればAFの使えるレンズに買い換えたいと思っている。
通常は新しくリリースされた、XH CONVERTER 0.8*を使用して50mmレンズとして運用している。HCレンズの中ではもっとも小さく重量が500gを切る軽さで取り回しがよいのが利点である。
上記組み合わせの場合、カメラ(766g) +XH CONVERTER 0.8*(403g) +レンズ(475g) =約1.65kgで、Hシリーズレンズを使う婆、最も軽い組み合わせになる。
2023.12.1にリリースされた、X2Dファームウェア3.1.0で、過去のファームウェアの以下、不具合は解消された。
2023.6.1にX2Dファームウェア2.0.0がリリースされ更新したところ、ボディ内手ぶれ補正(IBIS)が動作しなくなった。X2Dファームウェア1.1.0まではIBISが使えたので、悪い方向へ修正されたようだ。
ハッセルブラッド・デジタル・フォーラムの書き込みによると、ファームウェア17.0.0ではIBISが動作するとのことで、Hasselbladサポートにファームウェア17.0.0の提供を依頼したがそれについての回答はなく、サポートの回答はファームウェアの改良を待てというものだった。
<レンズの仕様>
項目 | 値 | 備考 |
焦点距離(mm) | 82.3 | |
最大絞り | 2.8 | |
最小絞り | 32 | |
レンズ構成 | 6群6枚 | ガウス型 |
最短撮影距離(m) | 0.7 | |
レンズ長(mm) | 70 | |
レンズ最大径(mm) | 84 | |
フィルター径(mm) | 67 | |
重量(g) | 475 |
アクセサリー互換性
- CONVERTER H x1.7テレコンバーターは使用できる。
- Extension-Tube-H(H13/H26/H52)は使用できる。
- HTS 1,5 TILT AND SHIFT ADAPTERは使用できる。
- イメージサークルは中判フィルムサイズまでカバーする。
AF対応について
HC/HCDシリーズレンズをマウントアダプター(X H Lens Adapter*、XH CONVERTER 0.8*)を経由してX1D,X1DII,X2D,907Xに装着しオートフォーカス(以下、AF)を駆動させるためには、レンズファームウェア領域が拡張された18.0.0以降のレンズが必要である。17.0.0以前のレンズに18.0.0以降のファーウウェアを適用しても書き込み領域が足りないため変更できない。
レンズにオレンジ色のマークがついた、通称オレンジドットのレンズは、レンズファームウェアが18.0.0以降であり100%AFに対応している。
しかし、オレンジドットのないレンズでも、AF対応可能なものはあり、レンズシリアルナンバーがVから始まる2010年以降に製造されたレンズについてはファームウェア領域が拡張されているレンズが多くAFに対応できる可能性が高い。
シリアルナンバーがSから始まるレンズは2000年代に製造されたレンズで、オレンジドットのないファームウェア17.0.0以前のレンズとなる。
上記にも例外があり、レンズの修理時にフォーカスユニット交換などで新しいファームウェアになっている場合もある。
ハッセルブラッド XシリーズでAFを使えるか否かは、シリアルナンバーから判断するだけでなく、カメラに装着して実際のレンズファームウェアを確認するのが最も確実である。
FUJINONレンズについて
HCレンズはフジフィルムブランド・SUPER EBC FUJINONのものがあり、HASSELBLAD HCカメラで使用できるが、最高シャッタースピードが1/800のレンズしかなく、最新の最高シャッタースピード1/2000と比べると表現の幅が狭まる。また、レンズファームウェアが古いため、XCDマウントカメラ・X1D、X1DII、907X、X2Dにおいてオートフォーカス(以下、AF)を利用するために必要なHCレンズ・ファームウェア19.1.0を適用することができない。
そのため2種類のマウントアダプター、X H Lens Adapter*、XH CONVERTER 0.8*を経由してXCDマウントカメラに装着してもAFは使用できない。
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フジフィルムブランドのHCレンズは、ハッセルブラッドの修理サポート対象外で、フジフィルムによる修理対応も終わっているため故障時はどうすることもできない。フジフィルムブランドのHレンズは格安で売られているが購入時はそのことを意識する必要がある。
ハッセルブラッドブランドのHCレンズであれば、古いレンズでもハッセルブラッドにて、有償だが修理対応してもらえる。
HCレンズは富士フイルム製造なので、X1D、X1DII、907X、X2Dと同じセンサーサイズの富士フイルムGFXシリーズもマウントアダプター(H MOUNT ADAPTER G)を用意している。こちらはMF(マニュアルフォーカス)専用となるが、カメラ側のメカシャッターだけでなく、レンズシャッターも使用できる。
参考リンク
更新履歴
- 2024.03.25:記載修正
- 2023.06.07:X2Dファームウェア2.0.0について追記
- 2022.01.09:最初の投稿
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