Ms-Optics XENOMAX 50mm
中判デジタルセンサー対応・高性能標準レンズ
XENOMAX 50mm F3.5(MS-Optics / 宮崎光学)のレビューと写真作例
目次
ギャラリー
- XENOMAX 50mm F3.5 写真作例(LUMIX GM5)
- XENOMAX 50mm F3.5 写真作例(HASSELBLAD X1DII)
レビュー
1.概要
XENOMAX 50mm F3.5は、Ms-opticsがリリースしたデジタル中判センサー(44x33mm)をカバーする標準レンズだ。
MS-Optics(宮崎光学)の歴史シリーズのレンズの一つでレンズ構成にクセノタール型を採用し、収差や解像度において高性能を追求したレンズである。
4群5枚のレンズ構成で、開放F値は3.5、最短撮影距離はミラーレスカメラの場合0.5mまで寄れ、レンジファインダーカメラの距離計には0.8mまで連動する。
レンズ長33mm、重量63gとデジタル中判センサーをカバーしながら、従来のMs-opticsレンズ同様にコンパクトなレンズとなっている。
2.使用感
35mm判フルサイズセンサーは50mm、そのほかのセンサーフォーマットでは、中判デジタルカメラで使用すると焦点距離40mm、APS-Cでは75mm、マイクロフォーサーズでは100mmとなる。
写真作例は、マイクロフォーサーズのLUMIX GM5と中判デジタルカメラのHASSELBLAD X1DIIの撮影結果を掲載している。
マイクロフォーサーズは前述のとおり焦点距離100mmとなるが、画面端まで端正な描写はレンズ中央の描写の良いところだけを使うメリットを感じさせる。
中判デジタルセンサー(44 *33mm)の場合は、画像周辺部の乱れや光量不足をほとんど感じないが、青空を撮影した際に画面隅は若干のケラレが見られた。これはレンズフィルターを装着している影響の可能性が高い。
両者の結果から、35mm判フルサイズセンサーで使用しても、描写については問題ないと判断できる。
操作に関しては、シンプルな鏡筒と無限から最短撮影距離0.5mまで30度程度の浅い回転角から二重像合致のレンジファインダーカメラでは素早い操作が期待できる。EVF系のカメラでは回転角の少なさからピント調整が難しい場合もある。
Raw画像をストレート現像すると、色調はナチュラル、コントラストは少し低めで、派手目の絵にしたい場合は、現像ソフトにてコントラストと彩度を少しあげると印象が変わる。
このレンズの名前はテスト時はXENORという名称だったが、レンズ性能がMs-optics史上もっとも高性能であるため、リリース時にXENOMAXに変更された。
3.付加情報
Ms-opticsは標準レンズを多くリリースしており、ライカ、フォクトレンダー同様に、撮影目的に応じて絞りの明るさを選ぶ事ができる。以下レンズ名称と絞り開放値を記載する。いずれのレンズも他社の同スペックのレンズと比較すると、軽量、コンパクトに仕上がっている。
- GA-ISM=1.0
- SONNEATR=1.1
- SONNETAR(MS-MODE-S)=1.3
- VARIO PRASMA=1.5
- APOQUALIA-H=3.5
- XENOMAX =3.5
Ms-opticsの標準レンズには絞り開放値:F2のレンズがないが、ペッツバールオマージュレンズ、PETZが57mm F2のスペックとなっている。
仕様・比較
項目 | XENOMAX | APOQUALIA-H | MS-MODE-S | MS-ISM |
焦点距離(mm) | 50 | 50 | 50 | 50 |
最大絞り | 3.5 | 3.5 | 1.3 | 1.0 |
最小絞り | 16 | 22 | 22 | 22 |
絞り羽根 | 12 | 12 | 12 | 16 |
レンズ構成 | 4群5枚 | 3群5枚 | 4群5枚 | 5群7枚 |
最短撮影距離(m) | 0.5 | 0.85 | 1.0 | 0.8 |
レンズ長(mm) | 33 | 38 | 36 | 41 |
レンズ最大径(mm) | 50 | 50 | 51 | 55 |
フィルター径(mm) | 30.5 | 30.5 | 49 | 55 |
重量(g) | 63 (M) | 90 (L39) | 165 (L39) | 178 (M) |
リリース年 | 2022 | 2009 | 2006 | 2019 |
定価(円・税別) | ¥80,000- | ¥65,000- | ¥100,000- | ¥150,000- |
参考文献・参考リンク
更新履歴
- 2024.11.12
- 2024.03.10:更新
- 2023.05.29:更新
- 2022.12.27:初稿