トポゴンコピー?Orion-15 28mm F6

トポゴンコピー?Orion-15 28mm F6

ロシア・ZOMZ製・Orion-15 28mm F6をLEICA Mで使用したレビューと写真作例

目次

ギャラリー

  • Orion-15 28mm F6 写真例(Leica M-P使用)

レビュー

Before imageAfter image

1.概要

Orion 15は、ロシア製・焦点距離28mmの広角レンズ。

主な仕様は以下の通りで、詳細は表に載せている。

  • 開放F値 6
  • レンズ構成 4群4枚
  • 絞り羽根 7枚
  • 最短撮影距離 1m
  • ライカL39/Mレンジファインダーカメラ距離計連動 1m
  • フード 専用?・40.5mmをネジ込み可能
  • レンズカラーバリエーション シルバー

いくつかの製造工場で作られているが、この個体は弓を引くようなマークからZOMZ工場で作られたことがわかる。

2.使用感

このレンズは、ZEISSのTOPOGONコピーとして知られる。レンズ構成は同じだがガラス厚みなどが異なっており、ロシア側で再度設計していることが見てとれる。

本レンズは古い個体が多く流通しているようで、アルミの鏡筒がくたびれたものが多い。
所有していたレンズも格安で入手したためヘリコイドがスカスカで、くたびれたレンズであった。

くたびれたレンズであったが描写は問題なく周辺を落とすシーンではドラマチックな描写を見せる。
建物を撮影した際には、対称型レンズのレンズ構成でゆがみが少ない。

最短撮影距離はバルナック型(ライカA型/ライカI型)ライカの1mを踏襲しており、レンズ単体では寄れないのは残念な点だ。

フィルター径は40.5mmとなっている。凸形状の前玉保護のためにフィルターを取り付けると、同じロシアレンズのルサールと同様に絞りを動かせないというデメリットが発生する。
これは割り切ってフィルターなしで使うか、開放でもF6と暗いのでF固定レンズとして使うのがよい。

オリオン15は、より広角の焦点距離21mm付近のルサール、スーパーアンギュロンで、カラーキャストが発生しやすいデジタルカメラ・ライカ M typ240で、カラーキャストがほとんど発生しないのは撮影時にありがたい特徴だ。

3.まとめ

結論としてOrion-15をまとめると、暗くてコンパクトな広角レンズ。
いにしえの完全対称型レンズの味わいを体感するための存在で、デジタルだと案外普通の写りをするので、モノクロフィルムなどでのんびりと楽しむレンズだ。

ロシアレンズ

ロシアのL39スクリューマウントレンズは、20mm、28mm、35mm、50mm、58mm、135mmと焦点距離は揃っている。2010年代後半まではかなり廉価に販売されていたが、2020年代に入り他のライカマウント互換レンズ同様に価格が上昇しており、安いので試しに使ってみようという価格ではなくなっている。

仕様とレンズ比較

ORION 15と同じ焦点距離で絞り開放値も6.3と近いHEKTOR 28mmと比較した。
2つのレンズは暗いレンズでとても小さいことは共通している。レンズ構成はORIONは対称型でHEKTORはトリプレットの発展系になっている。同じような性能のレンズを実現する方法の違いが興味深い。

Before imageAfter image

orionのレンズ構成図は、New Old Camera(イタリア)に掲載されている図を参考にした。
HEKTORのレンズ構成図は、LENS.DBに掲載されている図を参考にした。
レンズと外観の位置関係は正確ではない。

項目orionHEKTOR
焦点距離(mm)2828
最大絞り66.3
最小絞り2225
絞り羽根76
レンズ構成4群4枚3群5枚
最短撮影距離(m)1.01.0
レンズ長(mm)20
レンズ最大径(mm)51.549
フィルター径(mm)40.534
レンズフードなしラッパ型はめ込み
マウントL39L39スクリュー
重量(g)112 レンズ+L/Mマウントアダプタ110
リリース年?1935-1950
価格(税別)?11,255

参考文献・参考リンク

更新履歴

  • 2025.4.17
  • 2024.05.17:更新
  • 2024.03.03:更新
  • 2022.02.10:初稿

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