SIGMA DP2, DP2s, DP2x

最終更新日

コンセプトは最高、実力は微妙

シグマ製コンパクトデジタルカメラ・DP2、DP2s、DP2xのレビューと写真作例

目次

ギャラリー

レビュー

  1. カメラ概要
  2. 使用感
  3. X3Fファイル

1.カメラ概要

DP2シリーズは、第2世代Foveonセンサーを搭載したコンパクトデジタルカメラで、無印:2008.4、s:2009.3、x:2010.5と約1年ごとにマイナーチェンジをおこなった。

デジタル一眼レフカメラのSD14 / SD15と同じセンサーを積んでおり、記録画素数は450万画素 x3で実画素は450万画素だが、JPEG記録とSIGMA PhotoProでは画素を合成してより高画素の出力もできる。

DP1とDP2の違いはレンズだけで、DP1が16.6mm、DP2が24.2mmのレンズを積んでいた。
DP2の専用オプションとして、クローズアップレンズALM-1がリリースされた。ALM-1は46mm径のねじ込み式でレンズ鏡筒にねじ切りの無いDP2シリーズは本品を直接付けることはできず、カメラにフードHA-11を取り付け、その先端にねじ込んで使用する。フードを外せばクローズアップレンズが外れるので、バヨネット式と言えるかも知れない。

DP1、DP2シリーズのバッテリー型番は、BP-31で3.7V 1300mAhの仕様となっている。

DP2sの改良点

  • AF速度の向上
  • ボタンの視認性向上
  • パワーセーブモードの追加

情報ソース:デジカメwatch 2010年4月1日記事

DP2xの改良点

  • AFE(アナログフロントエンド)の搭載
  • AFアルゴリズムの最適化
  • 「キャプチャー優先モード」の搭載

情報ソース:デジカメwatch 2011年6月10日記事

2.使用感

無印DP2は無印DP1とくらべると快適なカメラだったが、それはあくまでもDP1とくらべての話であり、新開発の画像処理チップTrue IIを積んでも、のんびりしたカメラからは脱却していない。
DP2を購入して売却後、DP2sはパスしてDP2xは入手したが、DP2シリーズはずっとは画像処理チップがTrue IIで、機種が変わっても大幅な処理速度向上や撮影機能のバージョンアップはなく、背面ボタンの変更など細かなブラッシュアップだけでシリーズが終わってしまった。

DP1、DP2シリーズはいずれの機種も電池持ちはよくなく、背面液晶のバッテリー表示が満タンでも電池電圧が足りなくなると突然死するという、SD9 / SD10と同じような症状を持っていた。

以前は純正バッテリー終売後に互換バッテリーを見かけたが、最近は互換バッテリーも市場から無くなっている(アマゾンに怪しげな互換品があるが怖いので紹介はしない)ため、中古のボディを手に入れた方はバッテリーの入手に苦労しそうな気がするので注意していただきたい。

DP2xの終売時はアウトレットなどと称してカメラ屋で投げ売りをされていたので、シグマカメラの実態を知らずに手に入れたユーザーは入手を後悔した可能性が高いのではないだろうか?まさに、素人にはお勧めできないカメラで玄人もよほどの覚悟がないと使えないカメラだと思う。

2023年現在、DP1、DP2シリーズもお高めの中古価格で流通しているが、数万円の価格を出してまで使うカメラではないと思う。
ISO100・昼間という条件以外では撮影結果に怪しいノイズが浮くし、普通にSD14かSD15を使った方が幸せになれると思う。
DP2無印シリーズにくらべると、後継のDP2 Merrillはかなりましなカメラになったと思う。

3.X3Fファイル

X3Fファイルは、R,G,Bの3色の情報を1ピクセル毎に保存しているため、通常のベイヤーセンサーの3倍のデータ量となる。

このX3Fを処理するSIGMA PHOTO PRO(以下、SPP)はSD9のころから使用しているが、不安定、動作が遅いと文句を言っていたが、2024年のM2 Pro搭載のMac miniで使用したところ、SPPの不用意なクラッシュはほとんど見られず、画像の処理速度も実用に十分な速度に達していることを実感した。PCのCPUパワー増大による処理速度向上の恩恵を感じる出来事であった。

フリーウェアのX3FをDNGに変換するユーティリティソフトも使用してみたが、使用した時期のバージョンではDNGに変換した後の画像をかなり処理しないとSPPと同じクオリティにすることが難しく、使いこなしが難しい印象だった。その後改良されているかは不明である。

DNG変換後の画像がSPPデフォルトと同等の画像を得ることができれば、他のソフトで微調整をするのが他のソフトウェアを使い慣れたユーザーには理想的な作業フローだが、そううまい話では無かった。変換ソフトは個人が作成したフリーウェアなので、利用者が文句を言う筋合いが無いことも確かである。

画像処理ソフトのAffinity Photoで現像ができることがわかったので、こちらのページでテストしてみた。こちらもSPPと同じ結果を得るためには、入念に調整方法を研究しなくてはいけないことはわかっているが、SPPがストレス無く調整した画像を出力できるようになったため、あまり深追いはしていない。SPPで出力したJPGをAffinity Photoで最終調整するのが今のところベターな作業フローだと考えている。

2024年現在、新規Foveonセンサーの開発は滞っているようである。今後、新しいX3Fデータに巡り会うことがあるのか、興味深く待っている。

仕様

項目DP2DP2sDP2x
カメラ有効画素数有効画素:約1,406万画素 (2,652×1,768×3層)
焦点距離24.2mm F2.8
(35mmカメラ換算:41mm相当の画角)
レンズ構成6群7枚
撮像素子FOVEON X3®(CMOS)・20.7×13.8mm
画像処理True II
背面液晶2.5型・23万ドット
ファインダーなし
バッテリーリチウムイオンバッテリー(BP-31)
外形寸法(mm)幅 x 高さ x 奥行 113.3mm × 59.5mm × 56.1mm
重量(g)約260g (電池、メモリーカード除く)
リリース年2009年4月24日2010年3月27日2011年5月27日
価格69,800円(Open)70,000(Open)49,800(Open)

オプション

  • クローズアップレンズ:AML-1
  • フード:HA-11 (リンク先はアマゾン・アフィリエイトリンク)
  • バッテリー:BP-31(終売)
  • BP-31用 バッテリチャージャー:BC-31

参考文献・参考リンク

更新履歴

  • 2024.8.17
  • 2024.06.26:改稿
  • 2024.02.12:改稿
  • 2023.04.07:初稿

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