最後のα一眼レフ SONY α900

最後のα一眼レフ SONY α900

SONY α900 デジタル一眼レフカメラのレビューと写真作例

目次

ギャラリー

写真作例の撮影レンズは

  • Voigtlander COLOR HELIAR SL 75mm F2.5 
  • Tamron SP 151b 17mm
  • Carl Zeiss Planar 50mm F1.4 ZS 
  • SONY SONNAR 135mm ZA
  • Auto topcor 58mm 

レビュー

Before imageAfter image

1.概要

α900はミノルタカメラを引き継いだソニー製・ペンタプリズム採用一眼レフのフラッグシップカメラである。

ミノルタ時代からここまでやっときたという感じのカメラで、ミノルタαレンズが使える2400万画素の35mmフルサイズセンサー、ボディ内手ぶれ補正機能を搭載、アナログとデジタル技術の融合として完成度の高い。

ボディサイズは大きく、幅16cm、高さ12cm、奥行8cmある。この状態で重量は850g。
これに縦位置グリップを付けると高さも16cmとなり、重量は1kgをこえる。

カメラを構えた状態で左肩にモードダイヤル、右側に2つの回転ダイヤルを備える。
背面にはメニュー操作用のジョイスティックもあり操作ボタンは必要十分だ。

ファインダースクリーンの交換にも対応している。

2.使用感

α900はファインダーの出来がよく、マニュアルフォーカスするのが本当に楽しいカメラだ。
いくつかの一眼レフカメラのファインダーを覗いた経験から、α900のファインダーは35mmカメラの中ではもっとも出来がよいファインダーの1つだ。

フォーカシングスクリーンの交換が可能で、標準のスクリーン以外に、明るいレンズでピントの山が掴みやすいMタイプ、グリッド線の入ったLタイプが販売された。フォーカシングスクリーンはミラーレスカメラでは使われなくなったけれど、自分の撮影目的に合わせてスクリーンを交換して撮影に臨むのは一眼レフカメラの楽しみの一つだ。

撮影時に派手なミラー駆動音とシャッター音がするためお世辞にも静かなカメラではなかった。その音が写しているという気分を高揚させるという感覚は、昔から一眼レフカメラを使っている者であればわかっていただけるだろう。そのため、最近のカメラは本当に静かで驚く。

2023年現在手元にある一眼レフカメラ、LEICA S Typ007、SIGMA SD10/SD14のなかでは、LEICA S Typ007と同じ程度の音がしていたと記憶している。
ソニー製カメラにしてはボタン配置がまともで操作に困ることは無かった。

フィルムカメラではフィルム交換でしか対応できなかったISO感度の変更は、デジタルカメラなのでセンサーの仕様範囲において変更可能で、α900は通常設定で最高ISO感度3200(拡張設定6400)まで設定することできた。
モニターで見るかぎり常用はISO800が限界でISO1600は非常用であった。

バッテリーは、α一眼レフカメラ標準のNP-FM500Hを採用しており、バッテリー型番を頻繁に変更するSONYにしては長く使われた。電圧: 7.2V、容量: 11.5Wh(1600mAh)と、ミラーレスカメラ向けのNP-FW50とくらべると1.5倍の容量を持っている。もちろん、ミラーレスカメラと一眼レフカメラでは電気の使用量が異なるため、それぞれのカメラに最適なサイズとバッテリー容量を選択していることは理解できるけれど、バッテリー容量は多い方が安心感は得られる。

M42レンズ、MINOLTA-αレンズの母艦として、約2年活躍してくれた。
このカメラでもっとも使ったレンズは、CarlZeiss Sonnar 135mm-ZAで、最新のレンズからオールドレンズまで、オールマイティに使える良いボディとセンサーでかなり楽しませてくれた。

数年前に、もう一度手に入れようかと思ったけれど、その時は並んでいた中古のEOS-1DsMKIIIを買ってしまい、今のところ2度目の入手にはいたっていない。ライカRレンズが無改造で装着できれば使いたい気持ちはある。しかし、RマウントとAマウントのフランジバック長さの関係から、マウントアダプターを介して装着してもレンズの無限遠をだすことができないため実用は不可能である。その関係からマウントアダプターも市販されていない。

2020年代に入るとさすがにボディ価格も下落しているけれど、レンズ価格は上昇してきている。これは需給の問題で動作するカメラとレンズの数が減ってきたためだ。

3.まとめ

α900はMINOLTAから続くα一眼レフカメラの到達点にして最後のカメラ。
現時点でAマウントのレンズを揃えて、ボディを所有していれば壊れるまでは現役で通用する。

Aマウントはフランジバックが長いため、マウントアダプター遊びはM42レンズくらいしか出来ないことが残念な点で、フランジバックがCANON-EF、EOSと同じ44mmだったらと思うことは過去から変わっていない。

仕様・歴代モデル

次世代機のα99は光学式ファインダーが取り除かれEVFを搭載したカメラとなり、ミラーはついているけれどミラーレスカメラとほぼ同じ造りになっている。その利点はマウントがAマウントなので、古いAマウントレンズを含めすべてのAマウントレンズを過去の一眼レフαと同じ感覚で利用できることだ。

また、α99はISO感度の通常設定が25600まで拡張されており、ここは4年分のセンサーの進化を感じさせる。
最後のAマウントカメラとなる、α99IIはセンサー画素を4200万画素まであげたうえ、α99と同じISO感度を維持している。このカメラ以降は完全にミラーレスカメラに移行していく。

モデル名α900α99α99II
カメラ有効画素数2400万画素2400万画素4200万画素
センサーサイズ35mmフルサイズ35mmフルサイズ35mmフルサイズ
背面液晶サイズ3.0
92万ドット
3.0
128万ドット
3.0
128万ドット
ファインダーアイレベル固定式
ペンタプリズム使用
EVF
236万ドット
EVF
236万ドット
ファインダー倍率0.740.710.78
最高シャッター速度1/80001/80001/8000
ISO感度200-3200
(100-6400)
 100-25600
(50-25600)
 100-25600
(50-25600)
バッテリーNP-FM500HNP-FM500HNP-FM500H
メディアCF/MSSD/MSSD/MS
リリース年2008.10.232012.10.262016.11.25
サイズ(mm)156.3× 116.9× 81.9147× 111.2× 78.4142.6 x 104.2 x 76.1
重量(g)・本体のみ850733770

オプション

  • 縦位置グリップVG-C90AM(バッテリー2個装着可能)
  • リモートコマンダー:RMT-DSLR1、RM-S1AM、RM-L1AM
  • FDA-FL1AM [α900専用 フォーカシングスクリーン Lタイプ]
  • FDA-FM1AM [α900専用 フォーカシングスクリーン Mタイプ]

参考文献・参考リンク

更新履歴

  • 2025.5.7
  • 2024.12.17
  • 2024.2.28:改稿
  • 2023.11.03:初稿

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