LEICA SUMMILUX M 50mm ASPH.

LEICA SUMMILUX M 50mm ASPH.

非球面レンズ採用・新世代標準レンズ

ライカ・ズミルックス M 50mm ASPH.のレビューと写真作例

目次

ギャラリー

  • 写真作例の撮影は
    • LEICA M6 +KODAK-E100G+NIKON COOLSCAN-V
    • LEICA M9
    • LEICA M10

レビュー

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1.概要

SUMMILUX M 50mm F1.4 ASPH.(オーダーナンバー:11891-black、silver-11892)は2006年にリリースされた非球面レンズを採用した標準レンズ。
写真のフード一体型モデルの他に、限定モデルとして初代ズミルックスを模した鏡筒のレンズ(オーダーナンバー:11628)も発売されている。

ブラックとシルバーは鏡筒素材が異なり、シルバーは真鍮製で460g、ブラックはアルミ製で335gと約100gの差がある。

2023年のリニューアル(オーダーナンバー:11728-black、silver-11729)では、最短撮影距離が0.45mへの短縮、絞り羽根枚数を11枚に増加し絞り形状を真円に近くするなど、細かい部分の仕様が変更された。しかし、リニューアルにともない販売価格はさらに上昇した。また、シルバーとブラックは塗装の違いだけになり、重量は同じになっている。

2.使用感

SUMMILUX M 50mm F1.4 ASPH.はフィルムカメラ、デジタルカメラのいずれで使用しても満足のいく結果を得られる。

絞り開放の撮影結果は解像感のあるピント面の描写がなめらかにボケていく像をみると、写真がうまくなったような気がする。絞って使えば前面が均一な描写となり面白みが減るため、単調にならないように考えながら絞り開放を積極的に使いたい。しかし、絞り開放の撮影は状況によっては近接時に後ろのボケがうるさくなる、絞り開放時の口径食でラグビーボールボケが発生するなどがっかりすることもあった。

フォーカスリングの感触はブラックもシルバーともに、非常にスムーズで初めて使ったときは軽すぎるくらいに感じた。そのため、ピント位置の微調整に苦労することがあった。それでも、少し使っていると素早くフォーカス操作をできたので、重すぎるヘリコイドよりはよいと感じるようになった。

概要に記したとおり、ブラックとシルバーの違いはシルバーは質量が重くブラックは軽い。
真鍮製のシルバーとアルミのブラックの両方を使用した経験では、シルバーは重厚だが持ち運びを考えたときは軽量なブラックの方が使い勝手がよかった。
手ブレには重い方が有利という説もあるので、シルバーとブラックは撮影者の好みで判断してよいだろう。

この非球面ズミルクスはフードが組み込まれており、フードを引き出して回転させることにより、フードを伸ばした状態でレンズに固定できる。所有していたブラックのレンズはフード固定部分に異常がありフードが固定できなかったので修理に出した。修理後のフードはカチッと止まるように修理されており使い心地はよかった。
しかし、フードが固定された状態でカメラを落とした場合、レンズのフードの固定部周辺が確実に壊れるため、ただの引き出し式でルーズなほうが安全な面もあるかもしれない。どちらが良いかは一長一短で、レンズを落とさないようにするのがもっともよいのは間違いないけれど、フィールドでは何があるかはわからない。

3.まとめ

結論としてSUMMILUX M 50mm F1.4 ASPH.をまとめると、絞り解放の描写はSUMMICRONでは味わえないボケ見がある。NOCTILUXほど像がくだけないところも美点で絞り開放から安心して使える。

NOCTILUXを絞って使うのであれば、SUMMILUXがお勧めできる。

仕様・シリーズレンズ比較

ズミルックス M 50mmはライカ標準レンズのラインナップでは次男的なレンズで、長男のノクティルックスよりレンズは暗いが重量は軽く、三男のズミクロンよりは明るく重量は同等というスペックである。

他メーカーでは通常中途半端なレンズと言われる恐れがあるけれど、ライカでは独自のポジションを確立しており市場の需要は常にあり価格も安定している。
性能面ではアポ・ズミクロン 50mmというライカのレンズ階層を崩すような標準レンズが発売された。
アポ・ズミクロン 50mmの位置づけは通常のレンズラインとは異なっており、価格がノクチルックス 50mmと同等だったので、ズミルックス 50mmのポジションは維持されている。

レンズ名SUMMILUX M 50ASPH.SUMMILUX M 50 III型SUMMILUX M 50 I,II型
焦点距離(mm)505050
最大絞り1.41.41.4
最小絞り161616
絞り羽根枚数9 >11(New)1216 or 12
レンズ構成5群8枚5群7枚5群7枚
最短撮影距離(m)0.7 >0.45(New)0.71.0
レンズ長(mm)52.5 >59.3(New)54.5
レンズ最大径(mm)53.5 >58.6(New)47.7
フィルター径(mm)464643
フード内蔵内蔵XOOIM
12521
12586
重量(g)335(黒) >337(New)
460(銀) >337(New)
275(黒)
380(銀/チタン)
リリース年2006 >202319921961

参考文献・参考リンク

更新

  • 2024.11.3
  • 2023.03.02:改稿
  • 2023.06.15:初稿

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