LEICA SUMMILUX M 50mm ASPH.

非球面レンズ採用・新世代標準レンズ

ライカ・ズミルックス M 50mm ASPH.のレビューと写真作例

目次

ギャラリー

  • 写真作例の撮影はLEICA M9
  • 写真作例の撮影はLEICA M6 +KODAK-E100G+NIKON COOLSCAN-V

レビュー

1.使用感

非球面ズミルクスは、フィルム、デジタル共に満足のいく結果を得られるが、絞り開放では解像感を感じるピント面の描写とそこからなめらかにボケていく像は写真がうまくなったような気にさせる。絞って使えばごく普通のレンズで絞り開放にこそ真価があるレンズだと思う。絞り開放の撮影は状況によっては近接時に後ろのボケがうるさくなる、絞り開放時の口径食でラグビーボールボケが発生するなどがっかりすることもあった。

ブラックもシルバーもヘリコイドはとてもスムーズで軽すぎるくらいの感触で、ピントの行き過ぎやシビアなピント合わせに苦労することはあったが、慣れてくると素早く操作できたので重すぎるヘリコイドよりはよいと思えることもあった。

ブラックとシルバーの両方を使用したが、シルバーは重く、ブラックは軽い、これは鏡筒素材が異なるための違いだが、レンズエレメントは同じなので両者の写りに差はない。

この非球面ズミルクスはフードが組み込まれており、フードを引き出して回転させることにより、フードを伸ばした状態でレンズに固定できる。
所有していたブラックのレンズはフード固定部分に異常がありフードが固定できなかったので修理に出した。修理後のフードはカチッと止まるように修理されており、使い心地はよかったが、フードが固定された状態でカメラを落とした場合、レンズのフードの固定部周辺が確実に壊れるため、ただの引き出し式でルーズなほうが安全な場合あるかもしれない。どちらが良いかは一長一短で、レンズを落とさないようにするのがもっともよいが、フィールドでは何があるかはわからない。

2.概要

ズミルックス M 50mm F1.4 ASPH.(オーダーナンバー:11891-black、silver-11892)は2006年にリリースされた非球面レンズを採用した標準レンズ。
写真のフード一体型モデルの他に、限定モデルとして初代ズミルックスを模した鏡筒のレンズ(オーダーナンバー:11628)も発売されている。

ブラックとシルバーは鏡筒素材が異なり、シルバーは真鍮製で460g、ブラックはアルミ製で335gと約100gの差がある。

2023年のリニューアル(オーダーナンバー:11728-black、silver-11729)では、最短撮影距離が0.45mへの短縮、絞り羽根枚数を11枚に増加し絞り形状を真円に近くするなど、細かい部分の仕様が変更されたが、リニューアルにともない販売価格はさらに上昇した。また、シルバーとブラックは塗装の違いだけになり、重量は同じになっている。

3.比較

ズミルックス M 50mmはライカ標準レンズのラインナップでは次男的なレンズで、長男のノクティルックスよりレンズは暗いが重量は軽く、三男のズミクロンよりは明るく重量は同等というスペックである。

他メーカーでは通常中途半端なレンズと言われる恐れがあるが、ライカでは独自のポジションを確立しており市場の需要も常にあり価格も安定している。
性能面ではアポ・ズミクロン 50mmというライカのレンズ階層を崩すようなレンズが発売されたが、アポ・ズミクロン 50mmの位置づけは通常のレンズラインとは異なっており、価格がノクチルックス 50mmと同等だったので、ズミルックス 50mmのポジションは維持されている。

ライカレンズの中では外観の佇まいが気に入っていたレンズで、真鍮製のシルバーとアルミのブラックの両方を使用したが、シルバーは無駄に重く、持ち運びを考えると軽量なブラックの方がよいと思う。

仕様・比較

レンズ名SUMMILUX M 50ASPH.SUMMILUX M 50 III型SUMMILUX M 50 I,II型
焦点距離(mm)505050
最大絞り1.41.41.4
最小絞り161616
絞り羽根枚数9 >11(New)1216 or 12
レンズ構成5群8枚5群7枚5群7枚
最短撮影距離(m)0.7 >0.45(New)0.71.0
レンズ長(mm)52.5 >59.3(New)54.5
レンズ最大径(mm)53.5 >58.6(New)47.7
フィルター径(mm)464643
フード内蔵内蔵XOOIM
12521
12586
重量(g)335(黒) >337(New)
460(銀) >337(New)
275(黒)
380(銀/チタン)
リリース年2006 >202319921961

参考文献・参考リンク

更新

  • 2024.11.3
  • 2023.03.02:改稿
  • 2023.06.15:初稿

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