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VISOFLEX兼用・LEITZ TELE ELMAR 13.5cm F4

LEICA MマウントをVISOFLEX-Mマウントに変換したTELE ELMAR 13.5cm F4をデジタル一眼レフカメラとミラーレスカメラで使用したのレビューと写真作例

目次

ギャラリー

写真作例の撮影は以下のカメラを使用した。

  • EOS-1Ds Mark-III
  • EOS 7D
  • HASSELBLAD X2D-100C

レビュー

1.概要

TELE ELMAR 13.5cm F4はライカMマウントのレンズで、Mマウントカメラので使用するほかにライカヘリコイド 16464 / OTZFOを使用することによりVISOFLEX-Mに変更できる。また、VISOFLEX-MはマウントアダプターLeica 14167を使用することで、ライカRマウントにすることができる。

最短撮影距離はヘリコイド16464 / OTZFOを使用すると0.9mで、オリジナルのMマウントヘリコイドを使用した場合は1.5m。16464 / OTZFOはこのレンズの他にELMAR 65mm F3.5でも使用できるヘリコイドだ。

フードは90mm/135mm共通の12575/IUFOOを使用する。持ち運び時には逆付けが可能である。

2.使用感

今回紹介しているTELE ELMAR 13.5cm F4は1992年以前の古いタイプで「16464 / OTZFO」VISO-Mヘリコイドがついた状態のレンズを数千円で入手した。別で購入したフード12575/IUFOOとレンズが同じくらいの価格だったと記憶している。今でもヘッド部分だけ売られているが、当時ほど安くな無くなっている。

このレンズは絞り開放値が4で、一眼レフカメラの通常ファインダーマットで使用する際はファインダー明るさに問題はないが、ピント重視のマットの場合は暗さを感じるかもしれない。

ピントに関しては、焦点距離135mmの長焦点レンズはレンジファインダーカメラの二重像合致ではピント精度が怪しいので使用しても仕方が無いと考えており、ライカMシリーズなどのカメラでは使用していない。

一眼レフカメラで使用する場合、絞り開放値がF4というそれほど明るくないため、日中のピント合わせについては問題は少ないが、夕方など照度が落ちた場面ではファインダー像が暗いためピントが合わせずらく、撮影に関してはシャッター速度が低下して手ブレを誘発する危険性がある。

次から個々のカメラでの使用感について述べる。

■ 一眼レフカメラ VISOFLEX

ここで述べるVISOFLEXはライカMデジタル用のEVFではなく、ライカMシリーズのレンジファインダーカメラに一眼レフのミラーボックスを追加する機構の総称である。VISOFLEXはデジタルM型ライカで使用することも可能だが、LEICA M typ240以降のデジタルM型カメラは電子ビューファインダーを装着してミラーレスカメラとして使用する方がピント精度がよくなるため、この機構を使うのはデジタルM型ライカではLEICA M8、LEICA M8.2、LEICA M9、LEICA M9-Pに限定されるだろう。

VISOFLEXは1型、2型、3型とあり、下写真は2型クイックリターンミラーバージョンという少し特殊なビゾフレックスである。

この機構を装着するとM型ライカにミラーボックスが装着され一眼レフカメラと同じように使うことができる。下写真のようにM型ライカの軽やかさは無くなり、かなり大きめの一眼レフカメラとなる。

VISOFLEXを経由して撮影しても、レンズ描写に関しては他のカメラと変わるところは無い。

LEITZ TELE ELMAR 13.5cm(135mm) F4 +LEICA M6 +VISOFLEX-2
LEITZ TELE ELMAR 13.5cm(135mm) F4 +LEICA M6 +VISOFLEX-2

■ デジタル一眼レフカメラ EOSシリーズ

本レンズをデジタル一眼レフカメラで使用する場合、16464 /OTZFOというショートヘリコイドを使用してVISO-Mマウントに変換し、さらにマウントアダプターLeica 14167使用することで、ライカRマウントに変換し、最後にLEICA R-EOSマウントアダプターを装着して、デジタルEOSへマウントできる。

この状態でEOSデジタルシリーズで無限遠から問題なく使用できる。
デジタルEOSは35mmフルフレームセンサー、APS-Hサイズセンサー。APS-Cサイズセンサーと搭載センサーが3種類あるが、いずれのカメラでも問題なく使用できる。レンズのイメージサークルが広いためセンサーサイズがもっとも大きな、EOS 1Ds Mk-IIIで使用した結果をみても周辺部まで減光やくずれが無い描写をするため、より小さなセンサーでは画像品質の向上が期待できる。

一眼レフカメラはファインダーから得られる画像を見てピント位置を決める必要があり、絞り開放値F4の本レンズはファインダーの明るさは無いが、ピント合わせはしやすい。

センサーサーズの異なるカメラでは35mm判換算焦点距離が変化し、EOS-1D Mark-IVは焦点距離換算係数1.3倍がかけられて176mm相当となり、EOS 7Dは焦点距離換算係数1.6倍がかけられて216mm相当となる。

LEITZ TELE ELMAR 13.5cm(135mm) F4 +CANON EOS 7D
LEITZ TELE ELMAR 13.5cm(135mm) F4 +CANON EOS 7D

■ ミラーレスカメラ

ミラーレスカメラはフランジバックが短いためライカMマウントの状態のままMマウント変換アダプターを使用してカメラに装着できる。

「16464 / OTZFO」VISO-Mマウントではデジタル一眼レフカメラに装着する際と同様にカメラに接続可能なマウントに変換すればよい。VISO-Mかた直接ミラーレスカメラに変換するマウントアダプターも売られている。

ピント合わせは電子ビューファインダーか背面液晶の拡大機能を使うことにより、一眼レフカメラより容易かつ正確に合わせることができるのは、他のマニュアルフォーカスレンズを使うときと同じだ。

よりセンサーの大きな中判デジタルセンサーを搭載したXASSELBLAD X2D-100Cで使用すると、35mm判換算で108mm相当となる。レンズのイメージサークルはデジタル中判カメラの44 x 33mmのセンサーサイズを完全にカバーしており、フィルム時代に645で問題ないと言われたイメージサークルの広さはその通りだ。

前ボケ、後ボケともに癖は無く、グルグル回るような怪しいボケ方はしない。F4でもピントは薄く合焦部を強調した撮影が可能である。上の写真は、レンズ本体+OTFZO(16464)+16466M+NOVOFLEX R-Xマウントアダプターの4段重ねとなっている。

LEITZ TELE ELMAR 13.5cm +HASSELBLAD X2D
LEITZ TELE ELMAR 13.5cm(135mm) +HASSELBLAD X2D-100C

レンズの無限遠から使用するためには、カメラのフランジバックが重要で、以下にライカマウントのフランジバックを記した。

マウントフランジバック備考
Lマウント20mm
Mマウント27.8mm
L39マウント28.8mmMマウントアダプターは厚み1mm
Rマウント47.4mmR-Mマウントアダプターは各社より提供
Sマウント53.3mmフランジバックの公式値が見当たらないため、CONTAX 645マウントの64mmからS-C645アダプターの厚み10.7mmを引いた値を記載する。
VISO-M68.8mm14127でRマウント
VISO-L3991.1mmOUBIO/16466でVISO-Mマウント

3.まとめ

結論としてTELE ELMAR 13.5cm F4をまとめると、Mマウントを取り外し他のマウントにコンバートして、一眼レフカメラかミラーレスカメラで使用するのがこのレンズの実力を発揮できる。

オリジナルのライカMマウント状態ではライカMカメラの二重像合致によるピント合わせが難しく、ファインダー枠も小さいので構図をつくりづらい。

レンズの描写は広いイメージサークルによって2020年代においても十分な性能を持っており、135mm単焦点レンズとしてお勧めできる。といっても、他のELMAR 135mm、HEKTOR 135mmもそれほど悪い描写しない。

F4と暗い135mm単焦点レンズをわざわざ使うのはかなり物好きと思われるが、草花、ポートレートには向いた焦点距離なので、単焦点の不自由さを存分に味あうことができる。

仕様と考察など

このレンズより新しい、1992年以降の新型鏡筒を持ったTELE ELMARは製造本数2700本でライカMマウント専用になり、フード組み込みのモダンな仕様だ。

ライカMマウントの90mm以上の焦点距離で製造年代が古いレンズはMマウントのヘリコイドからレンズ部分を分離することができる。分離したレンズは専用ヘリコイドを用いることにより、VISOFLEX-MかVISOFLEX-L39にマウントを変更することができる。

分離可能なレンズとしては、テレエルマー 13.5cm、エルマー13.5cm(F4とF4.5)、ヘクトール 13.5cm、エルマー 9cm、ズミクロン 90mm、エルマリート 135mmなどがある。

所有しているレンズは以前から、無限遠が怪しいと思っていたので、どこで寸法が狂っているのか確認したところ、レンズヘッドとOTFZO(16464)の隙間をカバーする保護リングの厚みが過剰であることがわかった。

下図にあるとおり、具体的には保護リングを取り除いてヘリコイドとレンズを装着した際の隙間は6.7mm、この状態で無限遠に合焦するため問題は無い。保護リングの厚みを測定すると保護リング無しのときの6.7mmより0.8mm長い7.5mmであったので、保護リングをレンズに装着するとレンズが0.8mm分最初から繰り出された状態になるので、レンズが無限遠で使用できないことがわかった。
保護リングはアルミ製なので、紙ヤスリで保護リングを少しずつ削りながら無限遠で撮影をして、保護リングを0.6mm削った厚み6.9mmのところで無限遠にて撮影できる状態になった。200番台の紙やすりでゴリゴリ削ったが、こういうとき旋盤など電動加工機があればよいなと思う。
保護リングがないときの6.7mmはオーバーインフ(無限遠を越える)状態のようだ。

項目テレ・エルマーエルマーヘクトールエルマー
焦点距離(cm)13.5
最大絞り44.5
最小絞り2232
絞り羽根101215
レンズ構成3群5枚4群4枚3群4枚
最短撮影距離(m)1.5
(M-mount)

(M-mount)

(M-mount)

(L39-mount)
レンズ長(mm)63.6
(VISOFLEX-M)
62.5
(VISOFLEX-L39)
63.6
(VISOFLEX-L39)
124
(L39)
レンズ最大径(mm)60525252
フィルター径(mm)39
レンズフードIUFOO
12575
レンズマウントVISO-MVISO-L39VISO-L39?
フランジバック(mm)4062.562.5?
重量(g)342
(VISOFLEX-M)
165
(VISOFLEX-L39)
247
(VISOFLEX-L39)
517
(L39)
製造本数28,300-25,900-108,088-5,500-
リリース年1964〜1960-19631933-1960cc

参考情報

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更新履歴

  • 2025.11.17
  • 2024.10.5
  • 2024.05.21
  • 2023.03.25

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