ZEISS IKON

ギャラリー

レンズはBIOGON ZM 25mm +フィルムはKODAK E100VS

レビュー

Zeiss IkonはコシナがツァイスブランドでリリースしたライカMマウント互換のレンズ交換式レンジファインダーフィルムカメラ。

シルバーとブラックのボディがリリースされ、専用のZMレンズもシルバーとブラックの2色を展開していたが、ドイツ製のディスタゴン15mmとゾナー85mmはブラックのみリリースされた。
本製品はリリースからすでに18年経っているが、2024年現在、新製品のリリースされないレンジファインダーフィルムカメラでは最新設計となる。M6復刻やM-Aがリリースされているが、昔のM6からほとんど変更点はないので、新製品とは言えないだろう。

ツァイスイコンは、基線長75mm（有効基線長55.5mm）で望遠側も正確なピント合わせが期待できるファインダーを装備するが、最望遠側のファインダー枠は85mmなのでライカユーザーは少し引っかかるポイントかもしれない。しかし、ライカユーザーは本機への関心は薄いだろうし、85mmと90mmの枠にほとんど差は無いというのも事実だろう。
ファインダー枠はZMレンズのラインナップに合わせて、28,85 / 35 / 50となっている。ライカのファインダーでは少しうるさく感じる75 / 135が無いおかげで、35と50の枠はすっきりしており好ましく感じる。

さまざまなレンズを装着して使用したが、いずれのレンズでも撮影時に大きな問題は感じなかった。
外装は完全な新規であるが、デザインテイストはライカM5を彷彿とさせる六面体のシンプルな形状で、フィルムの巻き上げクランクはカメラ下部に装備している。これはLEICA CL / MINOLTA CLEと同じスタイルだ。専用レンズなのであたりまえだがZeiss IkonとZMレンズの組み合わせがトータルコーディネートとして収まりがよい。過去のレンジファインダーカメラの特徴を煮詰めて昇華したカメラでとても好みだ。

カメラ機構としては、シャッター機構などはベッサと変わりが無い印象で、シャッターを切ったときの音は金属ブレードの乾いた音がする。ライカMの布幕シャッターのくすんだ郷愁を誘う音が好みの人にはうるさく感じらるだろう。

発売後少ししてほぼ定価で購入したため、2020年代に入ってからの、定価の2倍~3倍する中古カメラ価格は、使用するフィルムそのものの高騰もあり再度の購入は躊躇させる。

仕様・比較

カメラ	Rollei 35 RF	Zeiss Ikon	HEXAR RF
ファインダー	実像距離計式逆ガリレオ式透視ファインダー	←	←
ファインダー倍率	0.7倍	0.74倍	0.6倍
ファインダー枠	40 / 50 / 80	28 / 85、35、50	28/90、35/135、50/75
基線長(mm)	37	75	69.2
有効基線長(mm)	25.9	55.5	41.5
シャッター	機械制御式縦走りメタルフォーカルプレンシャッター	電子制御上下走行式メタルフォーカルプレーンシャッター	←
シャッター速度	1/2000〜1秒	1/2000〜1秒	1/4000〜16秒（オート） 1/4000〜1秒（マニュアル）
測光	中央部重点TTL平均測光	←	シャッター幕面、TTLダイレクト測光
バッテリー	SR44 x2 LR44 x2	CR-1/3N x1 SR44 x2 LR44 x2	CR2-3V 2本
外形寸法(mm) 幅 x 高さ x 奥行	135.5 × 81 × 25.5〜33.5	138 × 77.5 × 32	139.5 × 80 × 35
重量(g)	約440	約460	約560
リリース年	2002（2006終売）	2005.10	通常（1999.1） Limited（2001）

オプション

15mmファインダー
21mmファインダー
25mmファインダー
ハンドグリップ

専用レンズ

焦点距離	名称	リリース年
15mm	DISTAGON	2005.E
18mm	DISTAGON	2007.8
21mm	C-BIOGON	2007.6
21mm	BIOGON	2005.10
25mm	BIOGON	2005.7
28mm	BIOGON	2005.4
35mm	C-BIOGON	2008.5
35mm	BIOGON	2005.3
50mm	PLANAR	2005.1
50mm	C-SONNAR	2006.8
85mm	SONNAR	2006.?
85mm	TELE-TESSAR	2009.4