LEICA APO SUMMICRON M 90mm ASPH.

Mマウント・非球面レンズ採用・中望遠レンズ

アポ・ズミクロン M 90mm F2 ASPH.のレビューと作例紹介

目次

ギャラリー

  • アポ・ズミクロン M 90mmの写真作例の撮影は LEICA M9

レビュー

1.使用感

アポ・ズミクロン M 90mm(以下、アポズミ90M)はライカMマウントの中望遠レンズ。

しかし、他のレンジファインダー用90mmと同様にライカ・デジタルM9のファインダーでは、絞り開放の極小のフレーミング窓でのフレームあわせと、ピント精度がアポズミクロン75mmと比べて厳しかった。

この使い方は好みではないが、フレーミングとピント位置に関しては、である、LEICA M typ240以降のデジタルM型カメラであれば、後付けEVFを使うことにより撮影中にピント位置の拡大表示ができるためピント精度に不安はなくなった。望遠レンズを使うには良い選択かもしれないが、わざわざレンジファインダー機構をもつカメラに後付けでEVFを付けて使うスタイルは、だったら最初からライカ SLシリーズで使う方がカメラ自身もすっきりしており合理的な選択だと感じる。

フードは組み込みで、フード自身は25mm程度あるが、実際に機能しているのは14mm程度である。同スペックのレンズである、ライカRマウントのアポ・ズミクロン R 90mm(以下、アポズミ90R)は、フード長が19mm程度で実際に機能するのが10mm以下なのでそれよりは遮光効果がある。

アポズミ90Mはアポズミ90Rが入手できなかったので購入したが、その後、めでたくアポズミ90Rが入手できた。タイミング次第ではこのレンズを使うことはなかったかもしれない。両方持っていても仕方がないので、どちらのアポズミ90を残すか悩んだすえ、Rマウントレンズのアドバンテージである最短撮影距離 0.7mとフランジバックの長さによる汎用性の高さから、アポズミ90Rを手元に残すことにした。

2.レンズ概要

アポズミ90Mは、1997年にリリースされたレンズで2024年も現役で販売されている。

レンズは5群5枚とシンプルながら非球面レンズを採用し、鏡筒デザインも2000年代のライカモダンレンズの標準に準拠している。フードは組み込み式で引き出すと14mm程度のフード長さがある。

レンズ認識6bitコードはコード無しのレンズには追加することができる。製造年代によっては販売時点でコードが付加されたレンズもある。

3.競合との比較

焦点距離90mmはフォクトレンダー アポランター L39 3.5 / 90mm、ズミクロン M 2 / 90mm、マクロエルマー 90mmなどを使用していたが、いずれもレンジファインダーカメラではピント精度の問題と使用頻度が低く長く手元にはなかった。

MマウントとRマウントのAPO-SUMMICRONを同時に所有していたとき、両方を持って撮影に出かけた際の似た画像を掲載する。撮影位置が微妙に異なることで厳密な比較はできないが、細部を見るとそれぞれに個性がある。

アポズミ90Mは、長らくM型90mmとしては最新でもっとも明るいレンズであったが、ズミルックスM f1.5/90mm ASPH.(以下、ズミル90M)が2019年12月21日に発売されたことによりその座を降りることになったが、ズミル90Mは150万円と相当覚悟のいる価格となっており、手軽に高性能な望遠レンズを求める際はアポズミ90Mは選択肢となり得る。

アポ・ズミクロン R 90mm ASPH.
アポ・ズミクロン M 90mm ASPH.

仕様・比較

項目APO SUMMICRON RAPO SUMMICRON MSUMMICRON RSUMMILUX M
焦点距離(mm)90.990
最大絞り21.5
最小絞り16
絞り羽根811
レンズ構成5群5枚4群5枚6群8枚
最短撮影距離(m)0.71.00.71.0
レンズ長(mm)59.3(Rマウント)78(Mマウント)61.4(Rマウント)91
レンズ最大径(mm)71646974
フィルター径(mm)605567
重量(g)5206605221010
リリース年2002〜20031997〜1970〜19952019.12.21
製造本数200014,820
(〜2005まで)
37,954

参考文献・参考リンク

更新履歴

  • 2024.9.19
  • 2024.02.20:改稿
  • 2022.05.02:初稿

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