M改造・Planar T* 45mm

M改造・Planar T* 45mm

Kyocera CONTAX PLANAR T* 45mm F2をMs-OpticsでライカMマウントに改造したレンズをデジタルカメラで使用したレビューと写真作例

目次

ギャラリー

  • 写真作例の撮影は、HASELBLAD X2D
  • 写真作例の撮影は、Leica M-P typ240
Before imageAfter image

レビュー

1.概要

Mマウント改造プラナー 45mmは、1994年に京セラがコンタックス G1とともにリリースしたオートフォーカスレンズ。ここでは、Ms-optics(宮崎光学)にてライカ Mマウント(レンジファインダーカメラ距離計連動)に改造されたレンズについて紹介する。

本レンズはCONTAX G1、CONTAX G2でも使用していたが、それらを売ってしまったあと、MS-Optics(宮崎光学)にてライカ Mマウントの距離計連動に改造されたレンズを購入した。レンズ購入の経緯については余談に記した。改造レンズはMS-50という50mm用の共通ヘリコイドを使用している。

オリジナルレンズとMs-optics改造レンズの主な違いは以下の4点である。

  1. フード、フィルター枠の固定方式
    • オリジナルレンズはフィルターを装着する鏡筒前部は直進移動するため、フォーカス時にフィルターが回転しないため、PLフィルターを使いやすい
    • 改造レンズはフォーカス時にフィルターを装着している鏡筒が回転するため、PLフィルターを使いづらい
  2. 絞りのクリックストップ
    • オリジナルレンズは1絞り毎にクリックストップがある
    • 改造レンズはF2.8~16まで無段階絞り
  3. M型ライカ・距離計連動
    • オリジナルレンズはGマウントなため連動しない
    • 改造レンズはライカM型カメラの距離計に連動する
  4. 最短撮影距離
    • オリジナルレンズは0.5m
    • 改造レンズは0.7m

2.使用感

レンズ構成は古典的なプラナー構成でコーティングも古いためか逆光時など光線状態によっては、被写体周辺にパープルフリンジが出ることもある。描写は全体的にオールドレンズの趣がある。

改造レンズは絞り環がレンズの前方で鏡筒の一番太い部分にあり、カメラバックから取り出したときに位置が変わっていることがよくある。そのため、絞り環がもう少し硬ければより使い易い。

M型ライカとの距離計連動は問題なく、二重像の合致で正しいピント位置を得ることができる。ピント位置が狂っている場合は、Ms-Opticsで調整可能と思われるため、Ms-Opticsに連絡して確認するのがよい。

焦点距離45mmは、M型ライカのファインダー枠はない。外付けファインダーも45mmは見かけない。
ライカMのファインダーで使用するときは50mm枠を見ながら少し大きく撮れるイメージで撮影すると概ねイメージ通りに撮ることができる。
ミラーレスカメラの電子ビューファインダーを使用する際は、レンズ越しの映像がダイレクトに描写されるので、ファインダー枠の問題はない。

3.まとめ

結論としてMマウント改造プラナー 45mmをまとめると、描写はオリジナルのプラナー 45mmとかわらない。
レンズの変更点はM型ライカの距離計連動することで、M型ライカの距離計連動でGマウントのプラナー 45mmを使いたい場合は、Ms-Opticsか他社で改造されたレンズを使う必要がある。

ミラーレスカメラで使う場合は、改造レンズを用意する必要は無く、オリジナルのGマウントを使用したいカメラ向けにマウントアダプターが販売されているか確認すればよい。
ソニーE、マイクロフォーサーズ、フジフィルムX、キヤノンRF、ニコンZ、Lマウントなど、ほとんどのミラーレスカメラ向けにアダプターが販売されており、アダプターの在庫が市場にあるか次第となる。

・余談

このレンズの入手経緯の詳細だが、2007年頃に今は無き新橋の中古カメラ屋店頭でレンズを見かけた。フィルムカメラのCONTAX G1、G2ですでに使用しており、Gマウント版で写りに不満がないことはわかっていたため、プラナー 45mmをMマウント・レンジファインダーカメラで距離計連動で使用できるという魅力に負けて、Mマウント化された本レンズを購入した。
購入したレンズを自宅でカメラに装着して、ピント合わせをおこなったところ、レンズ鏡筒とヘリコイドの固定が甘く、レンズ鏡筒がヘリコイドから脱落してしまうという不良品だった。
購入したレンズに同梱されていた改造レンズの診断書に、改造者の連絡先が書かれていたため、Ms-Optics創業者の宮崎貞安氏へ連絡し、レンズを無償で修理していただいた。
このときから当時は個人レンズビルダーであった、宮崎氏とのお付き合いが始まった。とても思い出深いレンズである。

このレンズの入手を皮切りに、プラナー35mm、ビオゴン21mm、ホロゴン16mm、ゾナー90mmとGマウントレンズをMマウントへ改造していった。

これら、Mマウント改造レンズは、その後デジタルライカMカメラを入手したことにより、より手軽に使えるようになり、他ブランドのMマウントのレンズは売ったり買ったりしているが、Gマウント改造レンズはずっと手元に置いて使用している。

Gマウント→Mマウント改造レンズ仕様一覧

CONTAX GレンズのMマウント改造は、海外でもおこなう業者がおり、改造レンズだけでなくヘリコイドだけを販売しているところもある。詳細は参考リンクのWebサイトを参照のこと

項目HOLOGONBIOGONBIOGONPLANARPLANARSONNAR
焦点距離(mm)16.52128354590
最大絞り8(固定)2.82.8222.8
最小絞り16(フィルター装着)2222161622
絞り羽根76768
レンズ構成3群5枚7群9枚5群7枚5群7枚4群6枚4群5枚
最短撮影距離(m)0.30.70.80.70.71.0
レンズ長(mm)1135.530.531.538.563.0
レンズ最大径(mm)575956565656
フィルター径(mm)– 専用NDフィルターあり5546464646
重量(g) Mマウント124151194 (222)*1115161219 (259)*1
フードなしサードパーティGG-1GG-1GG-2GG-3
マウントライカ Mライカ MLEICA L39ライカ Mライカ Mライカ M
改造者Ms-opticsMs-opticsAVENONMs-opticsMs-opticsMs-optics

参考文献・参考リンク

更新履歴

  • 2025.4.13
  • 2024.8.1
  • 2024.02.16:改稿
  • 2022.03.03:初稿

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