Rollei 35 RF フィルムカメラ
ローライブランドのベッサ
ローライ製フィルムカメラ・ローライ35 RFのレビューと写真作例
目次
ギャラリー
- レンズ: BIOGON-ZM 35mm /PLANAR-ZM 50mm /NOKTON40mm
- フィルム:FUJIFILM PROVIA100F /KODAK SINBI200 /KODACHROME-64 /FUJIFILM SENSIA3-100
レビュー
1.概要
ローライ35RFはローライ社がコシナに依頼してリリースされたライカMマウント互換レンジファインダーカメラ。
ファインダー、シャッター、巻き上げなど機関部はBESSA R2と共通で、外装を含む意匠とファインダー枠が異なるだけである。この後にリリースされるZeiss Ikonレンジファインダーカメラと比べるとそれほど金のかかった企画ではない。ローライはコシナがそのまま商標を得るかとも思ったがそうはならなかった。
ファインダー枠は40/50/80とライカMで一般的な28/35/50/75/90/135とは異なるが、もともと87%程度の視野で、パララックスの影響もあり枠は目安に過ぎないため、枠に適合しないレンズでも大きな問題はないと思う。
露出計動作のために電池が必要なのはベースとなるベッサと同じで、LR44 / SR44を2個使う。
2.使用感
ローライ35RFを入手した経緯は、HEXAR RFと交代で使うライカMマウントフィルムカメラを探しているときに、BESSA系を候補に物色しているとき、新宿のヨドバシカメラでSonnar 40mm F2.8レンズとともに半額程度の特価になっているのに出会った。そう高くもなかったので購入して、その場でフィルムを装填して撮影した。
デジタルカメラの場合は、適合バッテリーを所持しているか、バッテリーが充電されていなければ使うことはできない(最近はモバイルバッテリーで充電できたりもするとでカメラへの充電はしやすくなった)がフイルムカメラは市販の電池で動作するので気楽に使い始めることができた。
使用感はベッサと同じで、ファインダー枠が40/50/80の切り替え式になっていることが違うくらいだ。ベッサの標準的なファインダー枠は35/50/90となっている。
印象に残る出来事としては、数本のフィルムを消費して、このカメラに慣れてきた頃、撮り終えたフィルムを現像のために巻き上げていたら、カメラの巻き上げレバーに接続したシャフトのギヤが粉砕して壊れた。ギヤが壊れたためフィルムは巻き上がらなくなったので、その場ではどうしようも無いので、新宿ヨドバシカメラに行き暗箱の中でフィルムをケースに戻していただき、そのまま現像し、カメラは保証期間内だったので修理をお願いした。修理にはそれほど時間はかからなかったので部品提供元で修理されたと思われる。
破損の原因となったフィルム巻き上げだが、荒く巻いたつもりないが、こういう壊れ方もするのだなと勉強になった。自動巻き上げはカメラ側で適正なトルクで巻き上げてくれるため、楽ちんだとあらためてHEXAR RFを見直した。修理後にふたたび壊れるのも面倒なので、修理品を受け取ったあと使用せず売ってしまった。
3.付加情報:ローライブランド
ローライ社としては、企画倒れになったプラナー50mmのリリース準備をしているところを見ると、売れればこのシリーズを続けるつもりはあったのだろうが、残念ながら当時はそれほど売れずシリーズは続かなかった、後述するように末期は特価で投げ売りされた。
2024年時点ではリリース済みのLマウントレンズ2本はかなり高価で取引されている。とくに80mmはそれほど使い道が浮かばないがとにかく高価だ。
全くの余談だが、このカメラが市場に投入された時期は倒産をへても再生の道筋が見えない時代で様々な手段で商売をしようとしていたことの一環のようだが、倒産後からブランドを引き継いだ会社はRolleiブランドをつけて物を売るだけの存在でRolleiブランドは漂流し続けている。
Rolleiの歴史は参考リンクにある英語Wikiに詳細が綴られている(日本語Wikiは説明が少ない)。
ライカはセレブ資本に助けられ、ハッセルブラッドは中華資本に助けられ、両者はうまく立ち回っているように感じる。
仕様
カメラ | Rollei 35 RF | Zeiss Ikon | HEXAR RF |
ファインダー | 実像距離計式逆ガリレオ式透視ファインダー | ← | ← |
ファインダー倍率 | 0.7倍 | 0.74倍 | 0.6倍 |
ファインダー枠 | 40/50/80 | 28/85、35、50 | 28/90、35/135、50/75 |
基線長(mm) | 37 | 75 | 69.2 |
有効基線長(mm) | 25.9 | 55.5 | 41.5 |
シャッター | 機械制御式縦走りメタルフォーカルプレンシャッター | 電子制御上下走行式メタルフォーカルプレーンシャッター | ← |
シャッター速度 | 1/2000〜1秒 | 1/2000〜1秒 | 1/4000〜16秒(オート) 1/4000〜1秒(マニュアル) |
測光 | 中央部重点TTL平均測光 | ← | シャッター幕面、TTLダイレクト測光 |
バッテリー | SR44 x2 LR44 x2 | CR-1/3N x1 SR44 x2 LR44 x2 | CR2-3V 2本 |
外形寸法(mm) 幅 x 高さ x 奥行 | 135.5 × 81 × 25.5〜33.5 | 138 × 77.5 × 32 | 139.5 × 80 × 35 |
重量(g) | 約440 | 約460 | 約560 |
リリース年 | 2002(2006終売) | 2005.10 | 通常(1999.1) Limited(2001) |
オプション
- 40mmファインダー
- ワインダー
- 専用レンズ
焦点距離 | 名称 | リリース年 |
40mm | Sonnar 40mm F2.8 | 2002年 |
50mm | Planar 50mm F1.8 | – |
80mm | Planar 80mm F2.8 | 2002年 |
参考文献・参考リンク
更新履歴
- 2024.2.8:改稿
- 2023.04.20:初稿