SIGMA SD1 / SD1 Merrill
シグマ製デジタルカメラ・SD1 / SD1 Merrillを使用した記録
<ギャラリー>
<カメラの印象>
SD1はシグマが2011年に70万円の価格で売り出したデジタル一眼レフカメラ。
70万で買うお金持ちは気にしないだろうが、2012年に20万円へプライスダウンしてSD1 Merrillと改名して発売された。
SD1はSD15発売(2010年)からの間隔を考えると開発リソースの小さなカメラメーカーにしては発売間隔が詰まりすぎているため、SD15とSD1は並行開発されており、SD15の開発は遅れSD1は予想以上に早く発売できる形になってしまい、あまり戦略を練らずに発売されたように思われる。
メーカーイメージなど気にしない社風なのかも知れないけれど、SD1 Merrilの価格で発売できる2012年までSD1を温存しておいたほうが、シグマのイメージは良かったと感じる。所詮、結果論だがシグマのチグハグな販売戦略は時々ユーザーを困惑させる。これに懲りたのか、sd quattroのときはのちにハイ画素バージョンのHがあることがアナウンスされていた。
リリース当初はSD1を買う気にはならなかったので、SD1 Merrillになってから手に入れたが、M42レンズを使用したときに盛大な緑被りをして心が冷めた。
SD1はSAレンズしか使わないと決めて、いくつかのレンズを買い、白樺峠の鷹の渡りにも持ち出したが、それ以外ではあまり使うことはなく、撮影の主力がライカデジタルに移行していたので少し遊んで売ってしまった。
SD1はSD15の約9倍の情報を処理するためSD15の軽快さはなくなり、SD10へ先祖返りしたような印象をうけた。1500*3のFoveonセンサーは昼間専用という言葉が似合うピーキーで神経質な素子だった。ライカのローパスレス画像に慣れたせいか、実画素1500万画素まで増えた感動は薄く、撮影時のブレに敏感なことと縮小画像ではベイヤーとの差を認知できなくなってきたことも使い込む前に手放した。中古でSD1が格安だったので購入して使ってみたところ、当然のようにSD1 Merrillと何ら変わらなかった。背面液晶にMerillの文字が入っていないSD1は貴重だろうから置いておいても良かったかなとは思う。今見ても昼間の写真は解像しすぎるぐらい解像しており、Foveonの実力を垣間みられる。

<カメラの仕様>
第3世代Foveonセンサーを搭載したデジタルカメラ。
SD1の名の通りSIGMA一眼レフの頂点で、2022年現在シグマ最後の一眼レフカメラである。
センサーサイズがAPS-Cサイズになり、1450万画素 x3で実画素は1450万画素だが、JPEG記録とSIGMA PhotoProでは画素を合成してより高画素の出力もできた。
バッテリーは、SD14/15から変更なくBP-21、途中で型番がBP-22に変更された。両者の違いはバッテリー容量の違いで、BP-21は7.4V-1500mAh、BP-22は7.4V-1200mAhとなっている。このバッテリーは形状互換品が多く、コニカミノルタのNP-400(7.4V-1500mAh)、ペンタックスのD-LI50(7.4V-1620mAh)が同一形状である。容量はシグマのBP-22が最も少ない。中華製の互換バッテリーは7.4V-2300mAhと記載があるが真にその容量があるかは不明である。
項目 | SD1 | SD1 Merrill | 備考 |
カメラ有効画素数 | 約1,406万画素 (2,652×1,768×3層) | 同左 | |
マウント | シグマSAバヨネットマウント | 同左 | |
撮像素子 | FOVEON X3®(CMOS)・23.5×15.7mm | 同左 | |
背面液晶 | 3.0型・46万ドット | 同左 | |
ファインダー | ペンタプリズム式一眼レフファインダー | 同左 | |
バッテリー | リチウムイオンバッテリー(BP-21 / BP-22) | 同左 | |
外形寸法(mm) | 幅 x 高さ x 奥行 145.5 × 113.5 × 80.0 | 同左 | |
重量(g) | 約700g (電池除く) | 同左 | |
リリース年 | 2011年6月10日 | 2012年3月9日 |
<オプション>
- 縦位置グリップ・PG-31
<参考文献・リンク>