SONNAR 210 for CONTAX 645
テレコンを足すとサンゴローに化ける望遠レンズ
SONNAR 210mmのレビューと写真作例
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目次
ギャラリー
- 写真作例の撮影はLEICA S typ007
レビュー
1.使用感
ゾナー210mmは京セラが中判カメラ・コンタックス645向けにリリースした焦点距離210mmの望遠レンズで、ライカSシリーズで使用すると、35mm判換算で0.8倍の170mm相当のレンズとなる。オリジナルのコンタックス645フィルムカメラでは0.6倍の126mmになる。
F4と控えめの絞り開放値であるため、絞り開放から十分な解像度を持つことが確認できる。前後のボケも癖がなく美しい。
このレンズの特徴の一つは最短撮影距離が短いことで、最短撮影距離1.4mはCONTAX 645レンズラインでは1つ下の焦点距離であるSonnar 140mm(1.3m)と遜色なく、焦点距離210mmと相俟ってかなり被写体に寄ることができる。
オートフォーカス(以下、AF)のフォーカス速度はゾナー 140mmとほぼ同じで、合焦精度もそれほどよくない特徴も同じである。近接や被写体のコントラストが低い場合、合焦位置を通り過ぎて往復することがありマニュアルフォーカス(MF)で割り込みをするか、最初からMFを使った方がストレスが少ない。
このゾナー210mmの中古価格は恐ろしいほど値崩れしており、性能のよい望遠レンズを求める場合、マウントアダプターを込みでも安く入手できると思われる。SONY E向けではフォーカルレデューサー(0.7倍)を内蔵したAF対応アダプターもあり、35mmセンサーでオリジナルに近い画角を楽しむこともできる。
2.レンズ概要
ゾナー 210mm F4は、4群7枚のレンズ構成を持ち、レンズのイメージサークルは645フォーマットに対応しているため、ライカSの45x30mmセンサー、35mmフルサイズセンサーを余裕でカバーする。
ゾナー 210mmをLEICA S Typ007へ16038 [ライカ SアダプターC]を経由して装着すると約2.7kgとなりかなり重く感じる。LEICA Sシリーズで使う場合はテレコン・Mutar T* 1.4xも使用可能だがMutarを装着すると、さらに510gが足されて合計で3kgを超えてくる。このMutarを使用した場合、焦点距離は294mm(35mm換算235mm)、開放F値5.6と、いわゆるサンゴロー(300mm F5.6)と呼ばれるレンズとなる。レンズに絞り環を装備しているが、ライカSで使う場合は絞り環は無視され、カメラ側で絞り値を設定して撮影する。
レンズフードは専用品(GB-74)が用意されている。
3.競合との比較
ゾナー210mmは、ハッセルブラッドのHC 210mmとスペックが近いので比較し他表はこちらで、ゾナー210mmのレンズ構成は4群7枚でハッセルブラッドHC210の6群9枚と比べるとシンプルな構成である。HC210mmと比べると外径と重量は10%程度小さく軽いが、比較写真で見るとわかるとおりゾナー 210mmはHC210mmよりレンズ鏡筒が長い。
HC210mmはその太さゆえに大柄に感じられ、重量もシャッターユニットが入っているため、ゾナーよりシステム重量は重くなる。所有しているHC 210mmはハッセルブラッド X2Dでは問題なく使用できるが、LEICA Sでは使用できないレンズだ。何故使用できないかは不明である。
仕様・比較
レンズ名 | SONNAR210mm | HASSELBLAD HC 210mm |
焦点距離(mm) | 210 | 211.1 |
最大絞り | 4 | 4 |
最小絞り | 45 | 45 |
レンズ構成 | 4群7枚 | 6群10枚 |
最短撮影距離(m) | 1.4 | 1.8 |
レンズ長(mm) | 177 | 168 |
レンズ最大径(mm) | 81 | 86 |
フィルター径(mm) | 72 | 77 |
重量(g) | 1178 | 1320 |
リリース年 | 1999以降 ボディと同時発売かは不明 | |
価格 | 250,000円 2023年中古価格は3万円〜 | 2023年中古価格は10万円〜 |
参考文献・参考リンク
更新履歴
- 2024.9.2
- 2024.2.11:改稿
- 2023.05.10:初稿