非球面採用・最広角 SUMMICRON 28mm

SUMMICRON M 28mm F2 ASPH.をライカMデジタルカメラで使用したレビューと写真作例
目次
ギャラリー
- LEICA SUMMICRON-M 28mm F2の写真例(全写真 LEICA M9-P)
レビュー


1.概要
ズミクロン M 28mm ASPH.は2000年にリリースされ、ライカMマウントレンズの焦点距離28mmで、はじめて非球面レンズを採用したレンズだ。半段暗いエルマリートは2006年の5代目で非球面レンズを採用する。Rマウントの焦点距離28mmはズームレンズのVARIO ELMAR 21-35 ASPH.のみ非球面レンズを採用しており、単焦点のエルマリートには採用が無い。
ズミクロン M 28mm ASPH.のフード(12451/12547)は、Mマウントの4代目エルマリートと共通である。
フード型番が2つあるのは、12547が先行して販売された4代目エルマリート向けのM2.8/28 刻印のみで、12451は、ズミクロンとエルマリートのM2/28 , M2.8/28 ダブル刻印となっている。
ズミクロンの発売に合わせて、アクセサリーの型番変更をするのはライカらしいと言える。中古で見かけたら確認してみるといいかもしれない。
レンズ認識6bitコードはコード無しのレンズに追加することができる。旧型でも製造年代によっては6bitコードが付加されたレンズもあり、リニューアル後のレンズはすべて6bitコードが付加されている。
ズミクロン28mmは2016年に外装をリニューアルしてフードが従来のフック式から、最新ライカのトレンドにあわせた、ねじ込み式に変更された。リニューアル版もレンズ構成は変更なくリリース当時から完成度の高いレンズだ。
2.使用感
ズミクロン M 28mm ASPH.は、購入のした時期は、4代目エルマリートとズミクロンが市場にありどちらを買うかを悩んだ。その当時は2つのレンズの価格差は5万円程度だったため、少し明るいズミクロンを選択した。その後も縁無く4代目エルマリートは使用していない。
高いISO感度が使いづらい LEICA M9-Pでは、エルマリートより半段明るいこのレンズは相応の価値があった。
低いISOのまま夕暮れなどの光の少ないシチュエーションでの撮影においてこの半段は貴重と言える。
しかし、絞り開放のボケ味は焦点距離28mmであるためF2とF2.8で劇的には変わらないため、高いISO感度が利用可能な現代のデジタルカメラでは微妙な存在と言える。
写りは撮影画像に先鋭な解像感を感じる現代レンズでLEICA M9-Pで使ったかぎり大きな不満はない。
しかし、所有していたレンズ特有の問題かも知れないが、逆光耐性が今一つで被写体正面に太陽が入る厳しい条件ではゴーストかフレアによる玉状の怪しい光が写ることがあった。
初期型ズミクロン28mm付属のフードは分厚いプラスチック製で見栄えは良くなく、リニューアル後の薄い金属製のねじ込み式フードはレンズとの統一感もあり、全体的にスタイリングがよくなった。
ライカレンズ全般に言えることだが、2025年現在はズミクロンもずいぶん値上がりしてしまい高嶺の花になっている。
3.まとめ
結論としてズミクロン28mmをまとめると、このレンズはデジタルカメラの時代になり微妙な位置づけのレンズになってしまった。撮影だけを考えると積極的にズミクロンを選択する動機は見いだしづらい。
しかし、ズミクロンという名前の魔力により、わずか半段の差でもこちらを選びたくなるのは、ライカ廃人の性の一つと言えるかもしれない。
仕様・レンズ比較
ズミクロン M 28mm ASPH.は、先述の通り非球面レンズを採用したのが大きな特徴で、先行してリリースされた4代目エルマリート 28mmとほぼ同じサイズで、鏡筒デザインもほぼ同じだけれど、レンズ構成の違いから内部構造は大きく異なる。
2つのレンズの違いは、絞りリングのデザイン、絞りの最小値がズミクロンはF16、鏡筒長が公称で0.6mm異なっている。
- レンズ構成図は各社の配付資料から引用し、サイズはこちらで調整しているため厳密ではない。


項目 | ズミクロン | 4代目 |
焦点距離(mm) | 28 | 28 |
最大絞り | 2 | 2.8 |
最小絞り | 16 | 22 |
絞り羽根 | 10 | 8 |
レンズ構成 | 6群9枚 | 7群8枚 |
最短撮影距離(m) | 0.7 0.4(New) | 0.7 |
レンズ長(mm) | 40.8 | 41.4 |
レンズ最大径(mm) | 52.5 | 52.5 |
フィルター径(mm) | 46 | 46 |
レンズフード | 角形フック式フード 12451 スクリュー式(New) | 角形フック式フード 12451 |
マウント | ライカM | ライカM |
重量(g) | 270 | 260 |
製造年 | 2000〜 | 1992-2006 |
製造本数 | 5500以上 | 10,130 |
参考リンク
- LEICA WikiによるSUMMICRON-M 2/28・説明ページ
- 初代ELMARIT-M 2.8/28紹介ページ(Shige’s hobby内リンク)
- 2代目ELMARIT-M 2.8/28紹介ページ(Shige’s hobby内リンク)
- 3代目ELMARIT-M 2.8/28紹介ページ(Shige’s hobby内リンク)
- 5代目・非球面ELMARIT-M 2.8/28紹介ページ(Shige’s hobby内リンク)
- SUMMICRON M 28mm紹介ページ(Shige’s hobby内リンク)
更新履歴
- 2025.4.24
- 2024.02.20:改稿
- 2022.05.05:初稿
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