ライカ製M単焦点最広角 SUPER ELMAR M 18mm

スーパーエルマー M 18mm F3.8のレビューをデジタルカメラとフィルムカメラで使用した写真作例
目次
ギャラリー
- 写真作例の撮影はLEICA M9、LEICA M6 TTL +FUJIFILM Velvia100
レビュー


1.概要
スーパー・エルマー・M 18mmは2009年にリリースされた単焦点の広角レンズ。
レンズのサイズは一眼レフカメラ向けレトロフォーカス型の超広角レンズと比べると小さいけれど、レンジファインダーカメラ向けとしては大きい。
フードは2000年代のライカデザインを踏襲した、ねじ込み式となっており、正位置で止めるためにねじ込みの端に切り欠きつけられている。しかし、所有していたレンズではネジが緩かく最後まで回して正位置に止めてもカメラバッグの中でフードが回って落ちそうになることがあった。仕方が無いのでテープで軽く仮止めして使っていた。
また、フードの代わりに取り付ける、純正のフィルターホルダー(コード番号:14484フィルターアダプター)はフィルター径がE77(77mm)と大径フィルターを装着することになるため、レンジファインダーカメラのコンパクトさがスポイルするので購入はしたが撮影では使用しなかった。

フード、フィルターアダプターの両者はともに使いづらかったので、最終的にはサードパーティ製のねじ込み式UVフィルタを購入した。このフィルターはフードを取り付けるネジ部分に取り付ける形になっており、ケラレ対策のためフルターの先頭の径は純正フードのネジ径よりも大きいので純正フードを取り付けることができない。
LEICA M8/M8.2では、専用のUV/IRフィルター(コード番号:13422)が提供されており、フードをレンズ先端にねじ込んで装着してから、さらにフードをねじ込むことができるようになっており、フィルターとフードを両立させることができる。
しかし、35mmフルサイズセンサーの場合、このフィルターが使用できない。それは、このフィルターはLEICA M8 /M8.2のAPS-Hサイズセンサー向けに最適化されており、35mmフルサイズセンサーで使用すると画像の四隅がけられてしまう。
2.使用感
スーパー・エルマー・M 18mmはライカMマウントのライカ純正単焦点レンズで最も広い焦点距離をもつレンズで、描写は絞り開放の描写は少しゆるいけれど、絞ればシャキッとしてくる。
デジタル時代のレンズにみられる、収差補正をデジタル処理前提としたレンズとは異なり、収差を光学的に補正する方向で設計されたレンズだ。とくに同時期にリリースされたカール・ツァイスのディスタゴン 18mmと比較すると収差補正はよくできている。
それでも、被写体との距離感によっては歪みの補正不足がみられることがあり、光線状態によっては周辺光量不足を感じる撮影結果もみられる。
レンジファインダーカメラでは、焦点距離18mmは外付けファインダーを利用することになる。
ライカ純正の外付けファインダーとコシナ・ツァイスの外付けファインダーを使いくらべたところ、コシナ・ツァイス製の方が倍率が高く見やすかった。
撮影時はサードパーティ製のねじ込み式フィルターを使っており、フードは使わなかったけれど逆光で苦労した記憶はない。
スーパーエルマー18mmは最短撮影距離が0.7mであるため、撮影していても同じような引きの風景が多くなりがちで、周りを取り込みすぎるレンズにおいて、無限から0.7mの間で変化をつける表現をみつけることができなかった。
上記のような制約も受け入れた上で使い方を探る必要があるレンズだ。
3.まとめ
結論としてSUPER ELMAR 18mm をまとめると、超広角レンズとしては一般撮影に不満のない補正はできており、絞れば不満の無い描写をする。しかし、絞り開放では少し柔らかな写りをする。
このレンズはレンジファインダーで使用する広角レンズの面白さと難しさを実感できる。一般的な撮影では焦点距離21mm付近までが構図のつくりやすさから使い易いと感じる。
Rマウントのレンズを集めているため、一眼レフの超広角レンズを使用すると最短撮影距離0.3m程度まで寄れることに頼ってしまい別の意味で単調な表現になりがちだ。けっきょく無限から0.3mという撮影範囲は増えても、それほど撮影結果にバリエーションが増えていないのは自身の撮影者としての想像力が不足していることがわかる。
仕様・レンズ比較
同焦点距離であるSUPER ELMAR 18mmとDISTAGON 18mm ZMを比較すると、最大径はDISTAGONが大きく、全長はSUPER ELMAR 18mmが長い。両レンズ共にレトロフォーカス型広角レンズなのでレンジファインダーレンズとしては大型なレンズとなる。
撮影結果の印象としては、スーパーエルマーは軟調で柔らかな画像を描き出し、ディスタゴンの平坦な画像とは性格の異なるレンズだ。
- レンズ構成図は各社のPDFより引用、サイズはこちらで調整している。


製造 | LEICA | Carl Zeiss |
名称 | SUPER ELMAR M 18mm | Distagon 18mm ZM |
最大絞り | 3.4 | 4 |
最小絞り | 16 | 22 |
絞り羽根 | 9 | 10 |
レンズ構成 | 7群8枚 | 8群10枚 |
最短撮影距離(m) | 0.7 | 0.5 |
レンズ長(mm) | 58 | 47 |
レンズ最大径 | 61 | 65 |
フィルター径 (mm) | 77mm(+フィルターホルダー) M8専用IR/UVフィルターあり | 58 |
重量(g) | 310 | 350 |
発売日 | 2009.03 | 2007.08 |
定価 | ¥315,000(リリース当初) その後価格は上がっていく | ¥145,950 |
参考情報
- Leica Wiki 「18mm f/3.4 ASPH SUPER-ELMAR-M」
- ライカ Leica 13422 [UV/IR フィルター M F3.8/18mm ASPH.専用]
- DISTAGON 18mm・Shige’s hobby
- ATOLL 17mm・Shige’s hobby
- PERAR 17mm・Shige’s hobby
更新履歴
- 2025.4.29
- 2024.10.22
- 2024.1.11 / 記述修正
- 2023.05.07 / ギャラリー更新
- 2022.10.11
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