KONICA HEXANON L 60mm F1.2-2nd

コニカ製ライカL39大口径準標準レンズ

KONICA L HEXANON 60mm F1.2のレビューと写真作例

目次

Gallery

  • 写真作例の撮影は、KONICA HEXAR-RF +VELVIA 50 +NIKON LS-50
  • 写真作例の撮影は、LEOTAX F +lomography Lady grey B&W400 +DiMAGE Scan Multi PRO
  • 写真作例の撮影は、LEICA M10

レビュー

LEOTAX F +HAXANON 60mm
LEICA M8.2 +HEXANON 60mm

1.レンズ概要

ヘキサノン60mm F1.2はライカL39スクリューマウントで藤沢商会が企画し、過去に小西六写真工業がリリースした同スペックの60mm F1.2レンズを800本限定で復刻したレンズ。

レンズ構成は6群7枚のガウス型、最短撮影距離は0.8m、絞り開放値はF1.2となっている。

レンズフードはスリットの入った円筒型のフードで、フード径が大きいためレンジファインダーカメラの接眼部を被うため見辛くなる弊害がある。レンズに合わせた専用の60mmファインダーと58mmフィルターが付属している。

2.使用感

ヘキサノン 60mm F1.2は2008年2月に上野のカメラ屋にて中古品を購入した。レンズシリアルが800本製造のうちの2桁番号のレンズだ。

絞り開放から十分満足できる画像を得られるため、気に入ってずっと手元に置いてあるレンズだ。また、逆光耐性も十分なため付属の巨大なレンズフードはほとんど使わない。

このレンズの一つ特徴として、古めの大口径レンズが最短撮影距離が1mを採用しているが0.8mまで寄れる。この0.2m余分に寄れるのは非常に心強い、焦点距離も60mmと標準50mmより10mm長いため被写体を大きくとらえることができる。

M型ライカであれば50mmフレームの少し内側を意識して撮影し、ミラーレスカメラであればEVFを使用するため、専用ファインダーを使うことはほとんどない。と思っていたが、バルナックライカ互換機のLEOTAX Fでこのレンズを使うときに使用した。あたりまえの話だがヘキサノン60mmのマウントはL39スクリューマウントなので、バルナックライカに取り付けて使用することができる。

LEOTAX Fの50mmファインダーは見栄がよくなかったので、60mmファインダーを付けたところ、かなりよい感じに撮影範囲を確認できた。LEOTAX Fは古いカメラだが、ヘキサノン 60mmを二重像の合致で狙ったところにピントをあわせることができた。

中判デジタルセンサー(44 x 33mm)を搭載したハッセルブラッド X1D、X2DにX-Mマウントアダプターを経由して使用したことろ、レンズのイメージサークルに余裕があるようで、撮影結果に極端な周辺減光や画像の乱れはみられなかった。FUJIFILMのGFXも同センサーサイズなので問題なく使えるかもしれない。

別サイトでこのレンズの紹介ページを作っていたら、海外のマニアからレンズを売ってくれとのメールが来たことがある、世界中レンズマニアはいるものだ。値段が極端に上がった影響から、本レンズは中古市場で比較的見られるようになったが、その値段を出すならノクチルックスを買いたいという気持ちになる。
また、2020年代にはこのレンズの先代、1955年発売の旧ヘキサノン60mm F1.2は完品だと、そこそこの高級車が買える程度の値段で取引されている。旧型と新型ではレンズ構成が異なる。このあたりの説明は、写真工業出版社の「世界のライカレンズ Part2」に記載がある。

  • 記事カテゴリーがSONYになっているのは、KONICA→KONICA MINOLTA→SONYと技術が受け継がれているためそうしている。

3.比較

日本のカメラメーカーは標準ズに大口径モデルを好んでリリースしており、L39マウントでは、ズノー 50mm F1.1、キヤノン 50mm F1.2、フジフィルム 50mm F1.2、ニコン 50mm F1.1など、多くの50mm大口径レンズがある。ズノー以外のレンズは2000年代はそれなりの価格にて買い求める事ができたが、製造から50年以上経た2024年現在は、個体数の減少からこれら大口径レンズの価格高騰はいちじるしいものがある。

いずれのレンズも設計は古いし、ガラスの劣化も考えられるため、通常の撮影には向いているとは言いがたいため、博物館への収蔵か、マニアのコレクションとしての価値が大きいと思われる。

現代の大口径標準レンズは、ライカのノクチルクスを筆頭に、フォクトレンダーから、50mm F1、50mm F1.1、Ms-optics(宮崎光学)から、Sonnetar 50mm F1.1GA-ISM 50mm F1、中華メーカーからF1クラスのレンズが多数と、大口径標準レンズは選択肢が多くある。

仕様

項目HEXANON 60(Old)HEXANON 60(New)HEXANON 50
焦点距離(mm)606050
最大絞り1.21.21.2
最小絞り161616
レンズ構成6群8枚6群7枚
絞り羽根?10
最短撮影距離(m)3.5feet(1m)0.80.9
レンズ長(mm)55(L39マウント面)51.5(L39マウント面)52
レンズ最大径(mm)606468
フィルター径(mm)?58
銀色の専用品あり
62
マウントL39スクリューL39スクリューMマウント
重量(g)?388
レンズ +L/Mアダプタ
390
リリース年1956年1999年2001年
価格78,000-190,000-ボディとセット販売

参考文献・参考リンク

更新履歴

  • 2024.11.9
  • 2024.2.7:改稿
  • 2022.2.1:初稿

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