Ms-optics PERAR 35mm
トリプレットシリーズの一番手
Ms-optics PERAR 35mm F3.5のレビューと写真作例
目次
ギャラリー
- 写真作例の撮影はLEICA M9とLEICA M-P typ240
レビュー
1.概要
ペラ 35mm F3.5は、Ms-optics・全レンズの3製品目、トリプレットシリーズとしては初めてリリースした広角レンズ。
レンズにあるSUPER TRIPLEと表記があるように、レンズが3群3枚のトリプレット構成となっている。Ms-opticsではトリプレットシリーズにPERAR(ペラ)の名称が与えている。
ペラ35mmはペラ唯一の沈胴鏡筒を採用しており、フードを外して沈胴させるとレンズ厚さ4mmのボディキャップ状になる。
最短撮影距離は0.8mと一般的なレンジファインダーカメラの距離計連動範囲とほぼ一致している。
フィルター径は19mmで取付ネジが逆向きに切ってあるため、フィルターも通常と逆向きに取り付ける。
2.使用感
写りは3枚玉の特徴をそのまま引き継いでおり、ガラス枚数が少なさから中央部は抜けの良いクリアーな描写をするが、周辺部は像面湾曲による像の流れの影響が見られることがある。
周辺部の乱れについては、設計者の宮崎氏は中央部の画質をピークにしたとき、その差が顕著に見られるので、中央部を少し犠牲にして周辺部の画質を向上させるようにしたと、レンズ設計データには記載されている。
絞り開放F値3.5と少し暗いレンズであるが、日中野外であれば風景から生物とどのような被写体にも対応できる。また、デジタルカメラであればISO感度を上げることでレンズの暗さにも対処できる。
最短撮影距離の0.8mはミラーレスカメラ全盛の2020年代には少々物足りないが、最短撮影距離を補うために補助ヘリコイド付きマウントアダプターを使用すれば、最短撮影距離についての懸念はなくなる。
2010年の発売すぐに購入し長らくⅠ型を使っていたが、2017年頃に中古カメラ店でII型を発見したので購入した。I型とII型を比べたところ、目に見える違いはレンズ銘にIIと入っていることとフード形状だけであった。付属していた説明書も同じだったので、レンズ構成も変化なくII型は第2ロット程度の意味と考えられる。
3.比較
レンジファインダーカメラの世界では焦点距離35mmレンズは激戦区で、各社からさまざまなレンズがリリースされており、Ms-opticsでも明るい35mmレンズを3本リリースしている。
このレンズの特徴は鏡筒のコンパクトさと重量の軽さが群を抜いていることだ。
Ms-opticsにおける3群3枚のPERARシリーズは本レンズを含めて、4本のレンズがありPERAR-28mm F4、PERAR-24mm F4、PERAR21mm F4.5と、絞り開放F値が少し暗い広角レンズがリリースされている。
仕様
項目 | PERAR | ← | ← | ← |
焦点距離(mm) | 35 | 28 | 24 | 21 |
最大絞り | 3.5 | 4 | 4 | 4.5 |
最小絞り | 22 | 22 | 22 | 22 |
レンズ構成 | 3群3枚 | ← | ← | ← |
絞り羽根枚数 | 10 | ← | ← | ← |
最短撮影距離(m) | 0.8 | ← | ← | ← |
レンズ長(mm) | 17.5 | 9 | 5.2 | 5.2 |
レンズ最大径(mm) | 48.6 | ← | ← | ← |
フィルター径(mm) | 19 | ← | ← | 25 |
重量(g) | 70 | 45 | 35 | 45 |
リリース年 | 2010 | 2012 | 2014 | 2015 |
定価(円・税別) | ¥55,000- | ¥60,000- | ¥60,000- | ¥60,000- |
参考文献・参考リンク
更新履歴
- 2024.03.12:改稿
- 2022.06.01:初稿
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