マイチェン M8→ LEICA M8.2

マイチェン M8→ LEICA M8.2

LEICA M8.2を赤SUMMARON 28mm F5.6 を含むL39スクリューマウントレンズで使用したレビューと写真作例

目次

ギャラリー

作例撮影に使用したレンズ

レビュー

  1. 概要
  2. 使用感
  3. まとめ
Before imageAfter image

1.カメラ概要

LEICA M8.2は、ライカ製デジタルレンジファインダーカメラの1.5代目で、基本的にはM8と同じだ。

主な特徴は以下の通りで、詳細は仕様に記した。

  • KODAK製・APS-Hサイズ(レンズ焦点距離の35mm判換算係数は1.33)・1000万画素センサー
  • ローパスレス仕様
  • バッテリーは、Leica 14464
  • 液晶カバーガラスにサファイアガラスを使用
  • 最高シャッター速度は1/4000
  • 最低ISO感度は160、最高ISO感度は2500
  • 新型のコンパクト充電器に変更(型番14470)

ライカはLEICA M8ユーザーにたいして24万円という価格でLEICA M8.2相当のカメラへアップグレードする機会をライカは提供した。しかし、それほど需要がなかったためか、少し時間が経過した後に12万円に変更する半額キャンペーンをおこなっていた。当時はアップグレード価格を払うより、LEICA M8を下取りしてLEICA M8.2を買う方が安価な場合もあった。

LEICA(ライカ) (14470) 

2.使用感

LEICA M8.2の1000万画素センサーが記録する画像は今でも十分に通用する。
ISO640までは、ノイズは増えるが解像感は失われないので、場面を選べば十分に実用可能で、ISO1280を超えると少々苦しくなってきて、ISO2500は写っているだけとなる。

LEICA M8.2LEICA M8と同じAPS-Hのセンサーを搭載しているため、内蔵ファインダーのフレーム枠に対応しないレンズを使用する場合、外付けのファインダーを利用することになる。しかし、センサーサイズが35mm判よりも小さいため、センサー倍率の1.33をかけたファインダーを用意する必要がある。

例えば、焦点距離15mmのレンズを使用する場合、撮影時に適用される35mm判換算の焦点距離は15 x 1.33=19.95mmとなるため20mm(ロシアレンズルサール用が20mm)もしくは、21mm(21mmファインダーは、ライカのスーパーアンギュロン、エルマリート向け、フォクトレンダー、カールツァイス、コンタックス、アベノンなど多くの種類がある)のファインダーを使用して構図を決める必要がある。

L39スクリューマウントを使う場合、L/M変換リングを使用する必要がある。8bitコードにてレンズ認識をさせる場合、爪位置とコードがマッチしていないとレンズを認識しない。例えば35/135のLMリングに28mmのコードを付加してカメラに装着してもレンズを認識しない。28mmのコードを使う場合は、28/90のMLリングを用意する必要がある。

LEICA M9からは装着レンズをメニューから選択できるようになったため、6ビットコードが有用なのはLEICA M8LEICA M8.2だけである。純正のデジタルL向けマウントアダプターも6bitコードは認識するけれど、レンズ情報の登録内容がどの程度まで更新されているかは不明だ。

LEICA M8.2のバッテリーはライカLEICA M8.2LEICA M9LEICA M9-Pと同じ、Leica 14464を採用しており、公称ではフル充電したとき500枚撮影可能で、実際の撮影でも予備バッテリーがいる場面に遭遇したことはほとんど無い。
バッテリー形状は特殊で、互換製品を一時期見かけたが、カメラとの相性問題のためか正常に使えずに返品した記憶がある。

付属の充電器がコンパクトな充電器(14470) に変更されている。コンセントに接続するプラグ部分は眼鏡状の端子にケーブルを接続する方式で、変圧器を内蔵しており作動電圧を自動調節して電圧の異なる国での使用が可能だ。また、各国仕様のプラグ付きのケーブルが付属しているので、プラグが適合する国であれば使用できる。

3.まとめ

結論としてLEICA M8.2をまとめると、LEICA M8 をマイナーチェンジしたLEICA M9ヘのつなぎのために作られたカメラだ。LEICA M8 と同様にセンサーサイズが小さいため標準で用意されたファインダー枠以外のレンズを使う場合、構図を決めるためのファインダーの調達に悩むところも欠点の一つだ。

LEICA M8.2の中古価格はLEICA M8と比べて高価であるが、それだけの価値があるかは疑問である。

仕様・考察など

カメラの仕様を比べるとLEICA M8 & M8.2はほぼ同じことがわかる。
また、LEICA M9のセンサーは画素ピッチはLEICA M8 & M8.2と同じであり、35mmフルフレーム(フルサイズ)センサーへ拡張したため、センサー面積が増えた分だけ画素数が増えている。この3つのカメラはボディや操作系はほぼ同じで順当にカメラとしてステップアップしていったことがわかる。

LEICA M8.2LEICA M8LEICA M9の違い

基本的にはLEICA M8のマイナーチェンジ版で、センサー性能はまったく同じで、両者の違いは細かな意匠の変更、サファイアガラスの採用、シャッターの静音化のため、シャッタースピードの上限が1/8000から1/4000のへ低下である。
この1/4000という最大シャッタースピードは、これ以後のデジタルM型ライカの標準となる。

カメラの操作もLEICA M8とまったく同一で、軍艦部に、電源スイッチ、シャッターダイヤル、背面には設定くらいでしか使わない液晶画面とメニューなどの小さなボタンがある。
LEICA M8から引き続いてダイヤルやボタン部品にLEICA Digital Module Rと同じ部品が使われている。

LEICA M8.2のシャッター音はLEICA M8の耳に残る大きな音に比べると、少し大人しく(甲高い感じが緩和された)なったが、LEICA M typ240以降のシャッター音と比べると大きな音がする。
LEICA M8リリースから2年の進化では、KodakセンサーのUV/IR問題を改善できず、その改善はLEICA M9に持ち越される。LEICA M9はセンサーのカバーガラスの破損という固有の大きな問題があり、カメラとしてはLEICA M typ240からやっと安心して使えるカメラになったと思う。

旧カメラのLEICA M8の充電器(オーダー番号 14463)は大柄で、コンセントへの差し込みプラグが交換式になっており、日本向けを含む3つのプラグが付属していた。LEICA M8.2LEICA M9は前述のとおりコンパクト充電器(オーダー番号 14470)が付属している。

LEICA M9は35mmフルフレームセンサーを搭載したことが大きなトピックで、それをのぞく操作性などについては、LEICA M8.2と大きく変わるところはない。LEICA M9の詳細はリンク先ページを参照していただきたい。

モデル名LEICA M8LEICA M8.2LEICA M9
カメラ有効画素数10.3-Megapixels10.3-Megapixels18.0-Megapixels
映像素子Kodak KAF10500Kodak KAF10500KAF-18500
センサーサイズAPS-H Size 27 x 18mmAPS-H Size 27 x 18mm35mm Full frame 35.8 × 23.9 mm
背面液晶サイズ2.5 インチ 23万画素2.5 インチ 23万画素 サファイアガラス2.5 インチ 23万画素
ファインダー倍率0.680.680.68
最高シャッター速度1/80001/40001/4000
バッテリーLeica 14464Leica 14464Leica 14464
メディアSDSDSDHC
サイズ mm139 x 80 x 37139 x 80 x 37139 x 80 x 37
重量  g(本体のみ)545545585
リリース年2006.112008.92011.6.30
カラーブラック・シルバー・ホワイトブラック・シルバー・サファリブラック・グレー

・中古カメラ

それにしても、LEICA M8.2LEICA M8よりも高価で取引されているが、撮影結果から考えると価格差に見合う価値があるかは疑問だ。基本的にデジタルはほぼ生もので、修理不能のカメラが高値で取引される現状は、若干疑問を感じるところである。部品供給が難しいという面は重々わかるが、ライカくらいの規模であれば、カメラボディを共通にして、センサーをユーザーが選択できるサービスがあってもよいだろう。M11のボディにM9センサーが積めるのであれば、むやみに中古に高価格を出す必要もなくなるのではなかろうか。

・サファリカラー

数年前にLEICA M8.2 Safariを適価で購入できる機会があったが、そのときは金銭問題で見送ってしまった。今では市場で見ることも無く、市場に出てもプレミア価格必至なので残念なことをしたと思う。
LEICA M typ240 SafariLEICA M10-P Safariと違い、ボディのサファリカラーに赤バッジが付いた意匠はライカマニアの心をくすぐるものであった。D-LUX4 Safariが同じような意匠をまとっている。

・アップグレード

カメラ概要に記したカメラの有償アップグレードは、日本のメーカーでもごく希に実施される。
カメラの有償アップグレードの微妙なところは、アップグレード価格がそれなりに高価なことと、人気機種であれば下取りにだして新機種を購入する方が、新機種の入手+新たな保証期間を得られるメリットが大きいため、アップグレードしてまで使い続けるメリットが少ないことだろう。アップグレードにも延長保証はつくが、新品保証の方が魅力的なのは当然だろう。また、フィルムカメラと違い、デジタル機器は、基板寿命、センサー寿命、バッテリー寿命など、さまざまな部分で使い捨てられる物であることの影響が大きい。

オプション

  • LEICA M8/M8.2/M9/M9-P ハンドグリップ(下面カバーを取り替え)
  • サムズアップ

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参考情報

更新履歴

  • 2025.7.3
  • 2024.07.18
  • 2024.02.20
  • 2023.10.18

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