Hasselblad X1D 50C /4116 edition
魅惑的なスウェーデンデザイン
ハッセルブラッド製デジタルカメラ・X1D-50cのレビューと写真作例
目次
ギャラリー
レビュー
X1D-50C /4116 editionは中判センサー(44×33)を搭載したミラーレスデジタルカメラ。
シャッター機構をカメラに装備していないため、非常にコンパクトなボディとなっている。
メカシャッター機構はレンズ側に装備されているものを使用する。
2017年にリリースされたファームウェア1.17.2からセンサーシャッターが使えるようになるなど、X1DII発売まで細かな改良がされていった。
筆者はX1D-50Cと4116 editionの違いはボディ色だけだと認識している。
X1D-50C /4116 editionを使用した感想は、とにかく起動が遅く電源を落としていると、電源オンから撮影可能になるまで5秒程度待つので瞬間を捉えることは難しい。
電源入れっぱなしでスリープ復帰の運用では、ボディが熱くなるのでつけっぱなしともいかず、このカメラを普段使いするのはなかなか悩ましい。暑い季節にはカメラの熱暴走も経験した。
XCDシステムには望遠レンズがないため、ハッセルブラッドHのHC300mm F4.5にH x1.7 テレコンバータを装着して、合計焦点距離510mmのレンズで白樺峠の鷹にチャレンジした。
しかし、カメラとレンズの電気接点不良により、鷹の撮影時にレンズを上に振り上げるとリセットがかかる症状によりまともに使えなかった。
この不良の原因究明をハッセルブラッドにお願いすると、レンズ側の問題とX1D 4116 editionのマウント部電気接点の不良とのことで、カメラは結構な金額を払って修理したが、少ししてX1DIIに買い替えてしまった。
X1Dは寄り道といえば寄り道だが、これを使ったおかげでX1DIIをよりよく感じることができたので悪い経験ではなかったと思っている。
ハッセルブラッドXシリーズは、センサーサイズが35mmフルサイズよりも大きい44x33mmのため、実際に撮影できる焦点距離は次のように変化する。
専用のXCDレンズとハッセルブラッドH用レンズをXHレンズアダプターを使用したときは、35mm焦点距離を0.8倍した焦点距離となる。
ハッセルブラッドH用レンズ使う場合、XHコンバーター x0.8を使用すると、コンバーターによって35mm焦点距離が0.8倍され、さらにセンサーサイズの0.8倍が加わるため、合計0.64倍の焦点距離となり、ほぼ中判フィルムサイズの焦点距離を得ることができる。しかし、ハッセルブラッドHCDレンズはイメージサークルが小さいため画像周辺部にケラレが発生する。
X1Dはミラーレスカメラでカメラのフランジバック(レンズとボディの結合部であるマウント面から撮像面までの距離)が短いため、マウントアダプターを使用すると様々なレンズを取り付けることができる。しかし、前述のようにカメラ側に機械シャッターはなく、レンズシャッター機構を持たないレンズではカメラのセンサーシャッターで撮影することになる。
X1Dのセンサーシャッターは、最近のミラーレスカメラのようにローリングシャッター歪みを低減させる対策がされていないため、列車や動物など被写体が高速に動くものは被写体ブレに中が必要だ。
また、カメラが画像処理中しているとき、カメラを動かしたことによる撮影画像の揺れはにも注意が必要である。
この現象はシャッター速度に関係なく、画像転送処理中にカメラを動かすと撮影結果がゆがむため注意が必要である。速いシャッター速度で撮影した場合でも一呼吸置いてから次の撮影に臨む必要がある。
X1D 4116 editionは筆者が初めて購入したハッセルブラッドのボディで、X1D 4116 editionを選んだのはX1DIIが発売されて、X1Dの中古価格が下がってきたところでXCD45mmレンズとX1D 4116 editionボディのセットをX1Dボディ単体と同じくらいの価格でみつけたらからだ。
入手した4116 editionのカラーリングは最高にかっこいいと思った。
ボディとレンズ1本では寂しいので、XCD21mmは購入して使っていたが、HCD24mmを入手したときに売ってしまった。ボディに付属してきたXCD45mmはXCD45mmPを購入したときに売ってしまい、XCDレンズで手元に残っているのは、XCD28mmPとXCD45mmPだけである。普段はハッセウブラッドHレンズを使用している。
さすがに進化途上のデジタル製品は最新版が良いと実感したので、X2Dは発売直後に買うことにした。
3代をへて着実な進化を感じているところである。それでもX2Dで並のカメラレスポンスなので、機能的にはのんびりしたシステムだと思う。
仕様
項目 | X2D 100C | X1DII 50C | X1D 50C/4116edition |
カメラ有効画素数 | 1億画素 11656 × 8742ピクセル 3.76μm | 5000万画素 8272 × 6200ピクセル 5.3µm | ← |
センサーサイズ | 43.8 × 32.9mm | ← | ← |
レンズマウント | ハッセルブラッド・Xマウント | ← | ← |
撮像素子 | BSI型(裏面照射型)CMOS | CMOS | ← |
フォーカス | PD(位相差)AF&CD(コントラスト)AF | CD(コントラスト)AF | ← |
EVF | 液晶ビューファインダー / 約576万画素 | 有機ELビューファインダー / 約396万画素 | 液晶ビューファインダー / 約236万画素 |
背面ディスプレイ | 3.6インチ・236万画素TFTディスプレイ | ← | 3.2インチ・92万画素TFTディスプレイ |
液晶稼働 | 2段階 (40°/70°)チルト式 | 固定 | 固定 |
記録メディア | 内蔵1TB-SSD CFexpress type-B | SDカード デュアルスロット | ← |
バッテリー | リチャージブルバッテリー 3400mAh (Xシステム用) | ← | 付属バッテリーは3200mAh |
外形寸法(mm) 幅 x 高さ x 奥行 | 148.5 × 106 × 74.5 | 148 × 97 × 70 | ← |
重量(g) カメラのみ | 790 | 650 | ← |
オプション
- Hasselblad リチャージブルバッテリー 3400mAh (Xシステム用) *1
- Hasselblad BATTERY CHARGING HUB *1
- XVレンズアダプター *1
- XHレンズアダプター *1
- XHレンズコンバーター 0.8 *1
- X1D用 レリーズコード Release Cord X *1
- Tripod Mounting Ring (75mm)
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レンズ
焦点距離 | 35mm判換算焦点距離 | 名称 | 開放F値 | Note | |
20-35mm | 16-28mm | XCD 3,2-4,5/20-35E | 3.2-4.5 | 2024.9.10 | 現行 |
21mm | 17mm | XCD21 | 4 | 2018.5.31 | 終売 |
25mm | 20mm | XCD25V | 2.5 | 2024.5.7 | 現行 |
28mm | 22.4mm | XCD28P | 4 | 2023.9.4 | 現行 |
30mm | 24mm | XCD30 | 3.5 | 2017.1.30 | 終売 |
38mm | 31mm | XCD38V | 2.5 | 2022.9.9 | 現行 |
45mm | 36mm | XCD45 | 3.5 | 2016.12.31 | 終売 |
45mm | 36mm | XCD45P | 4 | 2020.1.31 | 現行 |
55mm | 44mm | XCD55V | 2.5 | 2022.9.9 | 現行 |
65mm | 52mm | XCD65 | 2.8 | 2019.2.1 | 現行 |
75mm | 60mm | XCD 75P | 3.4 | 2024.11.7 | 現行 |
80mm | 64mm | XCD80 | 1.9 | 2019.1.11 | 現行 |
90mm | 72mm | XCD90 | 3.2 | 2016.12.31 | 終売 |
90mm | 72mm | XCD90V | 2.5 | 2023.12.21 | 現行 |
120mm | 96mm | XCD120 macro | 3.5 | 2017.12.10 | 終売 |
135mm | 108mm | XCD135 | 2.8 | 2019.3.24 | 終売 |
230mm | 184mm | XCD135 x1.7 | 4.5 | 2019.2.27 | 現行 |
35-70mm | 28-56mm | XCD35-70 | 3.5-4.5 | 2020.2.28 | 現行 |
9mm延長チューブ |
参考文献・参考リンク
更新履歴
- 2024.03.05:改稿
- 2024.02.13:改稿
- 2022.09.03:初稿
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