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電子制御RFカメラ HEXAR RF

セミオートレンジファインダー・フィルムカメラ、コニカ・ヘキサー RFのレビューと写真作例

目次

ギャラリー

写真作例の撮影は以下のレンズとフィルムを使用した。

  • SMC PENTAX L43mm +KODAK EPR-64
  • LEICA SUMMICRON M 35mm F2 with Goggle +FUJIFILM Velvia100
  • LEICA SUMMILUX 35mm F1.4 2nd +KODAK ELITE CHROME100
  • KM HEXANON 35mm F2 +KODAK Kodachrome PKR-64
  • KM HEXANON 50mm F2 +FUJIFILM ACROSS 100

レビュー

HEXAR RF BLACKHEXAR RF BLACK +CARL ZEISS BIOGON ZM 35mm

1.概要

HEXAR RFは、コニカが1999年にリリースした、ライカMマウント互換セミオートレンジファインダー・フィルムカメラ。

セミオートとは、フィルム装填初期位置だし、フィルム自動巻き上げ、液晶によるフィルムカウンター表示、AE露出制御など、フィルム装填とフォーカス以外の作業以外は電子機器となったためである。
そのため、電源としてCR2電池が2本必要となり、電池が無い場合はシャッターも切れなくなり撮影できない。

ボディフレームはアルミ合金、外装はチタンを使用している。

シャッター幕面、TTLダイレクト測光の採用し、最高シャッタースピード 1/4000、1/125秒のフラッシュ同調が可能。

ファインダーの倍率は0.6倍、基線長は69.2mm、ファインダー枠は28/90、35/135、50/75の3種6枠となっている。

2.使用感

HEXAR RFはM型ライカと比べると、機能的なファインダー内表示、電気式の自動フィルム巻き上げ、1/4000秒シャッター、などM型ライカを上回る仕様を持っている。高速シャッターを実現したため、少しうるさいシャッター音は好みが分かれるところだ。

カメラの大きさはLEICA Mシリーズとほぼ同じで、各部の寸法はLEICA Mに準拠しているため、眼鏡付きのレンズも問題なく利用できた。DR-SUMMICRON 50mmのみ眼鏡に付属したパーツを外す必要があった。

カメラのファインダー倍率は0.6倍と像が小さいため、焦点距離50mm以下のレンズを使うのにはよいけれど、長焦点距離の75mm/90mmで絞り開放F2クラスの大口径レンズを絞り開放で使用するときはピント精度に不安がある。
そのため、限られた枚数で撮影するフィルムカメラなので、焦点距離50mmを超えるレンズを使用することはほとんど無かった。

自動化が進んだカメラであり、フィルムのスプールは使用者がフィルムを隙間に挟み込むのでは無く、カメラにフィルムをセットすると自動的にカメラがフィルムを初回位置に巻き上げてくれる。
このときの動作だが、セットされたフィルムのパーフォレーション(フィルム両脇の穴)にスプールの突起が引っかかることによりフィルムは巻かれていく。
裏蓋を閉めたときフィルムが巻き上げられて初期位置にくれば問題は無いのだが、まれに次のようなことが起こるため注意が必要だ。

フィルムをセットして裏蓋を閉めたとき、スプールの突起とフィルムのパーフォレーションの位置が大きくずれた状態でフィルムセットを繰り返すと、スプールとフィルムパーフォレーションの干渉により、スプールの突起が摩耗してくる。
スプール突起が摩耗してくると、最終的にはフィルムのパーフォレーションがスプールの突起にかからないまま空転し初期位置にフィルムが巻き上がらなくなる。最初に使用したHEXAR RFは全自動巻き上げと言うことで、細かいことを気にせずにフィルムを装着して撮影を繰り返していると、スプールが摩耗してフィルムが巻き上がらなくなり、スプール交換の修理を依頼したことがある。

これはスプールの突起がプラスチック性であるため摩耗しやすいのは確かである。
使用者としてはこの摩耗が最低限になるように、カメラへのフィルムセット時にフィルムのパーフォレーションとスプールの突起が一致した状態で裏蓋を締め、スプールの空転が無いように使用するのが無難だと考える。
HEXAR RFもすでに古いカメラであり、2024年には修理部品が存在しないため、中古を購入する場合は、カメラのスプール突起が異常に摩耗していないか確認することが必要だろう。

DXコードのないフィルムでは、フィルムが自動で巻き上がらないことを、こちらのページの記載から認識した、カメラ談義10・1999年、ライカ・ブギウギーの締めくくり(Field Camerama note by NAGY)、怪しげなフィルムを使うと巻き上げがおこなわれないわけがわかってすっきりした。自動では巻き上がらないがフィルムを正しくセットして、シャッターを切ると撮影は可能である。

このカメラはフィルム用ライカMボディを買う財力が無かったときにたどり着いたMマウント互換フィルムカメラで、これより以前はMINOLTA CLE、Rollei 35 RF(Bessa-R2と同じ)、CONTAX G1/G2などを使っていた。

参考文献の、「HEXAR RFのすべて・ヘキサーRF 最新型レンジファインダー機の魅力を探る」(エイムック 2005)はヘキサー RFの情報が充実したよい本だが、2000年発行なので、それ以降に発売されたボディHEXAR RF LIMITED、レンズ、M-HEXANON 50mm F1.2 Limited、M-HEXANON 35mm、M-HEXANON 21-35mmについては紹介がないため注意されたい。

3.まとめ

結論としてHEXAR RFをまとめると、0.6倍のファインダーは28mm~35mmの広角レンズを使用するのに適している。ファンダーは50mmくらいまではストレス無く使える。

スナップなどの普段使いのレンジファインダーカメラとして優れている。電気式による自動巻き上げはとても便利だ。

軍艦部にまとめられた操作系もマニュアルを見なくても使用できる簡便さがある。

仕様・他カメラ比較

ファインダーの見やすさと精度は基線長が長く倍率も大きいZeiss Ikon(COSINA / 2005年発売)が優れている。
Rollei 35 RF(BESSA_OEM)はファインダー倍率は大きいが基線長が短いため、有効基線長は小さくなる。

カメラHEXAR RFRollei 35 RFZeiss Ikon
ファインダー実像距離計式逆ガリレオ式透視ファインダー実像距離計式逆ガリレオ式透視ファインダー実像距離計式逆ガリレオ式透視ファインダー
ファインダー倍率0.6倍0.7倍0.74倍
ファインダー枠28/90、35/135、50/7540/50/8028/85、35、50
基線長(mm)69.23775
有効基線長(mm)41.525.955.5
シャッター電子制御上下走行式メタルフォーカルプレーンシャッター機械制御式縦走りメタルフォーカルプレンシャッター電子制御上下走行式メタルフォーカルプレーンシャッター
シャッター速度1/4000〜16秒(オート) 1/4000〜1秒(マニュアル)1/2000〜1秒1/2000〜1秒
測光シャッター幕面、TTLダイレクト測光中央部重点TTL平均測光中央部重点TTL平均測光
バッテリーCR2-3V 2本SR44 x2 LR44 x2CR-1/3N x1 SR44 x2 LR44 x2
外形寸法(mm) 幅 x 高さ x 奥行139.5 × 80 × 35135.5 × 81 × 25.5〜33.5138 × 77.5 × 32
重量(g)約560約440約460
リリース年通常(1999.1)
Limited(2001)
2002(2006終売)2005.10

オプション

  • フラッシュ
  • 革ケース
  • 専用レンズ
焦点距離名称リリース年技術レポートリンク
28mmM-HEXANON f28 / F2.81999年28/50/90mm-PDF
50mmM-HEXANON f50 / F21999年28/50/90mm-PDF
90mmM-HEXANON f90 / F2.81999年28/50/90mm-PDF
35mmM-HEXANON f35 / F22000年35mm-PDF
50mmM-HEXANON f50 / F1.22001年50mm/F1.2-PDF
21-35mmM-HEXANON f21-35 / F3.4-42002年21-35mm-PDF

参考リンク

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更新履歴

  • 2025.11.7
  • 2025.5.23
  • 2024.05.18:更新
  • 2022.02.10:初稿

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