KONICA HEXAR RF
電子制御レンジファインダーカメラ
コニカ・ヘキサー RFのレビューと写真作例
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目次
ギャラリー
- レンズはCONTAX G HOLOGON 16mm
- フィルムはフジフィルム・PROVIA 400
レビュー
1.概要
ヘキサーRFは、コニカが1999年にリリースした、ライカMマウント互換レンジファインダー・フィルムカメラ。
フィルム自動巻き上げ、液晶によるフィルムカウンター、AE露出制御など電子機器となったレンジファインダーカメラ。電池はCR2が2本必要で、電池が無い場合はシャッターも切れない。
ファインダーの倍率は0.6倍、基線長は69.2mmとなっている。
参考文献の、「HEXAR RFのすべて・ヘキサーRF 最新型レンジファインダー機の魅力を探る」*1(エイムック 205)はヘキサー RFの情報が充実したよい本だが、2000年発行なので、それ以降に発売されたボディHEXAR RF LIMITED、レンズ、M-HEXANON 50mm F1.2 Limited、M-HEXANON 35mm、M-HEXANON 21-35mmについては紹介がないため注意されたい。
2.使用感
当時フィルム用ライカMボディを買う財力が無かった筆者がたどり着いたMマウント互換フィルムカメラ。このカメラの前はMINOLTA CLE、Rollei 35 RF(Bessa-R2と同じ)、CONTAX G1/G2などを使っていた。
ヘキサー RFはM型ライカと比べると、少しうるさめのシャッター音は好みが分かれるところだが、機能的なファインダー内表示、電気式の自動フィルム巻き上げなど利点も多かった。
フィンダー倍率が低いため、広角レンズの撮影には向いているが、75mm以上の中望遠レンズではピント位置を合わせることが難しい。
ヘキサー RFは、自動化が進んだカメラであり、フィルムのスプールは使用者がフィルムを隙間に挟み込むのでは無く、カメラにフィルムをセットすると自動的にカメラがフィルムを初回位置に巻き上げてくれる。
このときの動作だが、セットされたフィルムのパーフォレーション(フィルム両脇の穴)にスプールの突起が引っかかることによりフィルムは巻かれていく。
裏蓋を閉めたときフィルムが巻き上げられて初期位置にくれば問題は無いのだが、まれに次のようなことが起こるため注意が必要だ。
フィルムをセットして裏蓋を閉めたとき、スプールの突起とフィルムのパーフォレーションの位置が大きくずれた状態でフィルムセットを繰り返すと、スプールとフィルムパーフォレーションの干渉により、スプールの突起が摩耗してくる。
スプール突起が摩耗してくると、最終的にはフィルムのパーフォレーションがスプールの突起にかからないまま空転し初期位置にフィルムが巻き上がらなくなる。最初に使用したヘキサーRFは、全自動と言うことであまり気にせずにフィルムを装着して撮影を繰り返していると、スプールが摩耗してフィルムが巻き上がらなくなり、スプール交換の修理を依頼したことがある。
これはスプールの突起がプラスチック性であるため摩耗しやすいのは確かである。
使用者としてはこの摩耗が最低限になるように、カメラへのフィルムセット時にフィルムのパーフォレーションとスプールの突起が一致した状態で裏蓋を締め、スプールの空転が無いように使用するのが無難だと考える。
ヘキサーRFもすでに古いカメラであり、2024年には修理部品が存在しないため、中古を購入する場合は、カメラのスプール突起が異常に摩耗していないか確認することが必要だろう。
DXコードのないフィルムでは、フィルムが自動で巻き上がらないことを、こちらのページの記載から認識した、カメラ談義10・1999年、ライカ・ブギウギーの締めくくり(Field Camerama note by NAGY)、怪しげなフィルムを使うと巻き上げがおこなわれないわけがわかってすっきりした。自動では巻き上がらないがフィルムを正しくセットして、シャッターを切ると撮影は可能である。
3.比較
カメラのファインダー倍率は0.6倍と像が小さいため、焦点距離50mm以下のレンズを使うのにはよいけれど、長焦点距離の75mm/90mmでF2クラスの大口径レンズを使用するときはピント精度に不安があった。デジタルカメラと異なり、撮影結果をプレビューで結果を確認できず、限られたフィルム枚数でしか撮影できないHEXAR RFで、焦点距離50mmを超えるレンズを使用することはほとんど無かった。
ファインダーの見やすさと精度は基線長が長く倍率も大きいZeiss Ikon(COSINA / 2005年発売)が優れている。
仕様
カメラ | Rollei 35 RF | Zeiss Ikon | HEXAR RF |
ファインダー | 実像距離計式逆ガリレオ式透視ファインダー | ← | ← |
ファインダー倍率 | 0.7倍 | 0.74倍 | 0.6倍 |
ファインダー枠 | 40/50/80 | 28/85、35、50 | 28/90、35/135、50/75 |
基線長(mm) | 37 | 75 | 69.2 |
有効基線長(mm) | 25.9 | 55.5 | 41.5 |
シャッター | 機械制御式縦走りメタルフォーカルプレンシャッター | 電子制御上下走行式メタルフォーカルプレーンシャッター | ← |
シャッター速度 | 1/2000〜1秒 | 1/2000〜1秒 | 1/4000〜16秒(オート) 1/4000〜1秒(マニュアル) |
測光 | 中央部重点TTL平均測光 | ← | シャッター幕面、TTLダイレクト測光 |
バッテリー | SR44 x2 LR44 x2 | CR-1/3N x1 SR44 x2 LR44 x2 | CR2-3V x2 |
外形寸法(mm) 幅 x 高さ x 奥行 | 135.5 × 81 × 25.5〜33.5 | 138 × 77.5 × 32 | 139.5 × 80 × 35 |
重量(g) | 約440 | 約460 | 約560 |
リリース年 | 2002(2006終売) | 2005.10 | 通常(1999.1) Limited(2001) |
オプション
- フラッシュ
- 革ケース
- 専用レンズ
焦点距離 | 名称 | リリース年 | 技術レポートリンク |
28mm | M-HEXANON f28 / F2.8 | 1999年 | 28/50/90mm-PDF |
50mm | M-HEXANON f50 / F2 | 1999年 | 28/50/90mm-PDF |
90mm | M-HEXANON f90 / F2.8 | 1999年 | 28/50/90mm-PDF |
35mm | M-HEXANON f35 / F2 | 2000年 | 35mm-PDF |
50mm | M-HEXANON f50 / F1.2 | 2001年 | 50mm/F1.2-PDF |
21-35mm | M-HEXANON f21-35 / F3.4-4 | 2002年 | 21-35mm-PDF |
参考文献・参考リンク
- KONICA技術レポート・HEXAR-RF
- コニカヘキサーRFのすべて (エイムック 205) ムック – 2000/1/1(アマゾンアフィリエイトリンク)
- ライカ通信 No1 P65-P67・カメラレポートあり・アマゾンアフィリエイトリンク
- カメラ談義10・1999年、ライカ・ブギウギーの締めくくり(Field Camerama note by NAGY)
更新履歴
- 2024.05.18:更新
- 2022.02.10:初稿